2024年2月3日

アンブローズ尊厳死で逝く

「16歳の老犬アンブローズ」という記事で書いたアンブローズが、昨日の午前10時に亡くなりました。

やはり痛みがひどかったようです。関節炎の痛みがひどいのだろうと医者には言われましたが、内臓に病気があったのかもしれず、どこがどのように痛かったのかは分かりませんけど、アンブローズは痛みで苦しみ続けたようです。

飼い主のカップルは、つらい決断をされました。決断をされた一番の理由は、これ以上苦しませたくないということです。

カップルのお二人はどちらもフルタイムで仕事をされているのですけど、最後の2日間はお二人とも仕事を休んで、痛みに苦しむアンブローズには薬を飲ませて痛みをラクにしてあげて、アンブローズが好きだった公園などいろいろな場所に連れて行って幸せな時間を作ってあげたそうです。

我が子のように可愛がって来られたわけで、大事な家族だったのですからね、最期の時を自分達が決めてお別れをするのはつらいことですよ。

でも、それは倫理的に正しいことだったと私は思います。


安楽死については賛否両論があります。ペットがどんなに苦しんでいても、最期まで全うさせるべきだという考え方の方もいらっしゃるでしょうが、私はそれは飼い主である人間のエゴだと感じます。

このブログでは「尊厳死」という話題を何度も取り上げました。

何年か前に、うちの夫の親しい友人がガンで亡くなった時に「尊厳死を考える」という記事に書きましたが、夫の友人は末期がんで、食事も不可能になりチューブにつながれてベッドに横たわる以外何もできない状態になった時に、まだ自分が自分であるうちに自分の人生を終わりたいと考えていたんです。

当時は、まだヴィクトリア州では「本人の意志による死の選択」が合法化されていませんでしたが、友人は良い医者に恵まれたのです。その医者は、終末期の患者が尊厳死を望む場合、法律にふれるぎりぎりのところでリスクを覚悟で患者と家族を援助することを使命と考えている人でした。

おかげで、友人は自分が望んでいた通りの安らかな死を迎えることが出来たんです。その時のことは「尊厳死で逝った」という記事に書きました。

最期の数カ月間、家族がいなかったその友人の世話をして最期を看取ったうちの夫は、病院から帰って来て泣きましたよ。

大切な友人を失った悲しみはもちろん大きかったですけどね、その死に方には満足したと言っていました。あのように、安らかな死を迎えることが出来たこと、それを可能にしてくれた医者に感謝して泣いていました。

アンブローズも安らかな尊厳死だったと思います。動物保護施設からカップルに引き取られて、とても幸せな一生でした。



お帰りの前に1クリックを!



0 件のコメント:

コメントを投稿