2021年2月11日

ドキュメンタリー映画「パーソナル・ソング」

このドキュメンタリー映画のことは以前から知っていましたが、これまで見たことがありませんでした。この映画のことを知ることになったきっかけは、この映画のある一場面をYouTubeで見たことでした。

ヘンリーという名前のおじいさんがいます。認知症を患っており、普段はほとんど他人と意思疎通をしません。介護施設でまるで死んだも同然のような暮らしを送るこのおじいさんが、音楽を聞くことで見違えるように変わる様子を捉えた動画です。


先日、有名な神経学者、オリバー・サックス氏のドキュメンタリー映画ができたことを知って、私がそれを見たいと言っているのを聞いた夫が、間違ってオンラインで購入したのが、このドキュメンタリー映画「パーソナル・ソング」(原題 Alive Inside : A Story of Music and Memory)でした。

オリバー・サックス氏が登場して、音楽が脳の広い領域を刺激して記憶を甦らせることができると解説しますが、彼が登場する時間はわずかです。

この映画は、ソーシャルワーカーであるダン・コーエン(Dan Cohen)という人が、認知症の人達(高齢者ばかりではない)に音楽を聞かせて、その音楽がもたらす改善効果を見せてくれる映画です。

制作には3年間をかけたそうです。

自分が好きだった音楽(ほとんどは歌詞のついた歌)を聞いて、失われた記憶を取り戻し、自分自身を取り戻す様子を追っています。その様子は非常に感動的です。

原題の「Alive Inside」というのは、「死んだように見えるけど内側では生きている」というような意味です。記憶も自分自身も失ってしまっているように見える認知症の人達ですが、彼らはまだ内側にはまだ存在しているんです。そして、音楽がそれを取り戻してくれるんですね。

毎日薬を与えられ、ベッドに横たわったままでまるで植物人間のような状態のおばあさんが、ヘッドホンを付けてもらって音楽を聞くとリズムに合わせて身体を動かし始める様子や、自分を失い混乱して一人では何もできなくなっている女性が、若い頃に聞いていた音楽を聞くと素早く反応し、自分自身を取り戻りして涙を流す様子とか、本当に感動するシーンがたくさんあります。

この映画のことは、どなたかがWikipediaで詳しく解説されていますので、皆さんにはそちらをお読みになることをお勧めして、私がここに解説を書くことは控えますけど、一見は百聞にしかずなので、ぜひ映画をご覧になってください。

認知症を患っている皆さんに、iPodとヘッドホンを提供するのはお金さえあればできるのですが、最も困難な問題は、一人ひとりから好きな音楽、好きだった音楽を聞き出して、それらをプログラムしてiPodに入れる作業です。

映画を見ながら、私は叫びましたよ。

若い人のボランティアを募ればいいのよ!

「そういうのは若い人達が得意なんだから、町のハイスクールとか大学とかにボランティアを呼びかければ、絶対に手伝いたいっていう子は大勢いるわよ!」

そして実際にそうなるんです。

胸が熱くなります。


私もシニアカードをもらったくらいですから、認知症とか老後のことは気になります。

「お母さんが好きだった音楽は何?」と息子に聞かれて、簡単には答えられませんでした。

好きだった音楽はたくさんありますからね。

でも、思い出と強く結びついた音楽といえば、カーペンターズとかアバとかクイーンとか、サザンとかユーミンとか聖子ちゃんとか、考え始めたらいろいろ思い出します。

思い出せるうちにリストを作っておこうと思いました。


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2 件のコメント:

  1. Amazing! So beautiful to watch, thanks for sharing. Inspires me to write my own playlist.

    Gomen ne, nihongo no keyboard dewa arimasen ima.

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    1. I would list my favourite music and songs that relate to my happy & good memories.

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