2021年4月30日

アポロ11号の月面着陸と羊の関係

アポロ11号の乗組員の一人だったマイケル・コリンズさんがお亡くなりになったというニュースがありました。

月面に降り立ったニール・アームストロング船長とバズ・オルドリンさんに比べると知名度が低いですが、私はこの方をコリンズ操縦士として記憶しています。

司令船「コロンビア」の操縦士だったコリンズさんは、ひとり司令船に残り、月を周回しながら月面から二人が帰って来るのを待ったのでした。

ちなみに、私はアメリカのスミソニアン博物館だったと思いますけどアポロ宇宙船を見たことがあります。宇宙船とかね司令船と聞いて想像するのとは大違いでしたよ。とにかく小さいんです。そして宇宙飛行士達の座席がある居住空間となる部分はですね、とにかくもうものすごく狭いんです。

その狭さを見ただけで、宇宙飛行士達はすごいなと思いましたよ。

それはともかく、

アポロ11号の月面着陸は1969年のことです。私は小学校の3年生でした。カラーテレビを持っていた我が家に近所の人達が打ち上げの様子を見に来た覚えがあります。

有名な人類初の月面着陸は、7月20日のことでした。

切り離された着陸船が月面へと降りて行き、着陸に成功し、人類史上初めて月面に降り立ったアームストロング船長が「小さな一歩だが、人類にとって偉大な飛躍だ」と言ったんですよね。

この一部始終が世界中に衛星中継されたのです。月面からの映像は白黒の不鮮明な映像でしたが、月からの生中継なんですからね、これを世界中の人々が固唾を飲んで見守ったわけです。

この月面着陸の衛生中継に、ある名前も知られていないオーストラリアの天文台が関わっていたことを知っている人は少ないでしょう。

私もオーストラリアに来てその話をテレビで見るまでは知りませんでした。

月面着陸の映像を受信するという重要な役目を果たしたのは、ニューサウスウェールズ州の内陸部にある、羊の数のほうが人よりも多いとも言われる田舎町パークスから北に20キロ行った所にあるパークス天文台でした。

当時のパークス天文台です。画像はCSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)からお借りしました。


アポロ11号の打ち上げのスケジュールがずれたため、米国からすると月が地球の裏側にあって電波が届かない時間帯に月面着陸を行うことになってしまったのです。そのために、当初予定していたカリフォルニア州の通信施設を使うことができなくなったんですよ。

そこで白羽の矢が立ったのが、直径64メートルの大きなパラボラアンテナを持つパークス天文台でした。

天文台の周囲には、今でこそ木が植えられていたりしますけど、当時はこのように草だけでした。電波の受信にはもってこいという感じですね。

月面から送られて来る映像をその大きなアンテナで受信し、その映像を人工衛星を経由してテキサス州ヒューストンの管制センター送り、そこから世界に衛星中継したそうです。

この話は「The Dish(邦題: 月のひつじ)」という映画にもなっています。興味のある方は見てみて下さい。


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