昨日のオーストラリアのトップニュースはこれ!
かつて「オーストラリア史上最悪の女性連続殺人鬼」のレッテルを貼られたキャスリーン・フォルビッグさんが、ニュー・サウス・ウェールズ州の刑事控訴裁判所に有罪判決を取り消されたニュースです。
本当にお気の毒でしようがないキャスリーン・フォルビッグさんのことは、「乳幼児突然死と殺人罪」という記事に書きましたので詳しいことはその記事を読んでいただくとして、少しだけ説明するとですね、キャスリーンさんは自分の子供4人を殺したという罪で懲役40年の実刑判決を受けていたのですよ。
4人の子供さんは生後19日から18ヶ月までの乳幼児で、いずれも原因が分からない突然死でした。第1発見者はいつもキャスリーンさん。
明らかな証拠は無かったのに、確率論的に4人も続けて突然死するなんていうのは「豚が空を飛ぶ」くらいありえない話だから(検察がそう言った!)キャスリーンさんが殺したに違いないという論理が適用されて有罪になったのです。
有罪判決が出たのは2003年です。それから20年も収監されていたんですが、DNAのゲノム(遺伝情報)解析の進歩のおかげで、突然死した4人の子供達全員に突然死の原因になる可能性がある遺伝子変異が見つかったのです。
多くの科学者達からキャスリーンさんを釈放するべきだとの声が上がりました。そして、ついにキャスリーンさんが釈放されたのが今年の6月。
あれから半年が経って、ついに有罪判決が撤回されたのです。
もしも今この裁判が行われたら、有罪判決は出ないと言われています。子供達が自然死だったことを証明するだけの科学的および医学的な証拠があるからだそうですけど、そもそもキャスリーンさんが殺したとしか考えられないという理由で有罪にされたんですからね。
ひどい話でしょう?
愛する子供を4人も次々に突然死で失ったキャスリーンさんの悲しみを想像してみてくださいよ。
4人目のローラちゃんだけが無事に1歳のお誕生日を迎えることができたんです。どんなに嬉しかったことでしょうか。ところが、元気に育っていたローラちゃんも1歳半で突然死したんです。
それを見つけた時のキャスリーンさんのショックは、想像も出来ません。
ところが、一番悲しんでいるキャスリーンさんが疑われて逮捕され、証拠が無いのに有罪とされて20年も刑務所に入れられていたんです。
キャスリーンさんは、現在56歳になられています。
この事件は「オーストラリア史上最悪の冤罪事件」だとも言われていますけど、本当にお気の毒なひどい話です。
同様の冤罪が起きないように、今後はこうした事件に対しては科学的かつ医学的な証拠に基づいた判断がされるようになると信じたいと思います。法律も変わるはずです。
不幸な生い立ちだったキャスリーンさんですが、結婚後も子供を失い続けるという不幸が続き、さらに無実の罪で20年も刑務所に入れられたわけです。
キャサリーンさんには、これから残りの人生を幸せに過ごしていただきたいです。そして、オーストラリア政府には、キャスリーンさんに十分な補償金を払って欲しいと思います。
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