うちの夫がどこかの誰かに腎臓を一つ差し上げたいと希望して、一昨年から様々な検査を受けて来たんですが、問題が見つかる度にさらに検査が必要になりましたし、肥満も問題になって減量を命じられもしました。
遠くの病院まで送り迎えするのも、減量のための料理を毎日準備するのも、大変だったんですよ。
一連の検査が始まってから2年近くになります。つい先日、ついに手術日が8月10日と決まり大興奮した夫が家族や親戚や友人達に電話をしまくったばかりなんですけど、8月10日の話は無くなったんです。
9月に延期になったと聞いていましたが、9月の話も無くなりました。
そしてまた連絡があり、手術は10月に延期になったそうですけど、もう当てにしちゃあいけませんよ。これもまた変更になる可能性が大きいですから。
詳しいことは「腎臓摘出は8月10日」という記事を読んでいただきたいのですけど、夫の腎臓提供によって少なくとも12人の患者さんの生体腎臓移植手術が行われることになっていて、もちろん12人の手術が同時に行われるわけでは無いですけど同時期に行われるので、12人の患者と12人の提供者が関わっているわけです。
大勢の人が関わっていますから、そのうちの誰か一人でも何らかの問題が生じると手術に支障が出るらしいです。
大興奮していた夫はもちろんガッカリしていますが、私は全く驚きもしませんでしたしガッカリもしませんでした。常日頃、私は夫が言うことを本気で聞かないようにしているのです。夫が言うことは、往々にして言った通りにはならないからです。
これはね、30年近い経験から身につけた自己防衛なんですよ。
うちの夫は、一時期パニック障害で苦労したんですけど、それが治った後から非常に元気になって、人が変わったように活動的になりましてね、しょっちゅう大風呂敷を広げるようになったんです。
当時は双極性障害の躁状態だなんて思いもしなかったですし、双極性障害1型の激しい躁状態に比べると夫の躁状態は実に穏やかなもので、特徴は「元気過ぎる、すごいアイデアを次々に思い付いてムチャクチャ活動的になる、へっちゃらで大金を使う、怒りやすくなる」くらいなものでしたから、パニック障害だった頃の様子に比べるとむしろ好ましく思えたくらいなんですけど。
「すごいアイデアを次々に思い付く」というのがクセモノでね、思い付くだけではなくて計画を立て実行に移しますから、その段階で大風呂敷を広げるのですよ。明らかに楽観的過ぎる、上手く行くわけがないと思うようなことも思い付くんですけど、素晴らしいことも思い付いて成し遂げましたよ。
その間、家族のことなど眼中にないですから、家事は全て私、ワンオペ育児で疲労困憊しているのに、人を勝手に食事に呼んだりするからホントに腹が立ったものです。
地域の皆さんに役立つことに取り組んでいた時は私も我慢していましたけどね、私のメンタルもだんだんおかしくなって行きました。逃げる場所が無かったのでホームシックになり、無理をして日本の実家に子供達を連れて帰ったら、実家ではもっとつらい目に遭って絶望したりもしました。
その後ですよ、私がうつ病になったのは。
それはともかく…
夫が大風呂敷を広げたのはいいけど、それが大ぼらを吹いただけで終わることが度々でしたから、夫が言うことに一喜一憂して振り回されると疲れますからね、だんだん本気で聞かないようになったんです。
例えは悪いですけど、狼が来るぞと嘘をついて人々の信用をなくしたオオカミ少年みたいなものです。
時々すごく嬉しくなるようなことを思いついたり言ってくれたりするんですけど、それがしょっちゅう言っただけで終わるのでね、そりゃあ私も本気で聞かなくなりますよ。
今週の水曜日には、衣類乾燥機を直すと言いました。
直す直すと言い続けて何年も経っています。そんな夫をうちの娘が買い物に連れ出して、修理するためのベルトを買って来たのは2週間ほど前でしたが、私はもう何も期待していませんから何も言いませんでしたけど、「今日こそは乾燥機を直す」と言ってくれたから水曜日はちょっと嬉しくなりました。
冬場にシーツを洗うのをためらう理由は、干す場所が無いので乾かすのに苦労するからですけど。やっと苦労が減ると思って期待しちゃったのが間違いでした。
やっぱり何もしませんでしたからね。
するつもりもないのに言うだけ言うんでしょうか。その時は本当にするつもりで言うんだけど、面倒くさくなるのでしょうか。それとも忘れてしまうのでしょうか。自分にとって大事でないことはすぐ忘れますからね。
さて、今日は土曜日。夫は仕事が休みですけど、衣類乾燥機を直すでしょうかね。
お帰りの前に1クリックを!
0 件のコメント:
コメントを投稿