おかげで安心して娘が植えたチェリーの木やクルミの木に水やりをしたんですが、草地がちょっと大変なことになっています。
ウンチがね、そこら中に落ちているんですよ。一体どのくらいの頻度で落としているのか知りませんけど、すごい量なんです。地面をよく見ながら歩かないと危険ですよ。
やはり我が家に住んで欲しくないですね。今朝は姿が見えません。
ところで、
昨晩は久しぶりに映画を見ました。
近年映画やテレビドラマをめったに見なくなった私ですが、見たいと思う映画やドラマがあまり無いというのもありますけど、うちの夫がとにかく常にテレビの前に座って毎日何時間も見ていますからね、その姿に辟易しているので私はテレビの前に座りたくないのです。
しかし、昨日は見ました。
「CODA」という映画です。邦題は「コーダ あいのうた」だそうです。
この映画は、昨年1月のサンダンス映画祭で話題になり、アップルがサンダンス映画祭史上最高額となる2,500万ドルでこの映画の配給権を獲得したというニュースを聞いてから、かれこれ1年以上もずっと見たいと思っていたのですが、オーストラリアでは見る機会がなかったんです。
先日この映画がアカデミー賞の作品賞を受賞しました。作品賞だけではなくて脚色賞と助演男優賞も受賞しました。
アカデミー賞を受賞したんですからオーストラリアでも見るチャンスが増えるに違いないと期待していたら、うちの夫が「アップルTV+」を契約してくれました。最初の7日間は無料ということなので、「CODA」を無料で見た後で解約しようという手はずです。
ちなみに、私は以前あるドキュメンタリー番組が見たくて、最初の1ヶ月は無料という「アマゾンプレミアム」に契約したことがありますが、うっかり解約するのを忘れて次の月分の料金を引き落とされたことがありました。気がついてすぐに解約したら引き落とされた料金は返金されました。
うちの夫は、「Netflix」や「Stan」などいろいろ配信サービスと契約していますので、もうこれ以上こういうものにお金を使うのは止めてもらいたいのです。
それはともかく、
この映画「CODA」ですが、いい映画でした。途中何度か号泣しました。着ていた長袖Tシャツの袖が濡れましたよ。
皆さんもうご存知かもしれませんが、「CODA」というのは「Child Of Deaf Adult」すなわち「聴覚障害の親あるいは保護者を持つ子供」のことです。
この映画で、聴覚障害者の家族の中で唯一の健常者である主人公のルビーを演じたエミリア・ジョーンズさんの演技が素晴らしかったです。出演が決まってから歌と手話のトレーニングを受けたそうですが見事でした。今後の活躍が楽しみな若い俳優さんです。
アカデミー賞助演男優賞を受賞した父親役のトロイ・コッツァーさんは、役得というやつかと思っていましたが、確かに受賞に値する演技でした。この方の演技に私は何度も涙腺崩壊したんです。
出演している俳優の皆さんの演技はどれも素晴らしかったです。私は、合唱団の指導をする先生役の方も好きでした。
演出も編集も良かったと思います。ストーリーはよくある話なんですが、聴覚障害者の普通の暮らしを描いている点は興味深かったです。
ルビーが所属する合唱団のコンサートの場面で、音が全く無くなる演出があるんですけどね、コンサートに来ているルビーの両親や兄はこういう状態なのだということがよく理解できる場面でした。
聴覚障害を持つ両親は、通訳として自分達と外の世界をつないでくれる娘に依存しています。父親と兄が営む漁業も耳が聞こえるルビーの助け無しでは成り立ちません。
物心ついた時から家族に対する責任感を感じ、通訳としての務めを果たして来たルビーですが、合唱団の先生に歌の才能を認められて音楽の道に進みたいと考えるようになります。
娘に依存している親は娘がいなくなることは考えられません。経済的に苦労している家族を助けるために自分を犠牲にすることを選びかけるるルビーですが、さあどうなるかという話は良い結末を迎えるに決まっているんです。
見終わって気分が良い映画です。
通訳である娘に依存していた聴覚障害者の両親が、通訳を失った後、どう社会と関わっていくのかという所に興味があります。娘が頼りだったコミュニケーションは、娘がいなくなれば自分達で何とかするしかありませんからね。
今の時代は、何とかするために利用できるツールがいろいろありますよ。スマートフォンもそうです。チャットなんていうのに慣れているうちの息子や娘は、ものすごいスピードでテキスト入力できますからね、あれは有効なツールですよ。
おそらく最も重要なのは、自分からコミュニケーションを取ろうとする積極的な姿勢でしょう。それさえあればコミュニケーションはできるはずですし、周囲の人々が手話を学ぼうとしてくれる可能性も大きいです。
聞こえなくてコミュニケーションが取れないから周りの人々と積極的に関わろうとしない親達も、自分達からコミュニケーションを取ろうとすれば周囲の人々は変わって行くはずなんです。
私だって、もしも聴覚障害者の知人ができれば、手話を学びたいと思いますよ。
親はね、自分たちの都合に利用するために子供を生んで育てるのではありませんから、子供の選択の自由を制限するべきではありません。
子供が才能に恵まれていて、それを生かす道に進みたいと考えていれば、応援してやるのが普通ですよ。
障害のある親のもとに生まれて来たのは運命なんだから仕方がない、我慢して親の面倒を見るしかないという考えは間違っています。子供達は皆んな自由に自分の人生を生きる権利があるんです。
「CODA」はいい映画でした。
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