2025年3月22日

治験ボランティアの報酬

3回目の痔の手術からの回復に時間がかかったうちの息子ですが、今はほぼ問題ないまでに回復しています。

新型コロナのパンデミックとほぼ同時に始まった痔のトラブルで、一時は寝たきり状態になり、治療に時間がかかりましたし、メンタルヘルスにも大きな影響が出てしまいました。

昨年の後半にはかなり活動的になっていましたが、就職活動をするところまでは回復していなかった息子に、ある日かかってきた電話がありました。

以前に治験ボランティアをしたことがあった治験会社からでした。治験のボランティアは高額な報酬がもらえることが多いので、無職や低所得の若者(旅行者を含む)にとって「魅力的なアルバイト」らしいです。

治験会社の人からもう一度やってみませんかと言われて、息子が大いに前向きになったのは、その報酬で日本に旅行が出来ると分かったからでした。

詳しいことは「人間モルモット再び」を読んでいただくとして。

勧められた治験は条件が厳しかったので、別の治験に参加することに決め、事前検査にも合格して、息子は意気揚々と出かけて行きました。ところが、2週間入院する予定だったのに2日目には帰って来たんです。治験直前の検査で尿に血と結晶が混じっていることが分かったからでした。

その後、息子は超音波検査を受けましてね、腎臓に小さい結石がたくさん出来ていることが分かったんです。3週間水を飲み続けて結石を出し、尿に血や結晶が混じる問題も解決して医者から証明書をもらい、再び治験ボランティアをすることになったんですよ。

参加することになったのは、免疫治療薬に関する治験でした。薬で一部の免疫システムを無効にするとかでリスクも有るし、入院期間も4週間近かったので、報酬が非常に高額でした。

一昨日の木曜日に入院したんですが、参加者16人のうちから実際に治験を行う10人が選ばれるという話でした。残念ながら、うちの息子は補欠扱いになったと連絡して来ました。そうしたら、10人のうちの一人が治験直前の検査で新型コロナの陽性反応が出たとかで失格になり、補欠の中から一人が選ばれることになったのです。

うちの息子が選ばれることが決まりかけたそうです。ところが、直前の検査用に採血した息子の血液が行方不明になって見つからず、もう一度採血しようにも、その時には息子はすでに食事を取った後だったから間に合わないということで、血液検査が出来た別の補欠が繰り上がり参加することになったそうですよ。

どこまでも運が悪い息子です。


ということで、今回もまた2日目に帰って来たわけですが、治験会社の人も申し訳ないと思ったのか、うちの息子に別の治験を紹介したそうです。

その治験は、血液の遺伝子変異に関する治験だそうです。入院期間も2週間と短くて、比較的リスクの無い治験なので報酬が少ないそうです。少ないと言っても6千ドルくらいもらえるそうですけど。

昨日は、入院していた病院から別の施設に移動して、そこで事前検査を受けたそうです。合否は来週分かるそうです。息子は「ヘモクロマトーシス」という遺伝子変異による疾患をうちの夫から受け継いでいるので、それが問題になるかもしれません。

しかしねえ、治験ボランティアへの報酬ってすごいですよ。オーストラリアでは最低賃金も高いですから、入院期間が長ければそれだけでも報酬は高くなります。

今回は補欠扱いになって、結局2日目に帰って来ましたけど、こういう場合でもそれなりの報酬はもらえるんですから、何回か治験に参加して全て補欠になっても、その報酬だけで旅行が出来る額だそうですよ。

医薬品業界が研究開発に費やすお金は莫大ですから、治験ボランティアへの報酬数千ドルなんて、大した額ではないのかもしれません。


お帰りの前に1クリックを!



2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    いつも拝見させて頂いています。
    他人がとやかく言う事ではありませんが、薬の治験について。
    20代、これからの長い人生、結婚し、子供ができる・・・
    そんな自分の子供が、言葉は悪いですが、未知の薬の人体実験のような事をすると言って何とも思われませんか?
    高い報酬=未来への高いリスクでもあると思います。
    製薬会社は高い報酬を支払う代わりに、未来へのリスクには関わらないし、今後一切責任も負わないとサインをさせるはずです。
    一時的にお金がほしいために、そのような事をする息子さんに何も言わない、親としてなぜ止めさせないのでしょうか?
    私も息子が2人います。
    もし彼らからそのような話が出たら、絶対にやらせません。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。私もあなたと同じような考えです。「考えでした」と過去形にした方がいいかもしれません。英国だったと思いますが、治験で死亡者が出た件も覚えています。うちの夫の弟が若い頃、旅行三昧の暮らしでしたが、治験で収入を得ていた時期があります。その頃は非常に否定的な見方をしていました。

      ただ、家族の中にオーストラリアにおける薬や治療法の開発について詳しい人がいて、安全性に問題があれば治験などは行えないし、アルフレッド病院で行われるので、もしものことがあっても治療体制は十分だし、ある意味で人の役にも立つのだという話を聞いて、今は息子のやりたいようにさせています。夫はかなりサポートしていますし、自分もやってみたいくらいの考えです。

      本人は治験の内容についてはかなり勉強しているようです。私は何も悪いことが起きないようにと祈りながら見守っているというのが正直なところです。

      削除