2021年2月24日

ただ塩をして焼いただけ

一昨日の晩ご飯はうちの娘が作りました。前の晩から水に漬けておいたひよこ豆を、朝からハーブ類を入れてコトコトと煮て、オーガニックショップで買ってきたというあまり辛くない高級品チョリーゾと自ら畑で育てた(わずかしか収穫できなかった貴重な)インゲンを使ったパスタ料理でした。

うちの夫は娘の作った料理には文句は言いません。ただ黙って食べて、入っていたひよこ豆は全部お皿に残していました。

とにかく豆は好きではないのです。

枝豆は文句を言わずに食べますし、チリコンカンに入っているインゲン豆は食べます。潰して何かに混ぜてあったりすると仕方がないので食べます。でも、豆は好きではないので豆料理が続くと大変ご機嫌が悪くなります。

なんと言うか、先入観の問題と言うか、カレー味なら何でも干しぶどうを大量にふりかけて食べるのと同じで、「豆はダメ」と脳みそが凝り固まってしまっているようです。

夫が好きな食べ物は、

ラム肉牛肉豚肉鶏のもも肉!

このブログで度々話題にしていますけど、うちの夫にとってのご馳走は、「肉を焼いたの」と「蒸すか茹でるかした野菜」と「ジャガイモ料理」で決まり。

「肉を焼いたの」というのは、牛肉のステーキか、鶏のもも肉を焼いたのか、ローストしたラム肉か豚肉というのが定番です。

ろくに味付けもしないので料理をする者にとっては超ラクなんですけどね、毎日お肉を食べるのは、環境にも悪いし身体にも悪いしお財布にも悪い。

ですから、私は晩ご飯に「肉を焼いたの」はあまり出しません。

おそらく不満が溜まっているに違いないと思っていたんです。そろそろ「肉を焼いたの」を出さないと、また仕事の帰りに巨大ラムの骨付き肉とか巨大豚バラのかたまり肉とかを買ってきそうな気がしていたので、昨日は肉にしようと思っていたんですけど。

娘が風邪を引いたと言うので、残っていた冷ご飯の消費も兼ねて「雑炊」を作ったのですよ。もち米粉と小麦粉で作ったお団子入りで、野菜もたっぷり入れまして、大変美味しいお醤油味の「雑炊」ができたんですけど。

晩ご飯が「雑炊」では不満大爆発になりそうな気配がありましたので、豚肉も焼きました。ローストしようかと思って買っていた豚バラ肉の塊があったので、夫の目を盗みながら皮や脂をできるだけ取り除き、一口大に切って塩をふって、油も敷かずに、ただフライパンで焼いただけ。コショウもしませんでした。

さて、

「雑炊」と「ただ塩をふって焼いただけの豚肉」を食べた夫が、大声で叫びましたよ。


Oh, that was superb!
Pork was delicious!

ああもうサイコー!豚肉美味しかったあ!


ここまで熱のこもった、心の底から本心で言っている褒め言葉をもらうことはめったにございません。

「ただ塩をふって焼いただけの豚肉」への称賛でございました。

どんなに凝ったお料理も、香辛料やハーブを駆使して味付けや盛り付けを工夫した渾身の一品も、「肉を焼いたの」にはかないません。


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