このスコーンは、女王の料理人が作る女王お気に入りのスコーンというのではなくて、女王が自分で作っていらっしゃったスコーンなんです。
エリザベス女王が1960年に当時の米国アイゼンハワー大統領に送った手紙に書かれていたレシピです。
この手紙もレシピもインターネットで見つけることができます。エリザベス女王の手書きは読みにくいんですけど、内容によるとアイゼンハワー大統領が英国を訪問された時にお出しになったようで、その時にレシピを送ると約束しておられたようです。
さて、そのレシピですが、一般的にスコーンと呼ばれる焼き菓子とは違います。これはドロップスコーンと呼ばれる分厚いパンケーキのような食べ物です。
エリザベス女王のレシピは16人分ということだったので、私は半分の量で作りました。8人分ということになりますが、ドロップスコーンが8個できました。
大食いの我が家では、1人2個食べて4人分というところです。私は2個食べたらちょっと多すぎましたけど。
ドロップスコーンはスコティッシュパンケーキ(スコットランドのパンケーキ)とも呼ばれるそうなんですが、スコットランドの方にうかがったところでは、エリザベス女王のレシピような分厚いのと、もっと薄いのと2種類があるようです。
エリザベス女王のレシピで作った生地は、パンケーキの生地とは比べ物にならない大変硬い生地で、オーブンで焼いて作る普通のスコーンの生地を少し柔らかくした感じです。
これを私のウェブサイトやフェイスブックのページでシェアしたところ、あっという間に4,000人以上の方に見てもらえました。おそらく私の投稿記事を読んで自分でも作ってみた方が大勢いらっしゃると思います。
エリザベス女王のレシピは、計量カップではなくてティーカップを使って量を計っていらっしゃったので、私はティーカップはオーストラリアの計量カップ(250ml)の4分の3として計算しました。
作り方を紹介しましょう。
エリザベス女王が書かれていた英語のオリジナルレシピは、こちらのページで見てください。下のレシピは、私が書き直した8個分のレシピです。
<材料> *オーストラリアの計量カップは250ml
普通の小麦粉 1 & 1/2カップ
砂糖(グラニュー糖) 大さじ2
牛乳 3/4カップ
大きめの卵 1個
重曹(Bi-Carbonate Soda) 小さじ1
クリームオブタルタル 小さじ1 & 1/2 *日本では手に入りにくいかも…
溶かしたバター 大さじ1
ドロップスコーンを焼くための油 適量
<作り方>
1.ボウルに卵、砂糖、牛乳を半分くらい入れてよく混ぜる。
2.小麦粉、重曹、クリームオブタルタルを加え、残りの牛乳を加えながらよく混ぜる。(どうして牛乳を半分に分けているのかよく分かりません。)
3.溶かしバターも加えてよく混ぜる。びっくりするほどモッタリとした硬い生地になります。
注意:重曹とクリームオブタルタルの化学反応のせいで泡が発生して膨らんできますから、すぐに焼いてください。エリザベス女王も、生地を混ぜたらすぐに焼くようにと注意書きを書いておられます。
4.フライパン(厚手のものをオススメ)を熱して、熱くなったらごく低温にして少し冷ます。薄く油をぬって、大きなスプーンに山盛り分くらいの(スコーンが8個できるくらいの)量を落として(ドロップして)スコーンを焼く。この時フタをした方がもっと膨らみます。
5.片側2〜3分焼いたら、ひっくり返してもう片側も2分くらい焼く。焼けたらお皿に移し、冷めないようにティータオル(布巾)をかぶせておく。残りも同様にして焼く。
6.ジャム、クリーム、バター、ゴールデンシロップなど、お好きなものと一緒にどうぞ。
下の写真はバターとゴールデンシロップです。
エリザベス女王がお亡くなりになったスコットランドのバルモラル城というのは、女王が一般人と同じような暮らしをすることができるプライベートな場所で、お気に入りの場所だったそうですね。
元首相のトニー・ブレア氏の話によると、エリザベス女王はバルモラル城ではお料理を楽しむだけでなく、ゴム手袋をはめて洗い物や片付けも自分でしておられたそうですよ。
ですからね、このレシピも本当にエリザベス女王が実際に作っていらっしゃったドロップスコーンなんです。
何を乗せて食べていらっしゃったのでしょうかね。ジャムやマーマレードもいいですけどバターとゴールデンシロップというのは美味しかったです。ゴールデンシロップが手に入らない皆さんも多いと思いますが、ゴールデンシロップは砂糖を少し焦がしてつくるカラメルシロップと味が似ています。
エリザベス女王のドロップスコーン、とても美味しかったですよ。
クリームオブタルタルが手に入らない方は、ふくらし粉(ベーキングパウダー)を少し加えてみるといいかもしれません。要はしっかり膨らめばいいんです。ただし入れすぎると苦くなりますから要注意。
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