かつて日本に留学していた高校生の時に、「百万人の英語」というラジオ番組で日本全国に向けてその音痴っぷりを披露したことがあるという話を「音痴は遺伝する」という記事に書いたことがありますけど。
音痴という言葉は「なんとか音痴」というように、特定の能力が劣っていたり特定の事柄に疎い人を表現する言葉としてよく使われますよね。
「方向音痴」とか「味音痴」とか「機械音痴」とか、考えるとたくさんあるのですけど、何を隠そう、うちの夫は味音痴でもあります。
味については、美味しいか美味しくないかしか分からないと本人は言いますが、そんなことはないはずですよ。肉の旨味は分かるんですし、辛いとか酸っぱいとかね、そういうのは誰でも分かると思うんですけど。
先日、古くなってきたヨーグルトを使ってしまいたくて、ブルーベリーとヨーグルトのアイスクリームを作りました。
作り方は簡単で、冷凍のブルーベリー1カップに砂糖を大さじ2とコーンスターチを小さじ半分くらい入れてから電子レンジでとろっとするまで加熱して冷やしておきます。これに無糖のギリシャヨーグルトを加えて混ぜ、生クリームに砂糖を加えて泡立てたのを混ぜて冷やすだけです。甘さはお好みで。
これを食後に夫に出してあげました。
しばらくして食器を取りに行ったら、何と言ったと思いますか?
「これ何味?チョコレート?」
このアイスクリームを「チョコレート?」と言われて、私はびっくりしました。ブルーベリーだと分からなかったとしても、ベリー系の味だとは誰でも分かると思うんですよ。アイスクリームは紫色だったんですしね。
夫が味音痴とは知っていますけど、ヨーグルトの酸味も強いこのアイスクリームをチョコレート味だと思ったというのは衝撃でした。
「違います。ブルーベリーとヨーグルトです。紫色でしょ?」
「え?これ紫色?」
夫は遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」が進行していますが、黄斑変性は視野の中心部分が黒くなって何も見えなくなったり、視野がぼやけたり、物が歪んで見えたりするとは聞いていましたけど、色覚異常もあるんですね。
夫には、上の写真の紫色のアイスクリームが茶色いチョコレートアイスクリームに見えたのだそうですよ。それなのにチョコレートの味がしなかったので、「何味なんだろう?」と思ったんですって。
このようなびっくりさせられる出来事が増えてきています。
先日、卵と豆腐のお汁を作った時に、鍋のフタを開けて「これクスクス?」と言った時にもびっくりしましたけど、どんどん見えなくなって来ています。
最近は誰かと話す時に、相手の目が見えないそうです。焦点を合わせようとする部分すなわち視野の中心が黒く欠損しているからです。右目はまだかろうじて見えている状態だと聞いていましたが、相手の目が見えないということは右目の視野の中心も欠損し始めたのかもしれませんよ。
私と話をしている時には、私の目を見て話しているように見えますが、もう私の目は見えていないんですね。
視野の欠損や歪みに加えて、色覚異常も始まったことを知り、夫はちょっとショックを受けた様子でしたが、自分が見ている色が実際の色ではない可能性があることは知っておく必要があります。これも受け入れるしかない現実です。
でもね、味の方は、チョコレートではないと分かっていたそうなので安心しましたよ。ブルーベリー&ヨーグルト味とチョコレート味はだいぶ違いますからね。この違いが分からなくなると、それはもうちょっと味音痴のレベルではありません。
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