めまいと言ってしまうと、あの時どんな状態だったのかが正確には伝わらないと思うんですよ。あの時のめまいはね、揺れる船の上でフィギュアスケートの選手かバレエダンサーのようにくるくるとスピンをしてから急に止まったらどうなるかを想像していただけると、少しは分かっていただけると思います。
見るものが高速回転しているので、目を開けていることも困難でしたし、立つことも出来ませんし、吐き気がひどくて飲んだ薬も吐いてしまうありさまで、とても怖かったです。
原因は、右側の前庭神経炎、すなわち平衡感覚のコントロールをしている内耳と脳をつなぐ前庭神経の炎症でした。何でそんな所に炎症が起きたのか分かりません。
脳神経科の病棟に4日間入院しました。
退院後は自宅で療養して、時間はかかりましたがめまいは治ったんですけど、今でも時々ふらつくことはあるんです。
そのふらつきが、最悪のタイミングで起きたというのが今日の話。
先日、QPマヨネーズを探し回った日のことですよ。スーパーやアジア食品店をいろいろ回ってもなかなか見つけられず、何としても見つけるぞと意地になっていたあの日。
最後の頼みの韓国食品店に行く前に立ち寄ったミッチャムという町のスーパーでのことです。買い物客は少なくて、大変静かなお昼前でした。
店内に入ってすぐの所にある野菜コーナーを歩いていたんです。向こうからお店のスタッフが箱をたくさん乗せた大きなワゴンを押しながらやって来ました。
その人は通路の左側をやって来ましたから、右側を歩いていた私とはすれ違うのに十分な距離はあったんです。
ところが、
まさにすれ違おうとしたその時、
異常な様子もなく普通に歩いていたであろうこの私が、まったく突然にふらついて、こともあろうに左によろけたもんだから、まるでワゴンの前に身を投げたような形になってしまいまして。
一瞬のことですし、よろけただけで転んだわけではないんですけど、ワゴンを押していた中年のおじさんは急停止。髪の毛が逆立った感じで目をひんむいて、ショックで声も出ないという様子だったんです。
「あ、ごめんなさい!ホントにごめんなさい!」とあやまる私に、おじさんは目をまんまるにして口を開けたまま、しばらく立ち尽くしていました。
「ふらついちゃって、ホントごめんなさい!」
私は繰り返しあやまったんですけど、おじさんは胸に手を当てていて、心臓発作寸前という感じでね。
あれは相当びっくりしたんでしょうね。
本当に申し訳なかったと思いました。
わざとやったんじゃあないんです。これからは気をつけます。いつふらつくかなんて私にも分からないんですけど。
そう言えば、つい最近パン屋の前でふらついて、前から来た若いお母さんが思わず両手を広げたことがありました。私が転びそうになったと思ってのとっさの反応なんですね。あの若いお母さんは、助けようとしくれたわけですよ。
いやあ、このふらつきって、いつまで続くんでしょうか。
昨年のクリスマス前には、義母(夫の母親)もめまいで入院しました。義母のめまいがどのようなものだったのかは分かりませんが、病院に運ばれたのですからひどかったのでしょう。
私はCTスキャンをすることになったんですが、以前頭痛がひどくてCTスキャンを受けようとした時に造影剤を注射し始めたら痒くなって検査を中止したことがあると言ったらCTスキャンは出来ないと判断されたので、MRI検査をしました。
特に問題は見つからなかったようですが、右側の前庭神経に炎症があるということは分かったらしいのです。
義母はCTスキャンをして、脳に腫瘍があることが分かりました。その腫瘍がめまいに関係しているんだそうです。
その腫瘍というのは癌とかそういう悪いものではないそうですが、切って取り出すことも出来ないのか、腫瘍はそのままにするんだそうです。ですからね、これからも時々目が回るんだそうですよ。
それはツライでしょう。
私はね、一応めまいは治りましたけど、何かの拍子に時々あのめまいが再発しますと言われたら、残りの人生真っ暗です。
あんなに高速回転していると、ものを見ることが出来ませんし、歩くことが出来ませんからおトイレにも行けませんし、食事もできません。目を閉じて寝転んで吐き気に耐える以外には何もできないんですから。あの恐ろしいめまいは二度と経験したくないです。
義母のめまいが私のめまいほどひどくなければ良いのですけど。
0 件のコメント:
コメントを投稿