オーストラリアの家は、もちろん基本的に日本の「玄関」のようなものはありません。日本では、玄関でほぼ必ず靴を脱ぐけれども、オーストラリアの多くの家庭では、家の中でも靴を履いたままでいる。
ソファやベッドにまで土足で上がるという習慣には、正直閉口したものですけど、最近それが変わってきています。
家の中では靴を脱ぐ家庭が増えてきたのでしょう。室内履きやスリッパがたくさん売られるようになりました。私がオーストラリアへ来た頃には、そういいうものを探すのに苦労したものです。
家の中では靴を履かない主義のオーストラリア人達は、大抵入口のドア付近に脱いで置いておくようですが、これがねえ、あれなのよ。
我々日本人は、玄関で靴を脱いだ時に、脱いだ靴を脱ぎ散らかさずに、きちんと向きを変えて揃えて置いておくということを教えられるでしょ?
そういうのを何年もしてきていると、それはもう体が覚えちゃっているので、無意識でも靴は揃えて脱ぐのです。
昨日、野菜畑にロケットとほうれん草を取りに出た時、入り口のドアの前に脱いだ自分の室内用つっかけを見て「習慣というのはすごいなあ」と改めて実感しました。
外履き用のクロックスが泥に汚れていたので外に脱いであったのです。そこで履き替えたから、自動的に室内用はドアマットの上にこういう状態になっていたということ。
ところがねえ、オーストラリア人達は靴を揃えるということはしません。
小さい頃から教え込んだはずのうちの息子も娘も、靴をそろえることができません。うちの夫なんてもっとひどい。揃えて置くべき明確な一線がないというのも、原因だと思うんですよ。
とにかく、入口のドア付近に、あっちに向いたりこっちに向いたり、時にはひっくり返ったりしている靴、靴、靴。
靴箱や靴ラックを用意しても、そこに脱いだ靴を揃えて置くということはできないんです、あの人達は。
「脱いだ靴を揃えなさい!」
と口を酸っぱくするのはもうやめました。
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