2023年3月30日

拒否する勇気と罪悪感

3週間前に3回目の痔の手術を受けたうちの息子ですが、昨日は状態が悪化したと言うもんですから、お昼ご飯に野菜を山ほど入れて煮込みうどんを作っていましたら、非常にかしこまった様子の夫がやって来ました。

昨日は水曜日でしたからね、仕事が休みで家にいたんです。朝ご飯を食べた後もう一度寝て、お昼前に起きて来たんですけど。

「ええっと、それが終わったら、またトレーラーをツールショップに持って行かないといけないのでお願いします」
「ええ?またあ? 」(先週の水曜日にも頼まれてトラックを運転させられたんです。トレーラーを使って商品の配達に行くんですよ。)
「その後、できればスーパーに寄ってロースト用の子羊肉とか材料を買って、まあボクが何か作ってもいいんだけど、Kくんがまたトレーラーを家まで返しに来てくれるから(返しに来るついでに夫を家まで送ってくれる)」
「Kくんを晩ご飯に呼んだの?」
「はい」
「トラックでスーパーに寄って買い物をしろと言うの?」
「だって先週も返しに来てくれたし、今日も返しに来てくれるんですよ。お礼をするのはあたりまえでしょう」
「そういう時はKくんとパブにでも行って晩ご飯をご馳走してあげるというのがよくある方法ですけど」
「Kくんはどうせうちに来るんだよ!パブとかは行ったり帰ったりがボクの場合問題だし(運転ができないから)」
「私がパブまで送り迎えしてあげますけど」
「…(無言)」

さて、この会話から分かることは、夫は私が再びトラックを運転してトレーラーをツールショップまで牽引して行き、その後買い物をして帰って、Kくんのために子羊のロースト料理を作ってくれと言っているのです。

トレーラーはツールショップまで持って行きましたけど、子羊のロースト料理は作りませんでした。

以前の夫は、いつもこういう調子でね、私には一言の相談もなく友人や仕事仲間や親戚の人や知り合った知人などを気軽に食事に招待し、私には直前に、あるいは前日に報告しますから私は断るに断れない状況になり、大いにストレスをためて献立を決めたり買い物に行ったり掃除をしたり料理をしたりと一人で奮闘するはめになっていたんですよ。

今これを書いていても腹が立って来るんですけどね!

私は自分の仕事と子供達のことと家のことをほぼ一人で全部やっていたのに、こういうことがしょっちゅうあったんです。知らない人達が突然家にやって来て、その人達のために食事を準備しなくちゃあいけない。私はちっとも楽しくないし、しんどいだけでね。

子供達だって嫌がりましたよ。

夫はと言うと、招待した人達と飲み食いやおしゃべりを楽しんで大満足というわけですけど。

私は一時期不安障害やうつで具合が悪くなっていましたが、このことも大きなストレスの一つになり、夫が誰かを食事に招待する度に心臓がバクバクしたり身体の力が抜けたり吐き気がしたりと不安発作が起きるようになったのです。

そこで、人を食事に招待する時には必ず招待する前に私に相談してくれと夫に頼みました。具合が悪くて頑張れない時もあるんですから。

そして、相談されて私が了解した場合を除いて、私は夫が誰かをもてなすためにお料理をしたりはしませんと宣言したんです。

それなのに、夫の父親の弟さんとその奥さんをクリスマスディナーに招待したんですよ。よく私達は離婚しなかったもんだというくらいに夫婦関係は険悪になりましたよ、あの時は。

私は何もしませんでした。(でも掃除はしました。)夫はBBQをすることにして肉やソーセージを買って来ましたが、肉以外の料理が無いと分かったので、当日直前になって私はサラダを作ったんですけど、それは夫のためではなくお客様のため。デザートは夫が自分でチョコレートムースを作りました。

お料理を拒否したのは、その時が初めてでした。

その後も、私に相談なくツールショップのスタッフや友人を食事に招待したことが何度かありました。

私が料理を拒否して部屋に閉じこもったので、うちの娘が食事の準備をしたこともありましたけど、作ったのは普段の晩ご飯に食べるような簡単な料理でね。私がレシピサイトをやっていることを知っているスタッフの皆さんは、ご馳走を期待して来たんだろうと思いますよ。

一度なんて、夫はスタッフだけではなくてスタッフのパートナーも招待したんです。食事に招待されると手土産を持参するのがマナーですから、皆さんワインとかチョコレートとか花とか持って来られたんです。

ところが、この家の奥さんは食事の準備をしていないどころか部屋に閉じこもって顔も見せないんですからね、「どうしちゃったの?」と思ったでしょうね。

私は部屋から出ませんでしたが、激しい罪悪感で本当に苦しかったですよ。でも、ここで負けちゃあダメなんです。夫に思い知らせるためには、この罪悪感に負けるわけにはいかないんです。

そうしないと、いつまでも同じことが繰り返されます。夫が誰かを食事に招待する度に私はストレスで苦しむんです。ストレスで苦しんでいるのに楽しいふりをしてお客様の相手をするので、もっと苦しくなるんです。

イヤなことをイヤだと言うのは勇気がいりますけど、イヤだと言っているのに理解してもらえない時は、逃げるしか無いですよ。

こうしたことが何度かあって、さすがに夫はもう勝手に人を食事に招待しなくなりました。

私はストレスが減りました。

昨日は、私が言ったようにKくんとパブに行ったそうです。それで十分なんですよ。Kくんだって、私に子羊のロースト料理をご馳走してもらいたいとは思っていませんよ。

うちの夫が、自分の奥さんがご馳走してくれるところを見せていい気分になりたいだけです。


夫は、自分が期待していることを期待した通りにやってくれないと大変機嫌が悪くなります。

私はトラックも気持ちよく運転してくれませんしね。

でもね、トラックの運転は怖いんですよ。だから頼まれたらストレスを感じるんです。それでもやってあげているだけエライというものですよ。

30年近くも夫が誰かを食事に呼んで楽しむために働いて来ましたけど、逃げ場のない状況に突然追い詰められると苦しいのです。

もしも夫が時間的な余裕を持って「Kくんにお礼をしたいから食事に呼びたいと思うんだけど協力してくれないだろうか」と聞いてくれたら、私はきっと了解して頑張ると思いますよ。

でも「Kくんが晩ご飯を食べに来るからご馳走を作ってくれ」と突然言われると、これはもう話が違うんです。しかもトラックが関わっているし。

ということで、

夫の機嫌が悪くなることは承知で、出来ないことは出来ないと、したくないことはしたくないと、拒否するようになった私ですが、それにともなう罪悪感でいつも押しつぶされそうになります。

でも、自分のメンタルヘルスは大事なので、罪悪感と闘うんです。

晩ご飯に招待されたのが急にキャンセルされても、別に大事件ではありません。行ってみたら、その家の奥さんがどういう理由だかいなくて、ろくな料理が出てこなかったとしても、誰も苦しみませんよ。

そう思って自分を肯定しています。

この問題をちゃんと理解していないうちの夫がいけません。

あの人はね、こういうのは察して欲しいと思っても分からない人なので、最近はいちいち言葉で説明するようにしていますけど、また忘れて同じことを繰り返すっていうのは夫に何か問題があるんですかね。

まあとにかく私も気分悪いです。夫もご機嫌悪いです。今朝は何を言ってもまともな返事は無しで、「いってらっしゃい」と言っても無言で出かけましたよ。

ご機嫌が直るのに2〜3日はかかるでしょう。


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2 件のコメント:

  1. ヒロコさんのヒストリーを読ませていただいていて、初めの頃の、おもてなしを苦しみながら、でも完璧にこなしておられる時期は本当にしんどそうでした。
    ですから、理不尽な要求にはNoと言う毅然とした態度に、熱烈な応援を送っています!
    ヒロコさんは何も悪くない。
    心と体を壊してまでのおもてなしって、辛すぎます。。。
    (ポムポムりんご)

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  2. ポムポムりんごさん、応援してくださってありがとう。「ノー」ということで気まずい緊張が生まれます。夫婦間の険悪ムードもつらいですからね、こういうのを避けるために無理して我慢してやっていたわけですよ。残りの人生がどんどん短くなって来ているんですから、やりたくないことはもうやりません。

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