2021年1月15日

味覚の個人差とチキンカツ

味覚に個人差があるのは、誰もが知るところです。

基本味とされる「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」に関しても、その感じ方には個人差が大きいということを、私は常日頃から痛感しております。

実は昨晩、私は久しぶりに「チキンカツ」を作りました。ある料理を作る予定で買っておいた鶏のむね肉が冷蔵庫に入ったままで、早く使わなくてはいけなかったので、カツにしたのです。揚げ物は家族に好評ですし。

案の定、仕事から帰宅した夫は、私が揚げ物をしようとしているのを見て、

「Deep-fry food(揚げ物)!やったあ!」と叫んだくらいなのでございまして。

夫にとってのご馳走は、「肉を焼いたの」と「蒸し野菜」と「ポテト料理」のコンビネーションですから、昨夜の晩ご飯はまさに夫にとってはご馳走でした。

食べ終えた夫が言いました。

「ああ、美味しかったあ、トンカツ!」
「チキンです」
「え?ああ、美味しかったあ、チキンカツ!」
「これを豚肉だと思いましたか…」
「え?」

こういうことは日常茶飯事なのでしてね。

豚と鶏では味も食感も違うのに。

夫は、唐辛子の「辛味」には敏感ですが、それ以外の味については「美味しい」か「美味しくない」かの味覚レベルなのです。私が「ちょっと今日のコレコレは塩味が強すぎたな」とか「お酢が少し足りなかったな」なんて言っても、さっぱり理解できないのでございます。

味の違いを感じないんですから。

5つの基本味以外にも、人間が感じることができる「味」というのがいろいろありますが、中には感じ方が遺伝的に異なる場合もあるんですよね。

有名なやつでは、コリアンダーがあります。シャンツァイとかパクチーとか呼び名はいろいろありますが、あの野菜を「美味しい」と感じる人がいる一方で、石鹸のように苦くて吐き気をもよおす味と言う人もいます。味覚が生理学的に異なっているので仕方がないんだそうです。

様々な食品特有の味や、「苦味」や「えぐ味」なども、感じる能力に個人差が大きいそうです。私は一部の食品の「苦味」を非常に敏感に感じます。ゴーヤーという野菜は苦くて食べることができません。

特定の味覚物質を非常に敏感に感じる人もいれば、それを感知できない人もいる。我が家ではそれをしょっちゅう目撃するわけですけど、理解はしていても「この味が分からないのか」と驚かされます。

ちなみに、うちの夫は人並み外れた音痴なんですけど、正しい音程で歌えるのが当たり前の私には、なぜそうなるのか理解に苦しむのです。


味覚の敏感さというのは、日頃の食生活や、どのような食品を食べる社会に生きているかという民族的文化的なものも影響しているでしょう。とくに唐辛子の「辛味」に関しては、「よくこんなに辛いものを平気で食べられるな!」という人達がいますからね。

生のハバネロをおやつ代わりにポリポリ食べる南米の国の人達をテレビの番組で見たことがありますよ。取材に行った日本人が、もしかしたらそんなに辛くないのかもしれないと言って食べ、死にかけていましたからね。

味覚は、成長や老化によっても変化しますし、病気の影響もあったりします。

私は、ここ数年砂糖や塩を減らすことを心がけていましたら、以前よりも「甘味」や「塩味」に敏感になりました。お店で売っている食品が甘過ぎたり塩辛過ぎると感じますから、増々そうした加工食品を買わなくなっています。パン屋のパンですら塩辛過ぎると感じることがあります。

それにしても、チキンカツをトンカツと言った夫には、ちょっとあきれました。


お帰りの前に1クリックを!



0 件のコメント:

コメントを投稿