2020年11月7日

悲劇に見舞われたクロカンブッシュ

シュークリームをキャラメルや飴などでくっつけながら円錐型に積み上げたお菓子、クロカンブッシュ。

うちの娘は、私の60歳の誕生日のお祝いに、このクロカンブッシュを作ることにしたのでございました。

「中に詰めるのはフルーツ系のクリームでお願い!」というお母さんのリクエストに応え、ラズベリークリームを詰めることにしました。

人生初のクロカンブッシュ作りに張り切る娘ですが、前回作ったシュークリームが高さ1センチ以下という大失敗に終わったこともあり、「生地に入れる卵の量に注意しないとダメよ。レシピに書いてある量をそのまま入れると失敗するからね。生地の硬さを見ながら入れなくちゃ」というお母さんのアドバイスに従いました。

固さはこれでいいかと私に見せに来たんですけど、パーフェクトな固さのシュー生地でした。

あれをしてくれ、これを頼むと、アシスタントの兄を犬のように働かせながら(手伝ってもらいながら)生地を2枚のトレーに絞り出し、無事オーブンに入れ終わったようでした。

次に中に詰めるラズベリークリームの準備に取りかかった様子のキッチンから、

パシッ!

という異音が響きました。

「今のは何?何か破裂したような音がしたけど?」

と、娘がアシスタントの兄に尋ねているのが聞こえました。別の部屋でアメリカ大統領選挙のニュースを読んでいた私にも「パシッ」という音は聞こえたんですけど、あの時すぐに様子を見に行っていれば…

その10分後くらいです。

オーノー!

縮んじゃってる!ちゃんと膨らんでいたのに!

ディザスターだ!どうしちゃったんだ!

Shit! Shit! Shit! 

と、娘が大騒ぎしているものですから、キッチンに行ってみますと、オーブンの下段に入れた方のシューが縮んでいました。

「これは温度が低すぎるのよ」
「温度は大丈夫なはず!ちゃんと膨らんでいたの!」
「ドアを開けたんじゃあないの?」
「開けてない!」

その時、私はオーブン内が真っ暗なことに気づきました。電源が落ちていました。

「オーブンが消えてるじゃないの」
「ホントだ!このオンボロオーブンめ!」
「さっきパシッて音がしたでしょ?庫内灯の電球が切れたのよ。それで安全ブレーカーが落ちたのよ。ブレーカーを上げたらオーブンはまた付くわよ」

でくのぼうのように突っ立っていた息子が、それを聞いてすぐに走って行きまして、安全ブレーカーを上げましたらオーブンは付きました。

しかし、

すでに手遅れ…(泣)

下段のシューは高さ1センチ以下に縮んでおり、上段のシューも縮みかけておりました。縮んじゃったシューは、温度を上げたってもう膨らみません。

張り切っていた娘は、焼き上がったぺちゃんこのシューをオーブンから取り出した後、しばらく部屋にこもってしまいました。

気持ちは分かる。

よりによってあのタイミングで電球が切れるとは…

気づくのがもっと早かったら…

せっかく作った美味しいラズベリークリームはぺちゃんこのシューにほとんど詰められず、クロカンブッシュは予定していた形にはなりませんでしたけど、味は大変美味しかったです。


ぺちゃんこになったシューをキャラメルでくっつけて円錐形の土台を作り、少しは膨らんだシューにラズベリークリームを詰めたのをそれに貼り付けてから、余ったキャラメルでフロスを作って飾ったそうです。

よく頑張ってくれました。


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