新型コロナのパンデミックの中、他人の裏庭で野菜を栽培している都会の農民達という記事です。
ある若いカップルがいました。二人は長い間、農業に挑戦したいと思っていました。 オーストラリア国内外の農場での経験もあります。しかし、彼等には自分達の土地を買う経済的な余裕がありませんでした。
不動産価格の高騰が続くメルボルン都市圏では、土地付きの家を購入するのは「ほとんど不可能な夢」になりつつあります。
一方、庭のある家に住んでいて、草切りや庭のメンテナンスにうんざりしている女性がいました。裏庭は草が生えているだけで、特に何にも使っていません。
この農業をやりたいけど土地がないカップルと使っていない裏庭を持っている女性が、一緒に女性の家の裏庭を畑に変え、野菜を栽培しているのです。
メルボルンから少し北にあるフォークナー(Fawkner)というコミュニティーの活性化に取り組むグループが始めた「Backyard Farmers」というプログラムだそうです。コミュニティー内での食料生産とサステナビリティーを強化する目的で、新型コロナの感染が拡大した昨年始まりました。
メルボルン都市圏で庭のある家に住みながら、せっかくの庭を何にも利用していない人や、野菜を栽培したいと思いながら知識や時間や体力がなくて行動を起こしていない人は、大勢いるのですよ。
「農業をしたいけれど土地がない人」と「使わない裏庭がある人」を結ぶプログラム、素晴らしいと思いませんか?
昨年は、新型コロナのせいで自宅で過ごす時間が増えたことから、食べ物を自分で作るということに関心が高まりました。パニック買いや流通システム内での集団感染が起きた時に、スーパーや小売店から食品が姿を消したことがありました。その影響で、自分達が食べる野菜を自分達で栽培したいと考える人が増えたのです。
ところが、野菜を栽培したくても土地がなければどうにもなりません。その問題を解決する、双方にとって都合の良い「Win-Win」のプログラムなんです。
フォークナーでは、一般家庭の裏庭だけでなく、自治体が所有する土地のうち利用されていない土地をコミュニティー用の畑にするという計画もあるそうです。
誰でも利用できるコミュニティーの畑を運営している自治体は増えているんですよ。
こうしたプログラムの目的は、もちろん食糧の生産だけではありません。人々が集まり、ともに働くことで、コミュニティー内の人のつながりを強くするという大きな効果があります。移民の多い自治体などでは、人々が集まって手に入りにくい野菜を一緒に栽培するという活動が良い影響をもたらしているという話も聞きます。
私だって、もしも日系の移民が集まってゴボウやミョウガやサツマイモを一緒に栽培しましょうなんていうコミュニティーの畑があったら、きっと参加したいと思うでしょう。
私達家族が住んでいる家の敷地は広いのですが、ただ草が生えているだけです。もったいないことなんですけど、土がカッチカチの粘土なので畑にするのは大変です。大きなユーカリの木がたくあんあるので、落ち葉と日当たりの問題もあります。
それでも畑にできそうなところはあるのですけど、そこは水道から遠いので、夏場の水やりに困るでしょう。
ウサギやカンガルーが出るので、その対策も必要です。
それに、私には一人で畑を作る体力はありません。
野菜を栽培してみたいシロウトにとって、自分の家の裏庭を畑にしてくれる人が来てくれるというのは確かに魅力的なことでしょう。自分はイニシアチブを取る必要はなくて、作業をお手伝いすれば、収穫する野菜もいただけると。そして、活動を通して人とのつながりもできるわけですから。
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