苦情というのは、ちょっとありえない話だったんですよ。ジュリーさんの家から自分の敷地にネズミが来ている、ジュリーさんの敷地の木の枝が塀を越えて自分の敷地に伸びている、そしてジュリーさんの敷地の木の葉っぱが自分の敷地に落ちる、そういう苦情でした。
私達が住んでいる敷地には2軒の家が建っているんですが、両隣りの家との境の塀沿いに木が植えてあります。両隣りも塀沿いに木を植えています。木の枝が塀を越えているとか、葉っぱがこっちに落ちるとか、お互い様なのに。
この家に住んでいるのは高齢の女性一人だけです。この女性の息子さんは銀行にお勤めだとかで、非常にエラそうな人だとジュリーさんは言っていましたが、とにかくこの方達が繰り返し苦情の手紙をポストに入れたり、苦情を言いに来たりしていたんです。
あちら側にも塀を越えて私達の敷地に枝を伸ばしている木があるし、その木の葉っぱが私達の敷地にも落ちるんですけど、「それが迷惑になっているのか?」と聞くので、私達は気にならないと答えたんですよ。そうしたら、問題視されませんでした。
しかし、自分達はジュリーさんの敷地の木に迷惑しているんだから何とかしろと言うわけです。
非常に理不尽だと感じましたけど、あまりにしつこくて話し合いにならないので、ジュリーさんは木を切ることにしたんですが、最初に頼んだ業者は「この大きさの木を切るには自治体からの許可が必要だ」と言ったんです。
だから自治体に許可を申請しようとしたんですが、許可は不要だという結果になりまして。業者や自治体とのやり取りには時間もかかり、その間にも苦情は続き、ジュリーさんはストレスをためていたんです。
オーストラリアの住宅地では、前庭や裏庭、あるいは隣りの家との塀沿いに木を植えているが家は多いです。木は塀よりも高くなりますし、隣りの敷地に枝を伸ばすことも葉っぱが落ちることも当たり前なんですけど。
難しい人はいるんです。
私は、苦情を言い続けているその女性は、認知症か何らかのメンタルヘルスの問題があるんじゃあないかと思っていたんですよ。ちょっと異常でしたから。
しかし、ジュリーさんもストレスがたまって精神的につらいので、ついに木を切ることになったんです。塀沿いの木は共同管理部分なので、私達が住んでいる家の家主さんと相談して決めたようです。
一昨日、業者の方が高所作業用のリフトが付いたトラックでやって来ました。
塀の上からお隣りに枝が伸びていた木は、このように切られました。これでジュリーさんの家の玄関前の木陰は無くなりました。
塀の向こうに突き出た枝は無くなりましたけど、あの女性がこの高さで納得するかどうか分かりません。それに、この木は葉っぱを落とす木ですからね、もっと低く切れと言いに来るかもしれません。
きれいなピンク色の花を咲かせていたプロテアの木も、この通りバッサリです。もったいないです。プロテアは買うととても高いんですよ。
私は木の葉っぱが気になることは無いです。お隣りの家の木の葉っぱが我が家の敷地に落ちますけど、掃き掃除をしていて「この葉っぱは隣りの家の木の葉っぱだ!」と腹が立ったりしませんよ。お互い様ですもの。
とにかく、塀の向こうに伸びた枝は無くなりましたから、これでトラブル解決ならジュリーさんも気が休まると思いますが、風が吹けば葉っぱが塀の向こうにも飛んで行きますからね、まだ納得しないかもしれません。
ホントにちょっと異常です…
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