2021年9月30日

醤油のない暮らし

本日の記事のタイトル「醤油のない暮らし」というのが現実となったら、あなたは大丈夫ですか?

私はね、大丈夫じゃあないです。

オーストラリアで容易に手に入る日本の醤油はキッコーマンの醤油です。日本に住んでいた頃は、キッコーマンの醤油を買うことはなかったですけど、オーストラリアに住んで二十ウン年間ずっとキッコーマンの醤油を利用しています。

私は岡山県の出身なのですが、岡山には「とら醤油」というのがありましてね、子供の頃から醤油といえば「とら醤油」でした。

「とら醤油」は創業150年という倉敷の醤油屋です。創業場所の酒津という場所は、高梁川の水と平野部で生産される大豆や小麦と瀬戸内海の塩田で作られる塩といった醤油の原料に恵まれた立地条件で、1世紀半に渡り良質の醤油を作り続けている老舗です。

聞くところによると、昨年民事再生法の適用を申請して倒産したとか。

「とら醤油」は大変美味しい醤油なんですよ。キッコーマンの醤油に比べると旨味と塩味のバランスが優れていると思いますけど、味を比べてもしようがないですね。こういうのは好き好きでしょうし。

オーストラリアの田舎の小さなスーパーでも手に入るほど世界的展開に成功したキッコーマンの醤油は、海外生活者にとっては本当にありがたい存在です。

このキッコーマンの醤油が底をつきかけておりましたので、先日の買い出しの際に買って来ることにしていました。

そして、お醤油を売っているコーナーに行ってびっくり。

醤油の棚が空っぽ!

大きいボトルも小さいボトルも減塩醤油もグルテンフリー醤油も全部売り切れで、唯一残っていたのは、あの赤いキャップのガラス瓶に入ったキッコーマン醤油が1本だけ。


この時に「お醤油が切れるかもしれない」と考えて、私は不安を感じました。

お醤油のない暮らし、

それはありえないですよ!

私はね、味噌がない暮らしは平気です。でも、お醤油がない暮らしは考えられません。

醤油は日本人にとっては特別な調味料です。今や世界中の国々でキッコーマンの醤油が手に入るようになったとは言え、醤油が手にはいらない辺境の地を旅行する日本人が醤油を1瓶荷物に詰めるというのはよく聞く話です。

椎名誠さんのある本でもそういうエピソードがありましたよ。南米のどこかで醤油を持っている日本人に出会い、少し分けてもらった醤油をお湯で割って取材仲間と一緒に飲む場面がありました。

お醤油のお湯割り、心の底から美味しかったでしょうね。

お醤油ってそういうものですから、スーパーのお醤油の棚が空っぽになっているのを見て、私はショックを受けたのです。

その小さなガラス瓶入りの醤油は買いませんでした。別のスーパーに行ったら小さいボトルでしたがあったので1本買いました。

わざわざ醤油だけのために、別のスーパーまで足を運ぶのです。お醤油とはそういう特別なものなのですよ、マジで。

スーパーでは、中国の醤油やオーストラリア製の醤油も売っています。日本の醤油とは味が違いますけど、キッコーマンが手に入らなくなったら私は中国の醤油を買うでしょうね。


「晩ご飯に何を食べたい?」とたずねた時に、うちの夫の場合は選択肢が「チキン、ポーク、ビーフ、ラム」と肉の種類、息子の場合は「餃子」とか「カレーライス」とか具体的なお料理、娘と私が考えるのは「塩味、醤油味、トマト味、クリーム味、カレー味」といった味付けの種類である場合が多いです。食べたい味付けが分かったら、そこから献立を考えていくんです。

私は、毎日トマト味とかクリーム味というのは無理ですし、毎日塩味というのも味気ないです。醤油味が食べたくなることは多いですよ。

醤油味と言ったって、さっぱり醤油味、酢醤油味、甘辛醤油味、バター醤油味、にんにくピリ辛醤油味などバラエティーも豊富です。今考えただけでも、やはり醤油のない暮らしは非常につらいだろうと心細くなりますね。

もしもそんなことになったら、夢にまで見そうですよ。

そんな時にもしもお醤油がわずかでも手に入ったら、どれほど嬉しいでしょうか。わずか大さじ1杯でもあれば、家族4人分のお汁が作れますよ。想像しただけでも何だか感激してしまいます。

海外から日本に帰って来た人達が一番食べたい和食のナンバーワンは「ざるそば」だという話をどこかで読んだことがありますけど、分かります、その気持ち。


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2 件のコメント:

  1. 私の姉もアメリカに50年ぐらい前に2年間暮らしました。ホームシックになってうつ病のようになってしまったので、私が派遣されました。行ってみると、ざるそばなどは、乾麺はあっても、そばつゆを作るのに大量のお醤油を使うので、もったいなくてできないなどというのです。当時はペットボットルもありませんでした。それで日本に帰ってから登山用の水筒にお醤油、酢、みりんなどを入れて送ることになりました。苦労が多かったですね。

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    1. 最近は、メルボルンの普通のスーパーでお醤油も日清のラーメンもSBのカレーも、とにかく大抵のものは手に入るようになりました。薄切り肉まで売っています。以前はかたまり肉を半分凍らせて自分で切っていましたけど。アジア系の移民が増えたせいで便利になりました。

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