2021年9月20日

美味しいものでいっぱいの日本

フィッシュ&チップスのを食べそこねて、フィッシュ&チップスのことばかり考えていました。食べたかったなあ、本当に。

病気になると食欲が全く無くなることもありますが、それなりに食欲があって特定の食べ物が無性に食べたくなることがありますよねえ。私はポテトチップスが食べたくなることがありますよ。

食べ物のことばっかり考えているせいかもしれませんが、日本語のサイトを見ていると、食べ物に関する記事が多いことに気づきます。流行っている食べ物とか、話題のコンビニスイーツとか、おすすめレシピの紹介とか。

オリンピックやパラリンピックの期間中には、外国のメディア関係者が日本の食べ物を紹介するSNSの投稿が話題の記事も多かったですけど、そうした記事を見る度に、私は家族で日本に住んでいた頃のことを思い出しました。

日本に住んだのは子供達が小さかった頃ですが、本当に食べ物が簡単に手に入るので、私は大いに助けられました。

私達家族は、岡山県の総社市という街に住んでいたのですが、住み始めた頃にはそれほどひどくなかった私のメンタルは徐々に悪化して、家から出られなかったり、食事の準備に苦労することも度々でした。

何とか日々の家事と子供達の世話はしていましたけど、具合が悪い日には具合が悪いことを子供達に隠して頑張ることも出来なくて、そういう時にはお料理なんて出来ないのですよ。

お料理をする元気がない時には、おかやまコープ(生協)で買っていた「焼くだけ」あるいは「チンするだけ」で食べられる加工食品には大変助けられました。

近くにおかやまコープの店舗があったのに食品の宅配を頼んでいたのですが、あれにも本当に助けられました。買い物に出かけられない日も多かったので。

子供達は小学校の低学年でしたが、時々お金を持たせて子供達だけで近くのコープの店舗まで買い物を頼んだりもしていました。

交通量の多い危ない道を避けて、田んぼや畑の横の裏道を通って行かせましたけどね。買い物をした後、お釣りを落とさないようにとお店の方が親切にお釣りをナイロン袋に入れて持たせてくださったりしてね。

子供達だけで買い物に行かすなんて、オーストラリアでは絶対に出来ませんよ。

おかやまコープに限らず、街のどのスーパーでもすぐに食べられるお惣菜をいろいろ売っていました。とんかつとか天ぷらとか焼き魚とか、サラダに酢の物に和え物に煮物にお寿司に、もうありとあらゆるもの。ご飯さえ炊けば晩ご飯は何とかなるのでした。

そして、コンビニですよ、コンビニ。

日本のコンビニは世界最高です!

どうにも困った時には、夫にコンビニに寄ってもらって、晩ご飯になるものを買って来てもらうこともありました。お弁当を買ってくることが多かったですが、カレーライスやチンするだけで食べられるパスタ料理なども買って来ましたね。

お弁当はどのスーパーでも売っていましたし、ほっかほっか亭という弁当屋も近くにありました。子供達はお弁当が大好きでしたから、晩ご飯が買ってきたお弁当だとむしろ喜んでいたものです。

家族で気軽に食べに行けるファミリーレストランや食堂もたくさんあったので、私達はよく外食もしました。

コンビニ、スーパー、お弁当屋、ファミレスなど、食べ物を手に入れることができる場所がたくさんあり、食べ物の種類も多彩で素晴らしかったです。

ですから、お料理が出来なくても子供達に毎日食べさせることは出来ましたから、しんどかった時には本当に助かったのです。

オーストラリアに帰って来たら、日本でどれほど恵まれていたかを思い知らされました。オーストラリアでは簡単に手に入る食べ物が限られていたんです。マグドナルドとかKFCといったファーストフードの店か、ピザとかフィッシュ&チップスとか中華とかのテイクアウトの店だけでした。

スーパーで売られているお惣菜なんてろくなものがなかったですし、オーストラリアのコンビニは全くコンビニエンスじゃありませんでした。

仕方がないので、お料理をする元気が出ない時のために、冷凍の魚のフライとか冷凍のチキンナゲットとか冷凍ピザなどを常備していました。

今の私は、そういうものは買いません。美味しくもないし、塩分が多すぎますし。でも、あんな物を子供達に食べさせていたんです。晩ご飯が作れないような時には、買いに出る元気もないんですから、そういう冷凍食品で何とかやっていたのです。

あの頃は、夫が仕事で家にいないことが多かったので苦労しました。

今では、ほとんどのテイクアウトの食べ物は配達してもらうことが可能です。アジア食品店も増えて、冷凍の餃子とかシュウマイとか肉まんとか、手に入る冷凍食品も増えました。

それでも、便利さは日本とは比較になりません。

あれほど多彩な食品が容易に手に入る国というのは、なかなか無いと思います。


気になることが二つあります。

一つは、日本の食品の安さの原因。人々が低賃金で搾取されているのではないかという問題です。もう一つは、便利さの代償としてのごみ問題です。

お弁当は便利でしたけど、お弁当を買う度に出すごみの量が気になっていたんですよ。

オーストラリアでは普通ごみを焼却処理しません。全て土に埋めるんですから、もしも日本のお弁当のようなものが大ヒットしたりしたら、ごみが大問題になるでしょうね。

実際、現在のオーストラリアでは、新型コロナのロックダウンのために、飲食店が持ち帰りや配達に力を入れるようになって、プラスチックごみが増えて問題になっています。

ごみは気になるのですけど、それでも日本のお弁当文化は大好きです。メルボルンでお弁当ビジネスをすればヒットするのにと思います。

ああ…

今度はお弁当が食べたくなってきたな。


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