2019年1月30日

古い家を大事にしない文化

いつも車で通る道沿いに、二つの好きな家がありました。(過去形!)

一つは、アーリーアメリカンのスタイルです。家自体はかなりボロになってきていて、周囲の松の木が巨大になりすぎて、おそらく家の中は暗いだろうと思われますが、私の好きなスタイルの家なので文句なしに好きなのです。

もう一つは、英国のチューダーコテッジ風で、時々この家に住んでいる子供達が前庭でレモネードを売っていました。バカ高いレモネードですが、自分の家のレモンの木で取れたレモンで作ったレモーネードを売って、何かの資金にしようとしているわけですからね、車を停めて買ってあげたりしたものなのです。

先日、そのチューダーコテッジ風の家の周りにフェンスが張り巡らされていたので、まさか解体するんじゃあないだろうなと思ったら、今日通りかかった時にはすでに解体されて、跡形もなくなっていました。

壊したの〜!

敷地の中央には、黒っぽい大きな石が山積みされておりましたので、チューダーコテッジ風の家は、レンガ造りではなくて石造りだったものと思われます。

もったいない!

どうして壊しちゃったの?

もちろん、自分の好きな家を建てるためでしょう。解体を見守る中年の夫婦がいましたからね。あの人達が、その敷地にドリームハウスを建てるつもりなのでしょう。しかし、あのチューダーコテッジ風の家は壊してほしくなかったな。

私の住んでいるエリアは、メルボルン中心部に比較的近いのに田舎環境で、宅地の一区画が今どき手に入らない広さであることもあって、小金持ち達が家付きの土地を買っては、その家を取り壊して新しい成金風の家を建てるのが増えてきています。

成金風じゃあなくて、建築家がデザインした超モダンな四角いコンクリート住宅というのも増えているんですけどね。

中には高い塔のある、その上には旗がひらめく、ヨーロッパのお城のような巨大邸宅もあったりしますよ。ライオンの像が玄関の両側に構えている純白の御殿とか。

どんな人があんな悪趣味な家を建てるんだか…。

まだメルボルンの住宅が安かった頃にこのエリアに建てられた住宅は、確かに今流行の大きな家ではありませんけど、中にはとても素敵な家があるんですよ。家の周囲に植えられた広葉樹も大きく育って、なかなか趣のある家々がいくつもありますが。

次々に壊されて、大きな住宅に建て替えられていく…。

あのアーリーアメリカンのスタイルの家も、住んでいらっしゃる老夫婦が亡くなった後は、同じ運命が待っているのでしょうかね。


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