先日のこと、フリーザー(我が家のは冷蔵庫とは独立した冷凍専門の小型冷凍庫)を開けてびっくり!
大きな肉の塊がごろごろ入っていたんです。夫の誕生日の翌日だったから、義母が持ってきたのだろうと思いましたけど、カチンカチンに凍ったでっかい肉の塊は、買えば大した額になりますのでありがたいことです。
肉が大好きな夫は嬉しかったことでしょう。
それにしても、あの複数の塊肉は、色的には豚ではないと思ったんですけど、牛肉なのか子羊なのか。夕食のビーフシチューを食べながら夫にたずねました。
「ああ、あれは全部ビーフ。一つはロースト用の塊で、あとはタフな硬い肉。このシチューはあの肉を使った?」
「いいえ、これは Coles で買ったオフカットの安い肉」
「母さんのところには牛肉が食べきれないほどあるんだよ」
「それはまた、一体どういうわけで?」
「一頭、殺して肉にしたから」
「ペットの牛を?」
義母とパートナーは、ホビー(趣味娯楽の意味)牧場で牛を数頭飼っているのです。全部名前を付けていますし、出産の手伝いもして可愛がっているし、オスは売りに出して収入の足しにするとは聞いていたけど、
まさか殺して食べるとは!
その話を聞いて思い出したのは「ブラウンボーイ」のことでした。
「ブラウンボーイ」の出産は難産で、獣医や家族の奮闘の後、やっと生まれた子牛でした。一頭だけ毛色が明るい茶色で目立っていました。
当時、私と夫は、義母の家の敷地内にある小さなコテッジに住んでいたんですけど、ストレスをためつつあった私は、辛い時には牧場に行って子牡牛の「ブラウンボーイ」に語りかけていたのです。
美味しい牧草を食べてすくすくと育ち続けた「ブラウンボーイ」は、私を怖がらず(だってしょっちゅうやって来ては何か話しかけてくる人間ですからね、干し草もくれるし)、私にとってはまさに心の友だったのです。
しかし、家畜の世界でオスに生まれた運命は悲しいのよ。
ああ、忘れもしない、あれはアトランタオリンピックの1500m自由形で、キーレン・パーキンスが、パニック発作で8位に終わった予選の後、決勝の第8コースを独泳し、見事金メダルを獲得してオリンピック2連覇を果たした時だった。
住んでいたコテッジの外で鳴り響いた「パーン!」という音。
「ヒロコは外を見ないほうがいいよ」と、夫が言いました。
その理由はもちろん知っていました。
その日は、私の心の友「ブラウンボーイ」が肉にされる日だったのです。
「ブラウンボーイ」の切り離された頭は、解体されて肉にされたその場所(コテッジの隣りの草むら)に随分長い間放置されていました。私は、通勤のたびに、その横を通って車を停めているカーポートまで行かなければなりませんでした。
心の友「ブラウンボーイ」の頭が草むらに転がっているところだけは、見たくなかったから、絶対に草むらの方に目を向けることはしなかった。
義母からは、大量の牛肉差し入れのオファーがありましたが、私は夫に「絶対にもらうな!」と固く申し渡したのでした。心の友をどうやって食べることができるというのだ!
私は肉を食べますよ。
でもね、友達やペットは食べられないの。
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I completely agree with you Hiroko its sickening! I wouldn't eat it either!
返信削除I remember the story of your pet duck. One day when your family had an unexpected guest, the duck turned into a roast dish. Do you remember that? You and Ricky must have been very young then.
削除I heard that story but I can't remember it. Sometimes I can't believe that I am related to her.
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