2024年2月1日

遺伝性の黄斑変性

昨日は、うちの夫の目の検査に一緒に行って来ました。

一年に1回、いつもは4月の誕生日の頃に検査を受けて、遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」の進行具合をチェックしているわけですが、今年は少し早めに行きました。

映画館のような薄暗い場所でものが見えないことや、明るい場所でも見えていないものにつまずいて転倒する事故が起きるようになって来たので、本人も病気の進行具合が気になったのでしょう。

勤めているツールショップのコンピューターの画面が見えにくくなって来たとも言っていますし、スタッフやお客さんの顔の認識が難しいと感じることもあるそうですから、必要なら新しいメガネを作らなくてはいけません。

いつもなら、私は眼科医のいるメガネ屋が入っているショッピングセンターまで送って行くだけなんですが、昨日は一緒に診察室に入り夫が検査を受けるのを見ました。

オーストラリアでは、視力検査はアルファベットが基本です。壁に映し出されたアルファベットを声に出して読むのですけど、うちの夫は視野の中心部が見えなくなっていますから、文字に焦点を当てると見えません。

だから頭をいろいろ動かして、文字ではない別の所に焦点を当てて視野のまだ見える部分を使って読んでいました。あんなに頭を動かさないと見えないのかと、私は少し驚きました。

KとX、CとOといった見た目が似た文字の違いは分かりにくいようでしたけど、OをXと言っていたのには驚きましたよ。全く似ていないのに、どうしてOがXに見えるんでしょうか。何度も間違えていましたから、OがXに見えるんですよ。

毎年の検査で眼底の写真を撮ってもらっていますが、これは昨日撮った写真です。


放射線状の細い血管が集まっている大きな黒い丸は、視神経が集まって束になっている部分で、ここには光を感じる細胞が無いので「盲点」と呼ばれます。

黒い斑点が細胞が死んでいる部分です。視野の中心となる黄斑部が黒い斑点だらけです。その周囲にも小さな黒い点が無数にあります。

眼科医の方が拡大して見せてくれた写真では、10ヶ月前に撮った写真と比べると、黒い斑点が大きくなって隣りの斑点とつながったり、新しい斑点が出来たりしているのが分かりました。

特に右目が悪化しているとのことでした。


私のブログをお読み下さる方から黄斑変性の治療法についてコメントを頂くことがあるんですけど、夫の「スターガルト病」と一般的に知られる黄斑変性とは違うんです。

黄斑変性という病気について調べると、ほとんどの場合は加齢黄斑変性という病気について書かれています。これは老化によって網膜の働きが衰えて、ものを見る部分である黄斑部の細胞や組織に異変が生じるわけです。

加齢による黄斑変性には「萎縮型」というのと「滲出型」という2種類があるそうで、治療法や進行をくい止める方法も研究されているようです。早期に発見することで、被害を最低限に抑えることができる場合もあるそうです。

ところが、うちの夫の黄斑変性は「スターガルト病」と呼ばれる遺伝性の黄斑変性なんです。網膜の細胞が死んでいくことが遺伝子で決まっているわけでして、治療法は無いのですよ。早期発見しても、出来ることは見えなくなる時に備えることだけだと言われました。

病気の進行がゆっくりなので助かっていますが、この10ヶ月で明らかに悪化したと感じています。黄色をオレンジ色だと言ったり(色の認識)家の中に煙が充満していると言ったり(光の加減で白っぽく見える)したこともありました。

一番の問題は、明るくないとものが見えなくなったことです。これから日が短くなると困ると思います。

歩いて通勤していますからね、朝と夕方の通勤時が暗くなると道路がよく見えないから危ないと思うんです。街灯だけでは不十分なので、懐中電灯で道を照らしながら歩かないといけないと思います。

必要なら杖を買うと夫は言っています。見えていないものにつまずいて転倒する可能性がありますからね。

また1年後に検査を受けますが、どの程度悪化するかが気になります。


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