先日の記事「認知症と終末期と尊厳死」で話題にした、うちの夫が勤めるツールショップの同僚Cさんのお父さんですが、一昨日の夕方に亡くなられました。
認知症が悪化して家族のことも含め多くのことが認識出来なくなっておられたんですが、身体も弱り、先月はベッドからの転落や転倒が続いていたそうです。
1週間ほど前に腎臓が機能しなくなっていることが分かましたが人工透析は不可能ということでした。それに加えて血栓のために下肢が赤黒く変色して腫れ始めました。下肢が壊死して来ていたのですけど、治療は出来ないということでした。
痛みがひどくなり介護施設から病院に移されましたが、治療が出来ないということで病院から「終末期ケアの施設」に移されたと聞いていたのですけど、その翌日に亡くなられたことになります。
おそらく、モルヒネか何かの薬で苦しみを終わらせてもらったんだと思いますよ。お父さんの心臓が自然に止まるまで苦しませ続けるはずがないですから。
Cさんのお母さんも脳のがんのために認知症が進んでいます。記憶の障害が顕著で、覚えていたことが思い出せなくなっていらっしゃいます。もう2〜3か月前のことですが、親しい友人に会った時にその人のことが認識出来なかったそうです。
今はまだ息子であるCさんとコミュニケーションが取れていますが、いつかはCさんのことも認識できなくなるんですよ。自分の意思を伝えることも困難になります。
お母さんも、いずれは介護施設に入るしかないでしょう。
私は、Cさんのお父さんが「終末期ケアの施設」に入られたと聞いた時に調べてみたんですが、終末期ケアは緩和ケアサービス(Palliative Care)の一部で、オーストラリアでは公立病院での医療サービスと同じく緩和ケアサービスも無料なんだそうです。
ヴィクトリア州の緩和ケアサービスについては、「Palliative Care Victoria」のウェブサイトに詳しく載っています。
このウェブサイトには、「緩和ケアとは、生命を脅かす病気や末期の病気を抱えて生きる人々が、できるだけ充実した快適な生活を送れるように支援するケアです」と書かれています。
終末期ケアと緩和ケアとでは病気の治療を行うかどうかという点で違いがあるようですけど、ほぼ同じ意味で使われているように思います。
ヴィクトリア州の緩和ケアは、次のようなサービスを提供しています。
- 痛みやその他(吐き気や息切れなど)の症状の緩和
- 在宅介護に必要な機器などの提供
- 家族が集まってデリケートな問題について話し合うための支援
- 将来の治療決定とケアの目標計画
- 在宅介護や経済的支援など他のサービスへのリンク
- 文化的(宗教的)な道徳責任を果たすための支援
- 感情的、社会的、精神的な懸念に対する支援
- 家族の心痛に対するカウンセリングとサポート
- レスパイトケア(介護をする家族が一時休養するための介護サービス)の紹介
緩和ケアサービスは、病院、ホスピス、介護施設、あるいは在宅で受けることができるそうです。
基本的に無料ではあっても、公立病院での医療サービスが有料になる場合があるのと同じように、サービスの内容によっては経費が発生する可能性があるそうです。
私はこれまで何度も公立病院に入院したり手術や治療を受けたりしましたし、息子も娘も公立病院で出産しましたが、いつも無料でした。1ドルも払っていません。
終末期ケアも無料だということを知って、少し安心しました。いずれ私もこうしたサービスのお世話になるかもしれませんからね。
経済的に恵まれていない人も医療サービスや終末期ケアサービスを受けられるということですからね、ちゃんと税金を払おうという気持ちになりますよ。
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