2021年4月27日

神様は守ってくれない新型コロナ

新型コロナ対策として、まさに「鎖国」ともいえる政策を続けるオーストラリア。

国民及び永住者が海外に渡航するには、政府からの許可を得る必要があると聞いていました。どのような理由があれば許可となるのか、詳しいところは知りませんでしたけど。

ところが、先日、新聞のヘッドラインを見て驚いたんです。

結婚式のためにインドへ渡航するのを許可するなんてNutsだ!

この「Nuts」というのは「いかれてる」とか「気が変だ」とか「クレイジーだ」とかいう意味です。発言したのは西オーストラリア州の首相。

西オーストラリアでは、新型コロナ陽性と分かった帰国者から市内に感染が広がった可能性があって、再び3日間のロックダウンとなりました。この3日間に大規模な接触者の追跡とPCR検査が行われて、感染したかもしれない人々の移動を封じたのですけど。

この感染していた帰国者というのがですね、結婚式でインドに渡航して帰って来た人だったというのです。

インドは、現在とんでもないことになっているんですよ。

3日間で新規感染者が1000万人を超え、死者も発表されているだけで連日2000人を超えているんですよ。

そういう国への渡航が「結婚式」という理由で許可が出るのかと、開いた口が塞がらなくなったのは私だけではなかったようで、現在インドへの渡航を規制するべきだという声がオーストラリア国内で高まっていますが、当然です。

南オーストラリア州でも、帰国者の中から一日で14人も感染者が見つかりました。帰国者の受け入れ数を再び減らすべきだという声が高まっていますけど、賛成です。

そもそも、海外への渡航が許可される人達が結構いるというのが問題なんですよ。

ニュージーランドとか一部の国を除けば、まだまだ世界中で新型コロナの感染が続いているんですからね、そういうところへの渡航を許可して、それらの人達が帰国するとウイルスを持って帰ってくるのは確実じゃあないですか。

ただし、その結婚式でインドに渡航した人ですけど、渡航許可を申請した頃のインドはそれほど心配な状況ではなかったとも言えます。

グラフを見てみると、今年に入ってからは感染者が減っていました。2月の頃には一日の新規感染者数は1万人台でした。1万人は実はすごい数ですけど、それまで数万人の新規感染者が出ていたので「減ってきた感」は大きかったでしょう。

一日の死亡者も100人前後でした。100人もすごい数ですけど、それまで毎日1000人以上亡くなっていたので、100人を下回るようになって新型コロナを克服したという雰囲気が広がったそうです。これで人々の気が緩み、政府も規制を緩めたのです。

大規模結婚式も再び行われるようになり、クリケットの試合に観客が集まるようになり、今月始めには、皆さんもご存知のようにヒンズー教徒のお祭り「クンブメーラ」も許可されて、数百万人の巡礼者が集まったそうです。

このお祭りは、ガンジス川などの聖なる川で沐浴して贖罪儀式を行うものです。多くの人は聖なる川で沐浴すれば神様が新型コロナから守ってくれると信じていたのだとか。

神様は防疫の役には立ちません!

インドでは、医療用酸素の不足で、死者が激増すると見られています。

このような状況のインドに対して、オーストラリア政府が援助をするのはよろしいけどね、人々が渡航するのを許可してはダメでしょ!やむを得ない理由で渡航するのを許可するのは仕方がないとしても、帰って来るのも許可しちゃあ問題ですよ、今は!

インドでは新型コロナウイルスの変異株が結合した二重変異株が拡大する中で、三重変異株も見つかっているんですよ。

メルボルンは、大きな経済被害を出しながら何ヶ月もロックダウンして、ついに新型ウイルスゼロになって、普通の暮らしができるようになっているんです。再びウイルス感染者が出るとすれば、それは感染した帰国者からの感染です。

2週間のホテル隔離は続けられていますし、帰国前のPCR検査陰性証明も義務付けられていますし、市内への感染が起きないように厳重な防疫対策が講じられているそうですけど、それでもいつどんな不注意や事故が起きるか分かりませんから。

インドからの入国は当分禁止にするべきです。

それとね、

ウイルスによる感染症を防ぐのに神様を当てにしてもダメですよ。


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