息子のカイの腫れ上がったほっぺたは、気持ち腫れが引いた感じではありますが、相変わらずヴィトー・コルレオーネが膨れた感じ。口はわずかしか開けられませんので、スープをすする日々です。
昨日作ってやったリンゴをドロドロに煮たやつとカスタードは、味見をしたお母さんには超絶美味だったのですけど、リンゴは食べにくいとの評価でして、息子はカスタードだけを舐めていました。
昨日のスープは、野菜だけでなく缶詰の鮭を入れてドロドロ状にいたしまして、これは好評だったな。
さて、晩ご飯ですが、冷蔵庫の中に居座り続けていた白いナイロン袋がありました。
うちの夫が、娘のサチと仲間たち制作の映画撮影に使用するために買ってきていた豚バラ肉の巨大な塊と豚の皮。
「首をナイフで切る」というシーンの撮影に使う予定だったらしいですが、脚本が変更になったらしく、豚腹は不要になったのでした。だから、料理に使って良いとのことではあったんですけど私はここ数日忙しくて料理は手を抜いてきたのです。
巨大豚バラ肉は、すでに「早く食べないと危ないよ」臭を発しておりましたので、皮を剥いでからタレに漬け込みチャーシューみたいなローストにすることにいたしました。
皮はどうするか...。
普段はこっそり捨てているんですが、この度は剥いだ皮とわざわざ別途に購入している皮が2枚の合計3枚もある。しょうがないので油を塗り塩を盛大にふりかけてクラックル(crackle)と呼ばれるカリカリ焼きにすることにいたしました。豚の皮を高温でローストするとですねパチパチとまさに crackle して、お煎餅のようにカリカリまたはバリバリになるんです。高カロリーですが美味しんですよ。
相当良い匂いが家中に充満し、息子も気になった模様でキッチンにやって来ました。
オーブンの中で好物のチャーシュー豚ローストが焼けており、すでに焼き上がったクラックルをバリバリと音と立てて味見するお母さんの横で溜息をつく息子。
「あんたねえ、噛めないでしょうけど、口の中に入れて舐めてると味だけは楽しめるんじゃないの?」
「いや、いい」
「ローストポークは、ミンチにしてあげようか?ドロドロにしてあげれるよ」
「いい」
息子は、朝も昼も食べた例の鮭缶入りスープをすすり、ヨーグルトをすすり、アイスクリームを舐め、カスタードの残りを舐めて晩ご飯終了でございました。
噛めるということの有り難さを、身にしみて感じていることでしょうな。
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