有名人が自殺したりすると、そのニュースの影響で自殺者が出ることがよくあります。
私は、現在自殺願望はありませんし、まだ抗うつ薬を服用し続けているとはいえ、ほとんど健康な状態だと自覚しています。
でも時々、些細な事がきっかけで、精神状態が突然悪化することがあるんです。
昨日、オーストラリアの AFL(オーストラリア式フットボール)界のスターであるジェイムス・ハード(James Hird)という人が、何らかの薬物の過量摂取で病院に運ばれたといういうニュースを聞いた時には、身体が震えました。
ジェイムス・ハードさんは、私がオーストラリアに住み始めた頃には、エッセンドンFCというチームのスター選手でした。フットボールに興味のない私でも、毎日のようにTVで見かけるこのハンサムなスター選手のことは、自ずと知るようになりました。
ハードさんは、現役を引退した後はエッセンドンFCのコーチに就任し、コーチとしても活躍されたんですが、5年ほど前にエッセンドンFCに禁止薬物疑惑問題が発生しまして、前代未聞の大スキャンダルになったのです。
事実は、おそらく、監督もコーチも選手達も、チームの「サプリメント・プログラム」で使用する薬物は全て合法と信じていたんだろうと思うんですよ。違法合法ギリギリの所でこのプログラムを計画し推進していたスポーツ科学者に最も大きな責任があると私は思うんです。
しかし、会長の辞任に始まり、監督だったハードさんや副監督やコーチの長期資格停止、さらに選手達の出場停止などの大問題に発展しましてね、当然エッセンドンFC側は裁判で争おうとしたわけです。
このスキャンダルの中で最もストレスをためたのは、監督だったハードさんだと思います。メディアがすごかったですから。
家の前にいつでもレポーター達が張り付いていてね、大変だったろうと思いますよ。ありとあらゆることを記事にされていましたしね、個人的にも攻撃されたりしたようです。
一昨年にはエッセンドンFCの監督に復帰されたものの、結局は辞任されました。辞任を発表した時の記者会見では涙を見せられました。
ハードさんは、とにかくいつも冷静で落ち着いていて、話し方もソフトで、感情を露わにしたり語気を荒げるようなことも絶対にしない人でしたが、抱え込んでいたんですね。
今日も、ハードさんの家の前には、いつものようにレポーター達が集まっていますが、こういう辛い時には、ハードさんの家族をそっとしておいてあげてほしいです。
オーストラリアでは、こうしたニュースの後には、必ず自殺者防止のために、悩みを相談できる団体や組織の相談窓口情報が流れます。新聞の記事にも必ず記事の下に記載されています。
特に男性は、こうした心の病気を誰にも話さず抱え込む傾向がありますから、心配なニュースでした。
ハードさんには、早く元気になってほしいです。
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