2021年3月7日

メンタルへルス救急法

皆さんの中には救急法(First Aid)を学んだことがあるという方は多いのではないでしょうか。

オーストラリアでは、多くの職種で救急法(First Aid)の受講が義務付けられています。救急法(First Aid)の受講証明が就職や仕事上必要という人が大変多いので、それを教える学校もたくさんあります。

私も学校の先生をやっていた頃に何度か救急法の講習を受けましたが、主に溺れた人の救命処置と心肺蘇生(CPR)でした。

最近の救急法(First Aid)の講習では、AED(心臓の停止した人に電気ショックを与えて救命するための機器)の使い方を習うそうですね。喘息発作やアレルギーのアナフィラキシーやてんかんの発作の処置、毒ヘビや毒クモなどに刺された場合の処置、熱中症とか脱水症状の処置など、学校のコースにもよるのでしょうけど習うことはたくさんありますから、講習はたいてい一日のコースとなります。

ところで、

うちの娘は、最近心理カウンセラーのクリニックの受付のアルバイトを始めたのですが、心理カウンセラーのクリニックには、精神的・心理的な危機に陥った人達がカウンセラーの支援を求めて電話をしてきたり、メールを書いてきたりするわけです。

こうした人達に支援が提供される前に、受付の人にはどのような支援ができるのか、どのように行動すべきかという対応法を身につけておくことは重要です。

ということで、

この度、娘はメンタルへルス救急法(Mental Health First Aid)の講習を受けるようにと言われたそうです。

メンタルへルス救急法(Mental Health First Aid)というのは、オーストラリアから始まったプログラムです。

娘は、一般的な救急法(First Aid)はすでに受講済みですが、メンタルへルス救急法は初めてだそうです。これは二日間のコースとなります。

二日間も何を勉強するんだろうと思ったのですけど、メンタルへルス救急法は、非常に多岐に渡るんだそうです。

まずは、うつ病、不安障害、精神病性の障害、アルコールや薬物関連の障害など、様々なメンタルヘルスの問題の症状や原因を理解しておく必要があります。

そして、最も重要なのは、自傷や自殺あるいは他者へ危害を加えるリスクを評価することなんだそうですよ。 

メンタルへルスの救急法の5つのポイント
  1. リスクの評価
  2. 判断や批判をせずに話を聞く
  3. 安心と情報の提供
  4. サポートを得るよう勧める
  5. セルフヘルプ(自分でできること)を勧める
受付の仕事も重要なのですね。

そう言えば、先週は自分の娘の具合が悪くて電話をかけてきた女性がいたそうですが、あまりに興奮していて早口でしゃべるので全く理解できなかったそうです。別の受付スタッフに電話を変わったけれど、その人にも理解できなかったそうです。

いろいろな問題を抱えた人が電話をしてくるので、対応法をよく学んでおかなければなりません。電話の向こうの人の命に関わる場合もあるのですから。

二日間のメンタルへルス救急法の講習は、勤めているクリニックが費用を全額負担してくれるそうです。

雇って欲しかったらこれこれの講習を受けて、これこれの資格をとってから応募しなさいというんじゃあなくて、雇った人に費用負担で講習を受けてもらうという方針なのか、娘がスタッフとして受け入れられたということなのか。

娘は大変ありがたく感じているようです。


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