インド洋や太平洋南部で発生する熱帯低気圧は「サイクロン」と呼ばれます。台風やハリケーンと同じ気象現象です。オーストラリアにやって来るのはサイクロンです。
現在、サイクロン「アルフレッド」というのがクイーンズランド州南東部の大都市ブリスベンに接近しています。今夜か明日の未明に上陸する見込みです。この地域にサイクロンが上陸するのは50年ぶりなんだそうですよ。
熱帯低気圧の動きは上空の風の影響を受けますよね。日本にやって来る台風は、低緯度では西向きに進んで、北上してからは偏西風の影響を受けて速度を上げながら北東に進むというのが一般的な動きです。
南半球ではそれを南北に反転したような動きをするのが普通なので、太平洋南部で発生したサイクロンがオーストラリア東部に上陸するのは珍しいんですけど、このサイクロン「アルフレッド」というのは、最初は通常の進み方で南東に進んでいたのがUターンして来て、現在西に進んでいるのでございます。
しかも、速度を時速10キロまで減速してノロノロと進んでいます。上陸地点はブリスベンの北のサンシャインコーストからニューサウスウェールズ州北部の間のどこかという話でしたが、どうやらブリスベンの少し北に上陸するようです。
この辺りの沿岸部は美しいビーチで有名で、ゴールドコーストは皆さんご存知だと思いますけど、リゾートやテーマパークや観光地の多い人口密集地なんです。ここを直撃するわけですから被害が心配されているのですが、もうすでに被害は発生しているそうですよ。
遠く離れたメルボルンは今日も快晴で暑くなるようですが、うちの夫の家族はサイクロン「アルフレッド」のニュースに大変心配しています。夫の従兄弟がブリスベン沖のモートン島で牡蠣の養殖をしているからです。
養殖場があるのは島の西部で、内海とも言える環境ですから通常は穏やかな海なんですが、サイクロン「アルフレッド」の直撃コースなんです。養殖場も家も壊滅するのではないかと皆んなが心配しています。とても楽観できない状況になっています。
サイクロン「アルフレッド」は、現在「カテゴリー2」(5段階の下から2番目)の強さですが、それでも最大瞬間風速は時速120キロですし、長時間の大雨が予想されています。河川の氾濫や広範囲の洪水は、心配されているのではなくて起きると分かっているので、被害が予想されている地域の皆さんはどうか注意してください。
海は大しけとなっていますが、大波に乗ろうと海岸にやって来るサーファーや見物人もいるんですよ。危険な行為には、最大160万円の罰金が課されるそうです。
ブリスベン周辺地域では50年ぶりのサイクロンですから、多くの人は経験したことがありません。気象局の人が言うには、この地域の人達が日頃しばしば経験している「暴風を伴う短い雷雨」のような状態が6時間かそれ以上続くようなものだということですよ。
今夜、モートン島のちょうど養殖場のある辺りを横切ります。少しでも被害が少ないことを祈ります。
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