2021年1月13日

米国の騒動で増えた語彙

米国議会では、民主党がトランプの弾劾訴追決議案を議会に提出したそうですね。

トランプがアメリカ合衆国の大統領に選ばれたという考えられないようなことが起きた日からこれまでの4年間で、私は結構英語の語彙が増えました。

良く知らなかったり使うこともなかったりした単語も、毎日のように繰り返しニュースで聞いたり読んだりしていれば、脳みそにしっかりと刷り込まれます。

「impeach(弾劾する)」およびその名詞形「impeachment(弾劾)」は、もう絶対に忘れない言葉になりましたし、

insurrection(反乱、謀反、暴動)
treason(反逆)
incite(扇動する)
incitement(扇動)
extortion(ゆすり)
malicious(悪意のある)
deviant(常軌を逸した)

こういう言葉が毎日ニュースで繰り返される米国は、かつて世界の国から尊敬された民主主義国家のリーダーではありません。

昨年11月の大統領選挙以来続く混乱と、醜態と、いやしくも国のトップに立つ者とその仲間たちによる Jaw-dropping(驚いて開いた口が塞がらないほどびっくり仰天)の言動と、更にその上を行く誰も想像だにしなかった正気の沙汰とは思えない大騒動で、人殺しまで行われて。

亡くなった警官は、暴徒に消化器で殴られて倒れた後も暴行を加えられ続け、星条旗で殴り続けた者もいたそうですね。

もうなんだかね、第三世界の発展途上国と同レベルですよね。一応民主国家のふりをしているけど、部族間の権力争いで実際には民主主義もへったくれもないって言う、そういう国がありますけど。

米国の一部は、いまだに南北戦争の頃の南部のメンタリティーと大して変わっていないんだなあと、つくづく思ったりもします。

もう30年も前のことですが、私は奴隷制度と人種差別で有名な南部アラバマ州の、住人のほとんどが白人という町に住んだことがありますが、その町に住んで最も驚いたことは、町の人々が非常に狭い世界に生きているということでした。

彼らにとっての「世界」というのはアメリカ合衆国なのでして、その外の世界には意識が向いていませんでした。彼らの生きている「社会」は、その町の中の「自分達が属する教会のコミュニティー」であり、その「コミュニティー」に束縛されているという意識はなくて、その「コミュニティー」に属して生きるのが当たり前の生き方なのでした。

そのような狭い社会の限られた情報の中で生きている人達が、誤った知識を繰り返し与えられたら、誤ったことを信じ込むようになるのは必然かもしれません。

「教会コミュニティー」の存在が絶対的なので、その「コミュニティー」の指導者達が誤った知識や考え方を支持すれば、なおさらです。

「コミュニティー」に対して「dissent(異議、不同意)」を表明することは、命がけですしね。少なくとも、その町にはもう住めなくなるということでしょうし。

先日シュワルツネッガー氏がメッセージで言ったように、人々は「権威」に追従し、誤った方向へ導かれやすいのだと思います。

それにしても、アメリカの政治家というのは、特に共和党の政治家には、自分の野心と利益が最優先で、そのためには勝ち馬に乗るという姿勢があからさまなのがいますねえ。国としての課題を理解し、国民のために何が必要かを考えて、より良い制度や法律を作って国を良くしていこうという公僕の使命や信念はどうなっているんだ!

それと、いつも思うけど、あの国の多くの人々が「自由」とか「権利」ばかりを主張して、「義務」とか「責任」というものを忘れちゃっているように見えます。例えば、マスクのことにしてもそうですけど、何であそこまで「マスクをしない権利」ばかりを訴えるんでしょうか。感染拡大を少しでも抑えるために自分がするべき「義務」とか「責任」について考えないんでしょうか。

まあ、マスクの件をすっかり政治利用したのはトランプですけど。

マスクをしている人々は「自由を放棄した負け犬だ」みたいな風潮は、やはり扇動によって根付いてしまったのでしょう。

外国の騒動ですけど、ちょっと目が離せません。


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