2021年2月13日

メルボルンは再びロックダウン

メルボルンは、昨晩11時59分から5日間のロックダウンとなりました。

集団感染が発生したのは、先々週見つかった全豪オープンの関係者を世話していたスタッフが働いていたホテルではなくではなく、メルボルン空港近くのホリデーインというホテルです。海外からの入国者の隔離に使われているホテルの一つです。

スタッフの一人が感染しているのが分かり、直ちに濃厚接触者の検査が行われて、これまでに13人の感染が分かっています。そのうちの一人はメルボルン空港のカフェで働いていたそうですから、そのカフェから感染が広がっている可能性があります。

なんでも、新型コロナに感染していた人が薬を霧状にするネブライザーという吸入器を使ったことから、エアロゾル感染が発生したのが原因だそうで、その人と同じ部屋にいた人は全員が感染しており、今後さらに感染者が増えると見られています。

このホテルでは目からの感染も指摘されています。

そしてですね、州の保健省が今回のロックダウンに踏み切った理由の一つが、集団感染となっているウイルスが英国発の変異種だったということなんですよ。従来種より感染力が強いとされ、世界各地で感染が急拡大しているウイルスです。

ウイルスがコピーを繰り返して増えていく中で突然変異を起こすことは、よくあることだそうですが、英国発の変異ウイルスは、感染力が従来種より35~45%も(最大で70%以上という説も)強いそうじゃありませんか。

致命率も高い可能性があると言われています。

このウイルスの集団感染が発生したわけですよ。そして、すでに隔離施設であるホテルの外部に広がっているのは確実だと言うんですから、直ちに対策を講じなければ第3波の感染拡大が発生する恐れがあるわけです。

ということで、

5日間限定ですけど、今回のロックダウンは厳しいです。

  • 4つの理由(食料や生活必需品の買い出し、医療や介護、運動、在宅で行えない場合の労働)以外の目的での外出は禁止
  • 買い出しは自宅から5キロ以内
  • 屋内屋外に限らず家から出る時はマスク着用
  • 世帯間の訪問禁止
  • 集会(人が集まるイベント)の禁止(全豪オープンテニスは無観客となる)
  • 市民生活に必要な商業活動およびサービス活動以外は禁止
  • 在宅で可能な仕事はすべて在宅で行う
  • 学校は休校(例外あり)
  • スポーツ・レクリエーション施設は休業
  • 飲食店は持ち帰りのみ
  • 葬式(屋内屋外)は10人まで
  • 結婚式(屋内屋外)は禁止(例外あり)
  • メルボルン空港に入る国際便はキャンセル
  • 美容院理容院は休業
  • 不動産の見学やオークションなどは禁止
  • 介護施設や病院への訪問禁止

といろいろあります!

要するに5日間できるだけ家から出るなということです。

「市民生活に必要な商業活動およびサービス活動以外は禁止」という点に関しては、詳しいリストが保健省のウェブサイトに載っています。

この週末は、日曜日がバレンタインデーということもあって、結婚式やパーティーや様々なイベントが各地で計画されていて、飲食店やイベント関係の皆さんは、食材の購入や仕込みや飾り付けの花とかいろいろ準備が進んでいたはずでして、これらが全てキャンセルとなると被害がすごいでしょう。

本当にねえ、もうこういう事は起きないだろうと、メルボルンはもう大丈夫だろうと思っていたのに、再びロックダウンとは驚きました。

しかも、メルボルン都市圏全域がロックダウンになっていても驚いたでしょうけど、都市圏どころかヴィクトリア州全域ですよ。

そこまでする必要があるのか…

変異種はこれからもできるでしょう。オーストラリアでは、ワクチン接種はまだ始まってもいませんが、現在あるワクチンが変異種のウイルスにどの程度の効果があるかは分からないようですからね。新しい変異種が見つかれば、新しいワクチンの開発が始まるということなんでしょうけど。一体いつになったらコロナ禍は終わるのか、見通しは立ちません。


こんな状況で、オリンピックを「どんな事があってもやる」ですって?

日本ではすでに、英国発の変異ウイルスが全国各地に広がっているようですけど、検査が十分に行われていないので、感染拡大の実態はよく分かっていないんでしょう?

オリンピックのために外国から選手や関係者を何万人も入国させると、絶対にウイルスも一緒に入ってきますよ。感染力も致死率も高い変異ウイルスが。

メルボルンでは、事前の検査で陰性だった人が入国後の検査で陽性と分かるケースがいくつもありましたし、隔離を厳重にやっているのにスタッフが感染しています。一人が感染すればあっという間に広がります。

世界で新規感染者が毎日何十万人も発生している中で、世界中から何万人もの選手や関係者を入国させて、その人達をどうやって安全に隔離するんですか?その人達の世話をするスタッフの安全をどうやって守るんですか?

大会運営のためには十万人以上のスタッフが必要だそうで、その中から感染者が見つかることは確実ですけど、どう対応するのでしょうか。ある程度の感染者が出ることを想定の上でやるんでしょうか?

日本の暑い夏に、マスクを付けて防護服を来て対応する医療関係者の皆さんのご苦労を想像すると、今からもうお気の毒に感じます。

数あるスポーツイベントの中でもオリンピックは特別なものだと思いますがね、人々の命以上に大切なものはないですよ。


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