2023年12月1日

本当に暗い星空が見られる場所

BBCのサイトを見ていたら、「The last places on Earth to see truly dark starry nights」(本当に暗い星空が見られる地球上で最後の場所)という記事があって、見たら息をのむような写真が掲載されていました。

そして思い出しました。30年前にオーストラリア中央部へ旅行した時のことを。

アリススプリングス発着のツアーに参加したんです。観光客に人気のある見どころを見て回るんですが、人が住んでいない原野みたいな所でキャンプをしながら見て回るのですよ。バスくらいの大きさのごっつい4W車で。

運転手兼ガイドの男性と料理係兼アシスタントの女性の2人が私達の面倒を見てくれたのですけど、毎日のテント設営とかはツアー参加者達が自分でするんですよ。荷物の積み下ろしも、食事の準備や後片付け、食器洗いも皆んなでしました。

ツアー参加者は外国人が多かったです。4か国語を話すスイス人のお母さんが通訳になっていました。毎日助け合いながら過ごすので、すぐに仲間意識が芽生えます。とても楽しいツアーでした。

原野でテントを張って寝るんですから、毎日シャワーで汗を流すことも出来ませんが、参加したのは冬でしたからそれほど汗もかかなかったので助かりました。テントの中につららが出来るほど冷え込んだ日もありましたし、日中は汗をかくような暑い日もありました。

このツアーでは多くの素晴らしい景色を見ましたが、その中で私が最も感動して一生忘れられない思い出になったのが星空だったんです。

私はねえ、夜空にあんなにたくさんの星を見たのは、その時が最初で最後です。そもそも、あんなにたくさんの星が存在していることを知りませんでした。真っ暗だから見れるわけですが、夜空は真っ暗じゃあないんです。

実際はその逆!

「宝石を散りばめた」という表現を聞くことがありますけど、散りばめるどころかもうジャラジャラうじゃうじゃ!空がびっしりと光の点々で埋め尽くされているわけです!

ほぼ毎晩、素晴らしい星空を見ました。天の川は英語で「ミルキーウェイ」(ミルクがほとばしった跡)と呼ばれますが、そう呼ばれる理由がわかるほど白く見えましたよ。でも一晩だけ、それはもうホントに私の文章力では表現できないほど素晴らしい星空だったんです。


どこか面白い経験ができるところに旅行したいなあと思っている皆さん、星空を見に行く旅行はどうですか?

BBCの記事で本当に暗い星空を見られる場所として紹介されているのは、まず南米チリ北部のアタカマ砂漠です。一年のうちほとんどの日が晴天といわれるアタカマ砂漠で見られる星空は、世界一と言われているそうです。

スペイン領カナリア諸島も紹介されています。アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にある群島ですが、緯度の関係から素晴らしい天の川を見ることができるそうです。

他には、ボリビアの高地にある塩湖とか、パタゴニアのアンデス山脈とか南米南端のフエゴ諸島とか、いろいろ紹介されていますが、要するに光害のない場所、つまり人が住んでいない場所ですよ。

そういう場所は、簡単に行くことは出来ませんよねえ。ちょっと旅行するにはハードルが高過ぎますけど、オーストラリアには行きやすくてすごい星空を見ることが出来る場所はたくさんあります。

タスマニアなら、ラッキーな人はオーロラも見ることが出来ます。ただし、タスマニアの場合はお天気が問題。運が悪いと、旅行中ずっと曇り空ということになりかねません。

その点、内陸部は快晴の日が多いし、オーストラリア中央部なら行きやすいし、見どころも多いです。ただし、最近は人気のある観光地の近くにはリゾートが出来ていますからね、そういう場所は光の問題があるでしょう。

私は星空を見るためにツアーに参加したわけではないのですが、結果として一番心に残ったのが星空だったわけです。2週間のツアーでしたが、私が参加したのはそのうちの1週間分だけ。その間にあの星空を見ることが出来たのは幸運だったのかもしれません。

写真なんか撮っていませんよ。撮ろうと思ったって普通のカメラで撮れるものじゃあありませんから。心のカメラで撮ってあるわけですけどね、BBCの記事に載っていた写真を見て鮮明に思い出したんです。

特別に素晴らしい星空だったあの夜、夜中に起きた時には空がピンク色になっていたんですよ。どうしてあんな色になっていたのか分かりませんけど。ピンク色の空を光の点々が埋め尽くしているというのは、言葉をなくす景色でした。

そういう星空、見てみたいでしょ?


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