2020年11月8日

負けを認める法的義務はない

やっとアメリカ大統領選挙の勝敗が決まったようです。メディアがトランプの負けを報道した後、安堵の涙を流している人々の姿にもらい泣きしました。

その安堵というのが、これでもう大統領が自分達を傷つける(Hurting)のを心配をしなくてすむというんですから、もうなんと言ったらいいのか。

メディアが負けを報道した時、トランプはゴルフをしていたそうですが、絶対に諦めないと言っています。

私は、アメリカ大統領選挙の仕組みについては、理解しているつもりだったのですけど、知らなかったことがありました。

アメリカ大統領選挙というのは、大統領を選ぶ「選挙人」というのを各州が州民の直接選挙によって選出する選挙であることは周知のことです。

「選挙人」がどの大統領候補に投票するかが分かっているので、この選出のための直接選挙が事実上のアメリカ大統領選挙ということになるわけですね。

「選挙人」の人数は各州の人口に応じて決められています。「選挙人」を選ぶ選挙のやり方や開票手順などは、各州が独自のやり方を決めています。

勝者総取り方式がほとんどですが、異なるやり方の州もあるそうです。比例割当式に変更しようという動きもあるそうですが、その方がもっと民主的だと私は思います。

とまあ、

ここまでは誰でも知っていることだと思うんですけど、

私が知らなかったのは、

この事実上の大統領選挙である「各州の選挙人選挙」で負けた候補者が、負けを認める法的義務はないということなんですよ。

そんな法律はないんですって!

選挙で負けたら負けを認めるというのは慣例でしかないということ。

負けた候補者が負けを認めずに法廷闘争に持ち込んで、「選挙人」による大統領選挙の日までに「選挙人」が決まらないということも考えられるのです。その場合は、

連邦議会が大統領を決めるんですって!

そういう前代未聞のことになる前に、州議会が「選挙人」を決定することもあり得るそうですが、候補者がその決定を受け入れずに法廷闘争に持ち込めば、州の最高裁判所が判断を下すはずです。ところが、州の最高裁判所の判断も受け入れないとごねることも考えられるんですって。

その場合は、連邦最高裁に最終判断が委ねられるわけです。

「絶対に諦めない」と宣言しているトランプは、連邦最高裁が自分に好都合な判断をしてくれると期待しているのでしょうが、イヤハヤ…

泥仕合が続いて連邦議会でも次の大統領が決まらないと、決まるまでは下院議長が大統領職を代行するんだとか。さすがにペロシ議長の大統領代行というのはありえないと思いますけどね。

なんと言いますか、

常軌を逸していますよ。でも、クレイジーなトランプなら、本当にそういうことが起こりそうな気もするわけです。そこまでやる資金がないようですけど。


ところで、大統領選挙のニュースに隠れていますけど、米国の新型コロナ感染者数は昨日1000万人を超えました。

先月末、トランプ政権は新型コロナウイルス感染拡大防止には取り組まないと発表しましたが、それを発表したマーク・メドウズ首席補佐官が、新型コロナに感染していたそうですね。

大統領選挙翌日にトランプが記者会見した時にもマスク無しで登場していました。濃厚接触者は多いはずですけど、接触者の隔離なんてしないんでしょう。

バイデン次期大統領は、新型コロナ対策チームを明日発表するそうです。


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