2024年7月25日

価値が分からないアボリジニアート

義母(うちの夫の母)がついに家の中の持ち物整理を始めたようです。断捨離とまでは行きませんが、とにかく持ち物を減らそうとしているようです。

アボリジニのアートをうちの夫に譲りたいと言うので、昨日夫がもらいに行きました。

もらって来たのは、絵が1枚、ブーメランが3つ、拍子木のように叩いて音を出す棒が1セットです。

義母の姉であるジョーンが、若い頃にオーストラリア北部準州のアボリジニのコミュニティーで看護師として働いていたのでアボリジニの知り合いも多く、アボリジニのボーイフレンドもいたんだそうですけど、そうした関係でアート作品をもらうことがあったらしいんです。

そうしたアート作品を妹達や叔母達にあげていたそうなんですよ。

アート作品というのはね、なかなか価値が分からないからもらっても困ります。ブーメランと棒のセットの価値なんて私には全く見当も付きません。お土産屋で売っているようなものとは明らかに違いますけど、価値があるのかどうか私には分かりません。

絵の方は作者が分かっています。ロング・ジャック・フィリップス・ジャカマラ(Long Jack Phillipus Tjakamarra)というアーティストの作品です。

このロング・ジャック・ジャカマラというアーティストは、有名な人らしいです。パプニャ芸術運動の創始者であるジェフリー・バードンという人のもとで絵を描いた最初のメンバーの 1 人で、ウエスターン・デザート・アート・ムーブメント(Western Desert Art Movement)という芸術運動に貢献したそうです。

そう聞いても私には何のことやら分かりません。


この絵は、43センチ ✕ 58センチの板に描かれたもので、裏側に作者の名前と1973年7月23日という日付が書かれています。専門家が見れば、ロング・ジャック・ジャカマラの筆跡かどうかは分かるのでしょう。


板は角が傷んでいますし、それほど価値がありそうには思えないんですけど、うちの夫の大叔母のローナは、もらった絵を売って車を買ったそうなんですよ。相当な価値があったわけです。

それを聞いて自分がもらった絵を売ろうとした親戚は、2ドルの価値しかなかったという話です。同じジャカマラの作品だったのかどうかは知りませんけど。

私はこの絵を家に飾りたいと思わないし、こういう絵が好きな人が所有するべきだと思うので、売れるものなら売りたいんですけどね、どうやって売ればいいのか分かりません。

ちなみに、グーグルで調べた結果によると、ロング・ジャック・ジャカマラの作品は、安いもので数百ドル、高いもので数万ドルの値段で取り引きされているようです。過去最高額は 231,800ドルだそうですよ。

英国BBC放送の人気番組で「アンティーク・ロードショー」というのがあります。英国内各地を旅しながら、視聴者が持ち寄ったお宝を専門家達が鑑定するという番組ですが、ああいうのがあればぜひ持って行って鑑定してもらいたいです。


ちなみに、義母の家にはもらえるものならもらいたいと思っていた絵がありました。美しいオーストラリア内陸部の風景が描かれた水彩画で、有名なアボリジニのアーティストの作品だと聞いていました

後で知ったのは、そのアーティストというのはアルバート・ナマジラ(Albert Namatjira)という人で、オーストラリアでは最も有名なアーティストの一人なんです。アボリジニのアーティストの中では一番有名な人です。

主に水彩で風景画を描いた人ですが、実際にオーストラリア内陸部に行ったことがある人なら分かると思いますが、この人が描く風景のユーカリの木、土や岩、空や山、空気感、そういうのが絶妙な色使いで素晴らしいのですよ

義母の家にあるのは小さな風景画ですが、ナマジラの作品なら価値があるんじゃあないかと思ったら、「あれは複製でしょ?本物なわけがない」ということでした。

たとえ複製でももらいたいですけど。


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