2016年10月12日

芸術作品の検閲

娘のサチのハイスクール生活も最終週となりました。現在、アート、デザイン、木工、調理などのクラスで学んだ生徒達の卒業制作作品が学校の図書館に展示されています。

昨日は午後6時より一般公開ということで、夫と娘と一緒に展示を見に行ったんです。

娘が我が家のダイニングテーブルを作業台にして作ったのは、3つのピースからなる立体作品で、いずれも政治問題&社会問題がテーマでした。(言っておきますけど、我が家は放任主義というかほったらかしですから、最後の最後まで親が娘の作品制作に手を貸すことはありませんでしたよ。夫が電動工具の使い方を教えたくらい。)

3つのピースの一つは「原爆投下」がテーマで、トルーマン大統領が原子爆弾をジャグリングしているもの。背景には無残に破壊され尽くされた広島の街が広がります。

もう一つは「2016年アメリカ大統領選挙」がテーマで、トランプおよびクリントン両候補の頭像です。彼らを象徴する言葉や成句が台座を埋め尽くしています。

もう一つは「ミソジニズム」がテーマでした。

「でした」と過去形なのは、作品の展示を見た副校長の指摘により、この作品は展示に不適切ということで撤去されたからなのです。

何だよそれ!


十字架に縛られたバービー人形が蔑視の対象となる「女性」を象徴しています。背景はアダムとイブ。頭髪を刈られたバービーは股間から血を流しています。

ヌードの絵などもちろん展示されている中、この娘の作品は検閲で撤去されたんですよ。これってそれほどの問題作品ですか?

アートのクラスのC先生は非常に不満であったらしいけど、学校の方針には逆らえなかったのか。また娘は、そのC先生がトラブルに巻き込まれて欲しくないからと、さっさと作品を撤去したんだとか。

副校長の指摘によると、一般公開には生徒の妹弟もやってくる可能性があり、子供に見せるには不適切だとのことなんですけど、親が説明することができますよねえ。映画の指定表示的に言えば、「M」とまでいかなくて「PG」くらいでOKなんじゃないの?

まあ、夫は娘の作品が検閲問題を引き起こしたことで「よくやった!」とガッツポーズでしたけど。

皆さま、いかがお考えでしょうか?

ところで、娘が言うには、この3つ目の作品の当初のコンセプトは違っていたんだそうです。テーマは「キリスト教会による児童虐待」だったんですって。神父に縛られた子供が性的虐待を受ける立体像というのだったんだそうです。

しかし、ハイスクールレベルでは許されないだろうと思いあきらめたと言っておりました。そりゃあね、このバービーが駄目なら、性的虐待を受ける子供は絶対に展示不可ですよ。

そういうのを作ろうと考えるうちの娘ですが、もうすぐ18歳になります。

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