夜中の3時半頃に目が覚めて再び眠ろうと苦労している時に、夫がトイレに起きてオンスイート(寝室に付いているバスルーム)の電気を点けました。明かりのせいでもっと目が覚めました。
夫がベッドに戻って来てベッドがぐわんぐわんと揺れました。なかなか眠れないから時間をチェックしたら、「今何時?」と夫が言いました。(夜中に話しかけるなと何度も言っているのに!)しばらくして夫はスマートフォンで何か見始めました。結局夫は起きて再び電気を点けました。その時まだ5時前。そしてキッチンから物音が聞こえて来ました。
こんなんで眠れるわけがないんですよ!
娘が予定通り木曜日に引っ越してくれるといいですけど。
その娘ですが、昨日は司法精神医療施設での研修第1日目でしたからね、昨夜はその話をいろいろ聞きました。
これがもうね、ホントに映画みたいなんです!
オーストラリアには「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」(Forensic Disability Services)と呼ばれるものがありまして、刑事司法制度に関わる事件を起こした人々の中で精神障害や重篤なメンタルヘルスの問題がある人達にサポートと治療を提供します。
犯罪者に精神障害があった場合には罪を問われず、代わりに精神医療施設で強制的に入院治療を受けさせる場合があるわけですが、うちの娘が研修で行うのはそれを判断する精神鑑定の仕事です。
施設に入っているのは犯罪を犯した人達ですから、当然セキュリティーが厳重です。すべての建物は高い塀とフェンスで囲まれていて、入り口は頑丈なゲートで守られていますから簡単に敷地内に入れません。
昨日の朝、施設に到着してから敷地内に入るのに娘は大いに苦労したそうなんですけど、その話に始まって大変興味深い話をいろいろ聞きました。
話を聞きながら、M. W. クレイヴンの「ワシントン・ポー」シリーズに出てきた精神病院の描写とか、映画「カッコーの巣の上で」や「羊たちの沈黙」の場面とか、そういうのを思い出しましたよ。
精神障害やメンタルヘルスの問題がある犯罪者が少なくないことは容易に想像出来るわけですけど、精神医療施設で治療や社会復帰の支援を受けられる人は大変少ないです。
娘が研修を受ける施設に収容されている人数も驚くほど少なかったです。予算の問題もありますけど、こうした施設に入ることは非常に難しいのだそうです。入れない人達は普通の刑務所に収容されているんですかねえ。
この司法精神医療施設での研修は、毎週3日だそうです。昨日行った施設以外の精神医療施設にも行くことになるそうです。とても興味深い経験が出来るだろうと思います。
どういう人達がその司法精神医療施設に収容されているのか少し教えてもらいましたが、話を聞くと本当にお気の毒なんですよ。
全員が不幸な家庭環境に生まれ育っています。知的障害のある人が多いです。知的障害を伴う自閉症の人もいます。
そうした障害のある人達が、親のネグレクト(無関心)のために里親宅をたらい回しにされたり、激しいいじめや虐待を受けて育っているのですよ。
物事の善し悪しを理解する能力に欠けている人もいます。知的障害のために理解出来ない場合もあるでしょうが、誰にも教えられなかったから分からないというのもあるのです。
話を聞きながら私は同情しました。
そして、その人達の多くには子供がいるんですよ。その子供達が、親のネグレクト(無関心)とか親の暴力や犯罪といった同じような不幸な境遇で育っているわけでね。援助がなければ、その子供達も親と同じように犯罪者になる可能性が高いわけなんです。
レイプ(性的暴行)などの性犯罪を犯した人が多いようですが、性犯罪者への強制的な去勢手術に対しては意見が分かれるところですけど、話を聞きながら私は強制的な去勢が必要な犯罪者もいると思いました。
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