もらい泣きの連続で、服の袖で涙を拭いていたもんですからね袖口がびしょ濡れになってしまいましたよ。
まずは助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンさんで大泣き。
「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」と「グーニーズ」で子役として人気者になった方ですが、その後は役に恵まれず俳優としてのキャリアをあきらめておられたそうですね。
ところが、「クレイジー・リッチ!」(Crazy Rich Asians)というアジア人俳優が出演するアジアを舞台にした映画が大ヒットしたことから、アメリカの映画界にも変化の波がやって来ていることを実感し、俳優として再挑戦することにしたんだそうですよ。
そして「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」に出演できたわけですが、出演の交渉にあたったエージェントが、今は弁護士となっている「グーニーズ」で共演したチャンク役のジェフ・コーエンという方だそうです。
涙のスピーチで、「私の人生はボートで始まった」とおっしゃっていましたね。私は、キー・ホイ・クァンさんがベトナム難民だったことは知っていました。
サイゴン陥落後の混乱の中で多くの人々がボートで国を脱出しましたが、キー・ホイ・クァンさんは、その時まだ4歳か5歳ですよ。
9人の兄弟姉妹の7番目だったそうです。国を脱出した際には、家族は2つに分かれて逃げたんだそうです。6人の子供とお父さんは香港へ、残る3人とお母さんはマレーシアへ逃げたそうです。
どういう事情だったんでしょうか。全員が同じボートには乗れなかったんでしょうかね。
キー・ホイ・クァンさんはお父さんのグループでしたから香港に逃れ、香港の難民キャンプで1年を過ごした後、インドシナ難民受け入れプログラムにより米国に難民として受け入れられたそうです。
お母さんグループとは、米国に来てから再会したそうですよ。ご両親は大変な苦労をされたのです。
感激して涙を流しながらキー・ホイ・クァンさんは感動的なスピーチをされました。これでもらい泣きしない人がいるでしょうか。私は号泣でした。
助演女優賞のジェイミー・リー・カーティスさんは、役得だったとも言えますし、彼女の人柄のせいで多くの人が彼女に票を入れたのではないかとも思いますけど、ここでももらい泣き。
主演男優賞のブレンダン・フレイザーさんも、いろいろ不幸なことがあって役に恵まれていませんでしたが、「ザ・ホエール」という映画で復活を果たしました。
私はもう涙と鼻水でぐじょぐじょ。
元々こういうのでもらい泣きしやすいたちなんですけど、アレなんですよ、抗うつ薬を飲んでいた頃は、感動してぐっと来ても涙なんて出なかったんですよ。薬のせいで脳みそにブレーキがかかって、泣くところまで感情が動かないんです。
泣けるようになって良かったわ。
そして、
いよいよ主演女優賞の発表。
主演賞のプレゼンターが非白人として初めて主演女優賞を受賞したハル・ベリーさんでしたからね、ミッシェル・ヨーさんの受賞は確信していましたが、やはりミッシェル・ヨーさんが受賞しました。
アジア人としては初、非白人としては2人目の主演女優賞の受賞でした。
ミッシェル・ヨーさんも素晴らしいスピーチをされました。この方は、アジア人俳優としては世界的に最も成功している人だと言われていますけど、アカデミー賞の受賞はまた特別の意味があります。ホントに素晴らしいです。
自分の受賞が始まりに過ぎないことを期待しているとおっしゃったそうですけど、そうなるでしょう。アジア人俳優がもっと役に恵まれて、主要な役柄で映画に出られるようになれば、当然そうなると思いますよ。
私は、ジョン・トラボルタさんにももらい泣きさせられました。
亡くなった映画関係者を追悼するコーナーでプレゼンターとして話をされたわけですが、なんとか持ちこたえて泣かなかったですけど泣きそうになっていたでしょ?
昨年亡くなったオリビア・ニュートンジョンさんとトラボルタさんは、「グリース」という映画で共演されて以来、長年とても親しい友人でいらっしゃったのですよ。
思わずこみ上げてくる感情があったのでしょう。
作品賞のプレゼンターとして登場したハリソン・フォードさんと「インディ・ジョーンズ」で共演したキー・ホイ・クァンさんが抱き合うシーンも感動して涙が出ました。
Indy, my friend.
— Matthew “Movies” Thomason (@ResDolph) March 13, 2023
[🔊 Sound on.]#Oscars #IndianaJones #ShortRound #KeHuyQuan #HarrisonFord pic.twitter.com/R0rGrbXA11
作品賞を「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が受賞したので、ステージ上でプレゼンターと出演俳優が出会うことになりますからね、このシーンは狙っていたんでしょうけど。
子供に戻ったようにハリソン・フォードさんに抱きつくキー・ホイ・クァンさんを見て、大喜びで拍手をしていたのが「インディ・ジョーンズ」シリーズの監督であるスティーブン・スピルバーグさんでした。
いやあ、今年のアカデミー賞はホントに感動的な場面の連続でした。
あとね、今年のアカデミー賞会場には本当にいろいろな人種と民族の人達がいましたよね。インドの作曲家が歌曲賞を受賞しましたが、それも歴史的でした。
「Diversity」(ダイヴァースィティ)という言葉がありますけど、多様性という意味ですが、かつてはほぼ白人だけのイベントだったアカデミー賞があんなに多様な人種が集まるようになったというのも変化の波がやって来たことを表しているわけで、見ていて本当に気分が良かったです。
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