行ったのは、父親が住み始めた義妹所有の家から近いワランダイト(Warrandyte)というところにある「ザ・グランド・ホテル」(The Grand Hotel)というパブでした。
人気があるパプなので、私達が座ったテーブルには7時半から別のグループの予約が入っていて、ゆっくり出来ませんでした。そこで、父親の家に行って卓球をしようということになったんです。
その家は一昨年まで私達家族が10年も住んでいた家です。
久しぶりに行った家は、長い間庭の手入れが全くされていなかったことが一目瞭然でしたよ。草がいたるところに生い茂り、この夏の間も水やりなど一度もしていないんでしょう。木も草も花も枯れかけていて、廃墟の庭のようでした。
私は、毎日水やりをしていたし、草取りも掃除も頑張っていたから、家の周りはそれなりにきれいだったんですけどねえ。
それはともかく…
この家には、私達が「ミミズが出る部屋」と呼んでいた床がタイルの大きな部屋があるんですが、父親夫婦はこの部屋に卓球台を置いて卓球部屋にしたんです。部屋の一部はダーツゲームが出来るスペースになっています。
私達は、最初に卓球をしました。
ところがですね、悲しいことを思い知らされたんです。テニスとかバドミントンなどに比べ、卓球ってシロウトが遊ぶ分には運動量がしれているじゃあないですか。ところが、頭がフラフラしている私はバランスを崩して転びそうになるのですよ。卓球なんて無理でした。
もっと悲しかったのはうちの夫です。遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で目が見えなくなって来ているうちの夫ですが、一番見えやすいオレンジ色のボールを使ってやったんですけど、夫は空振りの連発だったんです。
スマッシュを打ったりしているわけじゃあないんですよ。とにかく相手のテーブル内にボールを入れるというレベルの卓球なんですからね、ボールがラケットに当たらないということはまずありえません。しかし、うちの夫は空振りを連発しているわけです。
実際にやってみるまでどのくらい見えないかというのが分からなかったようですが、視界の中心が見えなくなっている夫には、動くボールを目で追うのは不可能のようでした。
ということで、今度は誰でも楽しめるダーツをすることにしました。
ご存知のように、ダーツボードと呼ばれる的をめがけて金属製の短い矢を投げて得点を競うゲームですね。これなら目が見えなくなって来ている夫でも出来ました。2メートルちょっと離れた所から矢を投げるだけですから、頭がフラフラしていた私も挑戦しましたよ。
1回に3本の矢を投げます。ダーツボードのどこに当たるかで得点が変わって来ますが、得点を狙えるレベルではありませんから、とにかくダーツボードに当たればいいんです。
1投目…
矢はダーツボードを大きく外れて1メートルくらい下の壁に突き刺さった!
「ワハハハハ」と大きな笑いが起こります。義妹のパートナーが「大丈夫!次は上手く行くよ!」と言ってくれました。
1投目は力の入れ方が足りなくて低過ぎたわけですから、2投目はもっと力を入れて上を狙いました。
2投目…
矢は再びダーツボードを外れて20センチくらい上の壁にグサリと突き刺さった!
「ギャハハハハ」とさらに大きな笑いが起こります。
こういう時、恥ずかしいとか悲しいとか思ったら負けよね。笑い転げる皆さんと一緒になって、自分の下手くそさを笑った方がいいです。
1投目は弱過ぎて2投目は強過ぎたのですから、3投目はその中間を狙いました。
さあ3投目…
矢は中心の近くに突き刺さりました。
「おおおおお!」という歓声と拍手が巻き起こりました。両手を上げて喜ぶワタクシ。このくらいのリアクションで行かないといけません。
各自5回ずつ投げましたけど、毎回矢を壁に突き刺したのは私だけでございました。何だかねえ、距離感がヘンなんですよ。頭のフラフラ感と関係しているように感じたんですけど。
まあとにかく、夜はこれからという9時過ぎに眠てくたまらなくなった私は、うちの夫と息子に頼んで家に帰りました。
うちの息子が衝撃的だった私の1回目を写真に撮っていたので、皆さんにも見ていただけますよ。どうやったらあんなに外せるのかというレベルのハズレ具合です。
壁に突き刺さった矢を抜くワタクシ。向こうにいるのは、私が壁に突き刺しても大笑いせずに優しかった義妹のパートナーです。
手が届かない上の方の壁に突き刺さった矢は、彼が抜いてくれました。いい人です。
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