2023年5月24日

ごみ屋敷で見つかった指輪

ごみ屋敷と言っても、ごみ屋敷化している我が家のガレージのことじゃありません。今日の話のごみ屋敷というのは、正真正銘ホンモノのごみ屋敷です。

昨年のことですが、うちの息子があるごみ屋敷で指輪を見つけまして、自分はそんな物はいらないからと私にくれたんです。

これね、話せば長い話なんですけど、うちの夫の父親は中国人の女性と再婚したんですが、この中国人の奥さんにはXさんというおじいさんの友人がいました。

Xさんも中国人ですが、この方は中国にもオーストラリアにも身寄りがなくて、夫の父親の奥さんが唯一の友人だったそうなんです。

格安の家賃で住める公営のアパートに一人で住んでいましたが、このアパートがまさにごみ屋敷だったそうです。

Xさんが困った時には夫の父親の奥さんが助けていたそうで、何かあった時のためにとアパートの合鍵も渡していたそうです。

暮らしに困窮されていたわけではなくて貯金もあったそうなんですけど、貯金は全て現金で持っていて、アパートのいろんな所に隠してあると言っていたそうです。

自分が死んだらお金は全部あげるから後のことを頼むと夫の父親の奥さんに言っていたそうですが、アパートのどこに隠しているかは言いませんでした。

そのXさんがお亡くなりになったのです。

公営のアパートに住む身寄りのない方が亡くなると、他人が勝手にアパートに入って物を持ち出すことはできなくなりますから、亡くなりそうだということが分かってから隠している現金を取りに行ったそうです。

奥さんは、何度かXさんのアパートに行ったことがあり、散らかっていることは知っていましたが、この時は衝撃を受けました。

アパート全体がごみ屋敷だったからです!

すべての部屋が物で埋め尽くされていただけではなく、ごみや腐った食べ物もたくさんあったので、隠している現金探しは非常に困難だったそうで。途方に暮れた奥さんは、仕事をしていなかったうちの息子に手伝いを頼んだのですよ。

アルバイトとしていやいや引き受けたうちの息子は、何百ドルだかの現金を見つけたそうですが、指輪も見つけました。小さなシルバーの指輪でダイヤモンドみたいなのが付いていました。

夫の父親の奥さんは、その指輪は息子のものだと言いましたのでもらって帰りましたが、指輪なんて要らないので私にくれたんです。

私も他人の指輪なんて欲しくないし、そういう状況で見つかった指輪ですからもらうのも嫌だったので、そのまま引き出しに入れていました。


そしてこの度、家の中の持ち物を減らすためにいろんな物を処分して、売れるものは売っているわけですけどね、その指輪を処分するために「本物」なのか「偽物」なのか調べてみることにしたんですよ。本物なら売れるかもしれませんから。

拡大鏡を駆使して指輪の内側に何か刻印されていないか見てみたら、刻印されていました。

「G18K◯◯」「D0192ct」と刻印されていました。「◯◯」のところは認識できなかったのですけど漢字のようでした。中国製の指輪だと分かりました。

どうやら18カラットの金製で0.192カラットのダイヤモンド付きということらしいので、腰痛もほぼ治った昨日、売りに行ったんです。

最初に行ったのは宝石店。ジュエリーの販売だけでなく、修理やクリーニング、オーダーメイドの指輪デザイン制作なども手掛けているリングウッドの宝石店に行きました。

宝石店の方は特別な道具を持っていらっしゃいますからね、刻印も簡単に読み取ることが出来ます。私が思った通り18カラットの金製で0.192カラットのダイヤモンド付きであると刻印されていることを確認してくださいました。

特別な道具でダイヤモンドが確かにダイヤモンドであるとも確認してくださいました。でもダイヤモンドとは言っても天然石か人工石かは分かりませんし、0.192カラットなんてちっちゃいです。

買い取ってくれますかと聞いてみたら、この宝石店では買い取りはしないとおっしゃいました。他のジュエリー販売店でも買い取りはしないだろうとおっしゃって、質屋とかリサイクルショップみたいなところに持って行くことを勧められました。

すぐ近くにキャッシュ・コンバーターズ(Cash Converters)という質屋があったのでそこに売りに行きました。

指輪の品質鑑定に結構時間がかかりました。最終的には買い取ってもらえませんでした。「G18K」つまり18カラットの金と刻印されているんですけど、疑わしいとおっしゃるんです。

18カラットの金ではない可能性が大きいというわけです。言っちゃあなんですが、私は驚きませんでした。中国製ですから。

この指輪を売るには、ちゃんとした信頼できる鑑定書が必要だと言われました。メルボルンに貴金属の品質を鑑定する場所があると教えてもらいましたけど、そんな所までわざわざこの小さな指輪を持って行ってお金をかけて鑑定してもらっても、品質がイマイチと分かれば、

大赤字ですよ!

孤独な人生を外国の街のごみ屋敷で終えたおじいさんが、どういう理由でこの指輪を持っていたのか、想像するとハッピーなストーリーはちょっと考えられませんよねえ。

早くこの指輪は手放したいですけど、捨てる気にもなりません。欲しい人がいるかも知れないので、マーケットプレースで売りに出してみます。タダであげてもいいです。


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2 件のコメント:

  1. ヒロコさんこんにちは。いつも楽しく拝見しています。金の売買をする場所ですが、私はメルボルン市内で売ったことがあります。コリンズst辺りでした。鑑定書などなくても、その場で本物かどうかとか、含有量(14,18,24金)を調べる機械を使って見てくれて金額を表示されました。そのまま小切手をもらって銀行にデポジットしに行きました。お嬢様はシティー近郊にお住まいなんですよね?最近金の値段も上がっているので、もしかしたら価値のあるものかもしれませんから、聞いて来てもらっても良いのではないでしょうか?僭越ながら、ご意見させていただきました。これからもブログ楽しみにしています。

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    1. コメントありがとうございます。そうですか、コリンズストリートにあるんですか。確かに私はそこまで行くのは億劫ですが、娘が行ってくれるかもしれません。相談してみます。ありがとうございました。

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