2021年4月28日

ポートアーサー事件から25年

風邪を引いてからちょうど3週間となった昨日は、くしゃみが軽く100回以上出まして、苦しいというよりももう泣きたい気分でしたが、風邪の症状は無くなっていましたから、まるで春の花粉症のくしゃみと同じように感じました。

抗ヒスタミン薬を飲んだ後、楽になったので心配でした。

楽になったのに心配ってどういうこと?

秋の花粉症になったかもしれないと思ったからですよ。

私の春の花粉症は、草の花粉へのアレルギーですけど、オーストラリアに住むようになって最初の2年間くらいは、何の問題もなかったんです。日本にいる頃も花粉症知らずでした。

それが、ある日突然くしゃみが出始めたわけでして。

秋の花粉症が始まったのだとしたら、

私はどうやって行きていけば良いのかと…

今日は、お天気も良く、湿度も低く、風邪の症状もなく、くしゃみが1回も出ていません。どういうことなんだかサッパリ分かりませんが、体調は95%くらい戻った感じで気分は良いです。

我が家のワトルの木は今年もボケて、3月下旬からチラホラ咲き始めましたが、今日はこんな様子です。


明日からしばらく気温が20度台の日が続くそうですから、満開になるかもしれません。

ちなみに、何度も書いていますけど、ワトルの花は春の到来を告げる花なのでして、本来は冬の終わりに咲くのですけど、メルボルンは現在秋でございます。冬はこれからやって来るのです。

ところで、

今日はテレビでもラジオでも話題なのがポートアーサー事件です。詳しいことは、ぜひ「銃規制、オーストラリアの選択」という記事を読んでください。

タスマニア州の州都ホバートに近い観光地のポートアーサーで、若い男が無差別に発砲して35人もの人を殺した事件です。オーストラリア犯罪史上最悪の大量殺人事件となったそのポートアーサー事件から、今日で25年なのです。

毎年4月28日にはポートアーサー事件が話題になりますが、報道の焦点はこの事件の後に起きたことなんですよ。

事件の後、当然銃規制を求める声が高まったわけですが、保守政権だった当時の連邦政府が、ハワード首相の強いリーダーシップにより事件からわずか12日でミリタリータイプのセミオートライフルの輸入と販売の禁止を決定しました。

その後、国全体で厳しい銃規制を導入し「National Firearms Buyback Scheme」と呼ばれる政府による強制的な銃器の買戻しがおこなわれて、半自動式ライフルやポンプアクションショットガンをはじめ、ハイパワー拳銃やミリタリータイプまで合計66万以上の銃器が連邦政府により買い戻されたのです。

一般社会に銃器を所持している人がほとんどいないという状況になりましたので、銃による犯罪や自殺が激減しました。

この25年間、オーストラリアではポートアーサー事件レベルの大量殺人事件は一件も起きていません。

銃犯罪が日常茶飯事的に頻発する米国のニュースを聞くたびに、オーストラリア人はポートアーサー事件後の銃規制導入を振り返り、あれが正しい選択だったことを確信するのです。

そして、リーダーシップを発揮した当時のジョン・ハワード首相(保守政党である自由党の党首)とティム・フィッシャー副首相(支持基盤が農家である国民党の党首)が、支持者や他の議員達からの凄まじい大反対にもひるまずに、銃規制を導入して強制的な銃器の買戻しを行ったことは、永遠に語り継がれることでしょう。

ティム・フィッシャーさんがおっしゃった言葉は今でも忘れませんよ。

我々は正しいことをしなければならない!

次の選挙で負けるかもしれないとか、党首の座から失脚するとか、そういう政治的懸念に左右されなかったですからね。フィッシャー人形を吊るされたり燃やされたりして脅迫されましたけど、銃規制支持の姿勢を貫きました。

そして、25年前のあの時、オーストラリアが正しいことをしたということは、歴史が証明しているのです。

 
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