私達家族は無宗教なのにクリスマスを祝うのかと、自分でも葛藤があった時期があるんですけど、我が家のクリスマスツリーはイエス・キリストの誕生日がどうのこうのとは無関係のただの季節のイベントだと割り切って楽しむことにしました。
そもそも、イエス・キリストが生まれた日とは全く関係のない12月25日がクリスマスという祝日になったのは、この日に人々が収穫を感謝する冬至のお祝いをしていた習慣と関係しているわけですしね。
日本人同様に、オーストラリア人というのは冠婚葬祭を除けば無宗教の人がほとんどです。皆さんクリスマスはイベントとして楽しんでいるだけですから、私もツリーを飾るくらいは楽しもうかと思って。
うちの家族はねえ、いつの間にか季節の行事を何もしなくなってしまったんですよ。きっかけは、子供達がクリスマスと同じくらい楽しみにしていたイースターでした。
子供達にとって、イースターはイースターバニーというウサギが家の周りにチョコレートエッグを置いていく日なんです。イエス・キリストの復活とは関係ないです。
クリスマスはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる日ですが、それと同じくらい夢のある話なんですよ。イースターの朝は、カゴを片手にチョコレートエッグを探すのが子供達の楽しみなんです。
ところが、ある年のイースターの朝、チョコレートエッグ探しのことを話していたら、うちの夫が突然「あー!アレは親がやっているんだよ!イースターバニーなんているわけないじゃないか!」と怒鳴って、子供達にバラしちゃったのです。
その時うちの娘はまだ7歳でした。イースターバニーのことをまだ信じていたのに、怒鳴られたこともショックだったでしょうけど、「親がやっているんだよ!」には大変ショックを受けたそうです。
今から思えば、当時の夫は双極性障害2型の「躁期」だったんだろうと思うんです。躁期の症状に怒りやすいというのがあるんですけど、あの頃はとてもイライラしていて大変機嫌が悪かったんです。
あれをきっかけに、私達家族はイースターには何もしなくなりました。クリスマスの飾り付けとかプレゼント交換もやめてしまいました。
バレンタインデーとかハロウィーンなんかも夫が商業主義がどうのこうのと批判するので何もしなくなり、私達がお祝いするのは誕生日だけになってしまったんです。
子供達が小さかった頃は、日本の季節の行事もメルボルンでやろうとしたんですけど、続けるのは難しかったです。今ではお正月もお祝いしなくなりました。1月1日はただの普通の日ですよ。うちの夫はいつも仕事だし。
私はね、私達家族が何も楽しまなくなってしまったことをとても残念に感じていたんですよ。
それで、数年前からクリスマスツリーだけは飾るようになりました。私が一人でやっています。最初は「なんでクリスマスツリーなんか飾ってるんだ」と批判していた娘や夫も、今年は何も言いませんでした。
以前は、クリスマスの日には義母の家に家族や親戚が集って、プレゼントを交換したりご馳走を食べたりするのが恒例になっていましたが、最近はそういうこともしていません。
うちの夫が行きたくないと言うからです。
夫は毎年クリスマス前後は勤めているツールショップが忙しいのですよ。26日は「ボクシングデー」という祝日なんですが、この日は1年で最大のセールが行われる日なので毎年ヘトヘトになります。
唯一の休みがクリスマスの25日。その唯一の休みの日に、遠くの義母(夫の母親)の家まで行って疲れるのはイヤだと言うんです。
いつも、到着したらすぐに仕事を割り当てられ、あれをしろこれをしろと義母に指示されて大忙しなので、確かにとても疲れるんですけど、料理も片付けもしない夫は、今では車の運転もしなくていいんだから、疲れる理由がないだろうとも思いますが、行くだけでも疲れることは疲れます。
クリスマスに義母の家に集まることが楽しみになっていないというのは、やはり理由があるんですよ。基本的に大量に飲み食いするだけですしね。
うちの息子や娘も行きたがらないのですが、義母の家で過ごすクリスマスが楽しかったという思い出が無いというのが理由だと思います。
子供の頃はプレゼントが楽しみだったはずですが、義母がくれるのはバスタオルだったりプラスチックの収納ケースだったりしたんです。
ネジや釘などの小さな金具や部品を分類して収納するプラスチックケースを、アクセサリーを入れておく宝石箱にと言ってくれた時のことは、いまだに語り草ですよ。
少し大きくなってからは、仕事を割り当てられて大忙しでしたしね。知らない人達が来ていることもよくあったし、同年齢のいとこ達がいるわけでもないので遊べないし、楽しかった思い出は無いんだろうと思います。
義母は、私達家族と義弟家族と、できればドバイ在住の義妹も皆んな一緒に集まって、盛大にやりたいんでしょうけど、私達は今年も行きません。娘がシェアハウスで一緒に暮らしている日本人の皆さんが、今年も我が家にいらっしゃることになっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿