先日からずっと私はサバを食べたくてたまらず、買い物に行くたびに魚屋を覗いていました。家から近いイーストランドというショッピングセンター内の魚屋は、私が新鮮な魚を買える唯一の店です。オーストラリアのスーパーではろくな魚は手に入りません。
その魚屋は、いつ頃だったかオーナーが変わったらしく、働いている人が全員アジア人になったんですけど、その頃から店に並ぶ魚の種類が増えまして、以前は滅多に目にすることのなかったサバも時々出るようになったんですよ。
しかし、お店に並んでいるサバはいつも小さ過ぎました。
ところが昨日は、ついにと言うかやっとと言うか、日本でよく目にするサバより少し小さいくらいのサバが出ていました。早速2尾買うことにしまして、フィレにしてくれるように頼みました。「フィレにする」(Fillet)というのは、日本で言うところの3枚におろすことです。
今まで何度もこの店で魚を買っておろしてもらったことがあります。気持ちよくやってくれないこともありました。あからさまに面倒くさそうな顔をする人がいるのですよ。でも頼めばやってくれました。
ところが、
昨日は、レジの若い女の子はちょっと困った顔をして、店の奥の誰かと言葉を交わしてからやって来て、「お腹を洗ってあげることはできるけどフィレにすることはできない」と言ったのです。
私は以前にもサバを3枚におろしてもらったことがあるんですよ、この店で。何故できないの?新しいオーナーの方針?
自分でおろす自信がないので困っていると、後ろの部屋から中国人の女がやって来て、随分偉そうな態度で、怖い顔で私をにらむように「ナントカカントカ、身が壊れるからどうのこうの、ナントカカントカ!」と言いました。
英語のようでしたが、何と言っているのか私には分かりませんでした。
あんだその態度は!それがお客に対する態度か!
と心の中では言ったんですけど、礼儀正しくふるまうことを教育されている日本人の私は言い返せません。臆病者ですしね。
3枚におろしくてくれないのなら買いません!
と心の中では言ったんですけど、「じゃあ自分でやります」と言って買ってしまった私は情けない。
お腹をキレイに洗ってもらうのも頼み忘れて、丸ごとのサバを買って帰ってしまいました。
さあ困った…
私はこういうのが苦手なんですよ。
人生60年以上生きて来て、魚をさばいたことは1回あるか、いや2回ぐらいあるかも、そんなレベルなんです。
結局、3枚におろさずに輪切りにしてから内蔵をきれいに洗い、味噌煮にしたんですけどね、できたサバの味噌煮には地獄のように骨があり食べるのが大変難しい。魚の骨が超苦手なうちの夫や息子の晩ご飯にこれを出すのは止めた方が良いと思いました。
私がお昼ご飯に食べます。
それにしても何なの、あの魚屋の女は!
サバは3枚におろせないうという事情があるんですか?例えば、ある程度の大きさになっていないサバは、おろすのが困難とか?
でもオーストラリアで売られている缶詰のサバは大変小さいですけどね。
味噌煮にしたあとで、YouTube で魚のおろし方動画を見ましたら、自分でもやれそうな気がしました。お腹の中の内臓を引っ張り出して洗ったりするところが難関なんですから、それさえやってしまえば、おろすのはやれそうな気がします。
でも、売っている魚を切ったりおろしたりするのは魚屋の仕事じゃん!
この魚屋ではね、魚のことで質問しても、するだけ無駄なんですよ。この店の人達には魚の知識がほとんどありません。どの魚はどう料理するのが美味しいとか、そういうことはまるで分かっていません。
いつだったか、質問したことがあるんです。すでに3枚におろした状態で売られている魚は、皮も剥がれて元の魚の姿など全く分からず、どれも同じように見えますからね。私はタラ(Cod)のような魚を探していたんですけど、同じような食感と味で、鍋に入れるのに良さそうな魚はどれかなんて、質問した私が間違っていました。
買いに行く前によく勉強しておかないといけません。
お店の人とそういう話ができる、そんな魚屋があったらいいのになあ。
「今日はこんな魚が入っているよ」とか「今はこの魚が美味しいよ」とか「こうやって料理するといいよ」とか、そういうことをお店の人が教えてくれたりね。
まあ、とにかく魚屋にもがっかりしたけど、骨だらけの味噌煮にもがっかりしました。骨がついたままの輪切り状態で味噌煮にするには、酒や味噌がたくさん必要で無駄になります。3枚におろしてもらった状態だとフライパンでできて材料も少なくて済みますし、食べやすいからそっちの方が好き。
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