月曜日の午後、携帯にメッセージが届きました。
NBN修理作業の予約が3月23日の火曜日で、技術者が午前8時から12時の間に来るという連絡で、我が家の住所も正しく書かれていて、技術者の訪問時には必ず大人が在宅であることが必要だとのことで、予約通り作業を行うかどうか返信しろという内容でした。
新型コロナに関する注意事項が書かれたNBNのウェブサイトへのリンクも有り、信頼できる感じのメッセージでした。
ちなみに、NBNというのは「National Broadband Network」のことで、オーストラリア国内を光ファイバーケーブルで結ぶ高速ブロードバンド回線のことです。私達は電話もインターネットも通信最大手のTelstraという会社を利用していますが、インターネット接続はNBNです。
オーストラリア政府が出資して整備が始まったNBNでしたが、かかった費用が莫大で、時間的にも整備はなかなか進まず、やっと始まってみるとオーストラリア全土で大混乱が発生。
NBNに変えたらインターネットに繋がらなくなったとか、以前よりも遅くなったとか、しょっちゅう接続が切断するとか、苦情件数は爆発的だったそうで。
そういうニュースを聞くにつけ、私達はNBNは止めておこうと言っていたんですが、選択肢がなくなりましてね、Telstraのインターネット接続はNBNになっちゃったのです。
新型コロナのせいもあって、Telstraの技術者が家に来ることなど無く、ルーターと説明書が送られて来て、説明通りに接続して設定して完了しました。
さて、
このあまり速くない高速ブロードバンド回線は、うわさ通りしょっちゅう遅くなったり接続が切断されたりするんですけど、特に困るほどのこともなく、私達は毎日普通にインターネットを利用しています。
そこへ届いた、NBNの修理に技術者が来るというメッセージ。
うちの夫がまた私に相談もなく何か頼んだのかと思い、「こういう連絡が来たけど一体これは何!」と勤務中の夫にメッセージを送りましたところ、夫からは「何のことだか分かりません。Scam(詐欺)じゃないんですか?」という返事が来ました。
すると再び、NBNから全く同じ連絡メッセージが来て、朝の7時までに返信しろということでしたが、無視していたんです。
すると翌朝、今度は、技術者が午前8時から10時の間に来るから大至急返信しろとのメッセージが届きました。特に新型コロナで隔離中の場合は早く教えろと。全く同じメッセージが再び届き、さらに無視していると、
今度は、ピーターという技術者がもうすぐ到着しますというメッセージが届き、
その直後に技術者なる男が玄関のドアをノックしました。
NBNのロゴ入りの作業着を着ている東南アジア系っぽい男でした。
「あら本当に来たの!詐欺だと思って無視していたんだけど、あなた詐欺?」
いきなりストレートを食らった男は、やや動揺して言いました。
「ええっと、ここはこの住所で間違いないですか?」
「間違いないですけど、なんで頼んでもいないのに来たんですか?」
「え?頼んでいないんですか?ええっと、予約をしたのはリチャード(使っていない夫の名前)さんですけど」
「リチャードはそんな予約はしていませんし、私もしていません」
「インターネットに問題があるんですよね」
「問題はないですよ。時々遅いけど、毎日ちゃんとつながっています」
とまあ会話は続きまして、結局男は予約をキャンセルするのなら僕はそれでいいですとかなんとか言って、再び必要になったら再予約してくださいと言って帰って行きました。
直後に、私の携帯に電話がかかりました。
「あっリチャードさん?」
「違います」
「え?誰?」
「リチャードの妻ですけど、あなた、もしかして私がさっき話をしたピーター?」
「ええそうです、そうです、さっき話をしました。確認したいんですけど、予約はキャンセルということでいいんですね」
「誰も予約なんてしていないし、インターネット接続に問題もないんです」
「ええっと、確認したかっただけですから、また必要になったら再予約して下さい」
これね、詐欺だったようです。
NBNという会社は、TelstraとかiiNetといったプロバイダー会社に高速ブロードバンド回線サービスを提供しているだけで、直接個人の客にサービスを販売したり電話してきたりすることはないのです。技術者が個人の家の中に入って行わなければならないような工事や作業をすることもないそうです。
こういう怪しいのが来たら、家に入れてはいけませんよ。
彼らの目的はいろいろです。
- 不要な工事をやって(あるいはやったふりをして)工事費用をだまし取る
- 個人情報を盗むための悪質ソフトウェアをこっそり取り付ける
- 盗みに入るための下見
私にいきなり「あなた詐欺?」と言われて動揺したのは、やっぱり詐欺だったんですね。
私達が住んでいる地域の住人は、比較的裕福な高齢者が多いので、狙われやすいのです。やって来た人がしつこくて、なかなか帰らなかったり、攻撃的になったりして、身の危険を感じたり不安になっりしたら、すぐ緊急電話番号「000」に電話してくださいとのことですよ。
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