2016年6月9日

売らなかったパスタマシン

何年も前に娘のサチがプレゼントしてくれたパスタマシン。一度も使うことなく、いや一度も箱から出したこともなく、戸棚にしまいっぱなしだったパスタマシン。今後も使うことはなさそうだし、我が家は今お金が必要なのだからと eBayで売りに出したら、「売ってもいいよ」と言っていたはずの娘のご機嫌が最悪になってしまった。

売り出し期間の終りが近づいて、最高の付け値が70ドルを超え、何十人もの人々がウォッチリストに入れて見守っている様子なので「この調子ならいい値がつくかもよ!」とうれしい反面、私は複雑な気分になりました。

だってね、怒っていた娘がどんどん悲しそうになっていったんです。

もう話題にすることもできない感じ。

当時まだ小学生だった娘が、我が家の第一回経済困窮の中、毎日寝続ける父親とどうやって家計をやりくりするかのプレッシャーで苛立つ母親の関係が日々悪化しくのを敏感に感じ取り、「お母さんを喜ばせたい」との思いでプレゼントしてくれた(代金は夫がクレジットカードで払ったけど)パスタマシンだったわけです。

何度もそれを使ってパスタを作って欲しいようなことを言ったけど、私は使わなかった。パスタを粉から作るなんてやる気がしなかったの。いやいや、粉を捏ねるのは面倒ではないんです。面倒なのは機械の準備や片づけ&掃除。

そして、この度の第三回経済困窮の中、使わないんだから売って金に換えようという私の行為が娘を悲しませていたわけです。このパスタマシンは、娘にとってはどうやらただのパスタマシンじゃなくて、何か特別なものであるらしい。

娘が私に隠している悲しみが見えた時、「これは売る訳にはいかない」と思いました。そして、「娘と一緒にパスタを作ろう」と決めました。

eBay でビッドしてくれていた皆さんには申し訳ないのですが、残り時間あとわずかという時になって売るのを止めました。そのことを娘に告げた時、彼女は何も言わず黙って頷きました。

この週末に、娘と一緒にフェットチー二を作るつもりです。もちろんブログで報告しますのでお楽しみに。

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