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2021年7月29日

柔道で落とすのはスポーツか

柔道において「落ちる」というのは、絞め技で失神することを言うそうです。私は始めて見ましたよ。柔道であんな事が起きるんですか!

昨日の柔道女子70キロ級の準決勝戦ですけど、もうすぐ17分になろうかという時に、相手のロシア人選手の身体から突然力が抜けました。

審判員が即座に試合を止めて医療スタッフが呼ばれましたが、ロシア人選手は失神していました。首を絞められて失神したんです。試合は失神したロシア選手がKO負けで、日本人選手の勝ちとなりました。

私はね、相手のギブアップをねらった締めつける技をかけてもよいのは腕だけだと思っていました。相手選手の腕を捕らえて肘関節を反対側に曲げるように圧力をかけるのは何度か見たことがあります。やられた方の選手は、タップをして(手で畳を軽くたたいて)「マイッタ」という合図をするんですよね。

私は知らなかったですよ。

首を絞めてもいいとは!

そして、

絞められて苦しくてもギブアップせずに失神してしまうなんて始めて見ましたよ。

このロシア人選手は肘関節をやられても「マイッタ」をしなかったんです。右目をお岩さんのように腫らしても、凄まじい粘りと執念を見せて立ち向かって来ました。そして、首を絞められてもあきらめずに「マイッタ」をしなかったから失神したのです。

すぐに柔道の技について調べてみたところ、肘関節への攻撃は「関節技」、首への攻撃は「絞め技」、そして20秒間抑え込むのが「固め技」と言うんだそうですね。そしてこの3つが「寝技」として分類されていました。

あるんだ、首を絞める技が!

試合で最もよく使われている「絞め技」は「送り襟絞め」という技だそうです。頸動脈付近の襟を掴んで絞め上げるんだそうですが、他にも頸動脈を絞める方法(というか技)は色々あるのです。

手で直接で絞めるのは反則だそうですけど、そんなの当たり前です。

頚動脈を圧迫して脳への血流を遮断すると脳が酸欠になる、だから意識を失うわけですよ。意識がなくなる前にタップして「マイッタ」をすれば脳は助かりますけど、「マイッタ」が遅れると脳が酸欠になって失神というようなことになるわけです。

それって、脳にダメージが残る可能性がありますよ。

そんな危険な技が、スポーツ競技の技として認められているとは驚きです。

調べているうちに、試合に勝つためのテクニックとして「絞め技」を奨励する書籍なども見ましたが、「絞め技」はスポーツじゃあないでしょう!

格闘技あるいは武術としての柔道に「絞め技」があるのはいいですけど、スポーツ競技としての柔道に首絞めは良くないわ!

柔道にはたくさんの禁止事項が定められています。そういう反則行為を行うと「指導」を取られたり反則負けとなりますけどね、定められている多くの禁止事項よりも頸動脈を絞め上げるのはもっと危険ですよ。

首絞めには反対です!


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2021年7月28日

スポーツ無関心と最強柔道家

子供の頃から、オリンピックに限らず野球やバレーボールやマラソンや駅伝や、様々なスポーツ競技の興奮と感動を経験している私は、そうした競技のテレビ観戦が好きです。

現在開催中の東京オリンピックは、新型コロナ関連の報道から判断して、私は開催には批判的な立場だったんですけど、始まってしまったんだから「どうせやるなら成功して欲しい」と思っています。

思っていますけど、新型コロナの状況は心配していますよ。昨日は、東京の新規感染者数が3000人近かったと聞きましたし。

選手村の様子や感染防止対策などを選手達がSNSに投稿する動画などで見る限り、かなり緻密で厳重な対策が取られているようです。自国を出発前に検査して陰性でないと飛行機に乗れず、入国後に検査で陽性となった人と接触者は隔離されているそうですし、来日した外国人から日本の人達に感染が広がる危険というのは、どうも小さいように見えます。

選手や関係者だけでなくて、メディアの人達も移動を厳しく制限されているようですしね。

それはともかく…

4年に一度のオリンピックは楽しみにテレビ観戦しますけど、うちの夫はオリンピックに無関心です。うちの子供達もそうです。オリンピック競技をテレビ観戦しようとしたことはありません。テレビの前で興奮して叫んだり手を叩いたりしているのはお母さんだけ。

ところが、一昨日の夜、うちの娘がテレビで男子体操団体戦決勝を見ていました。

「アンタ、いつから体操に興味が出たの?」
「体操は前から興味あったわよ。本当に見たいのは柔道だけど」
「柔道?お母さんは見たわよ、日本人がまた金メダルを取った!」
「大野将平?」
「なんで知ってるの?」
「有名よ!最強なのよ!どうやって見たの?」
「テレビで放送していない競技は、チャンネル7のウェブサイトで見れるのよ」

そうなんです!

オリンピックの放送権を持つチャンネル7のウェブサイトで、全種目がストリーミング放送されているのです。

オーストラリアで見るオリンピックは今回の東京オリンピックで7回目ですがね、今まではオーストラリア人選手が出場する競技かオーストラリアで人気のある競技しか放送しないから、残念な思いをしてきたんですよ。

体操男子が団体で金メダルを取ったと聞いてもね、誰かがYouTubeに動画をアップしてくれない限り見ることは出来なかったんですから。あるいは有料放送に加入しない限り、体操とか柔道とか卓球とかいう競技は見れなかったんです。

ところが今回は、チャンネル7のウェブサイトですべての競技がストリーミング放送されているのですよ。テクノロジーの進化のおかげです。

うちの娘は、日本最強の柔道家であるという大野将平さんが金メダルを取った決勝戦を、早速オンラインで見ていました。

それにしても、

どういう理由で突然柔道?

と思って、すぐに分かりました。

うちの娘は、イスラエル発祥の接近戦闘術クラヴ・マガにのめり込んでいる関係で、格闘技に興味が大ありなのですよ。

世界に敵なしの最強の柔道家であるらしいあの強面の大野将平さんが、相手を投げ飛ばし転がしてイッポンを取るYouTube動画を見てから、彼の強さに尊敬の気持ちが芽生えたようです。

それに、自分は半分日本人と思っていますから、日本の武道である柔道に興味を惹かれたというのもあるんでしょう。

ただし、柔道という競技に関心があると言うよりも、世界最強の柔道家である大野将平さんに関心があると言う方が当たっていると思いますけどね。大野将平さんって、そんなに強いんですか。世界で最も検索された柔道家だそうですが。


うちの家族はスポーツ全般に関心が無いのですが、マラソンとかトライアスロンとか自転車のロードレースとか、ああいうのには特に関心がありません。夫なんて「ただ延々と人が走っているだけのどこが面白いのか」と言いますから。

レースの駆け引きとか、劇的な展開やアクシデントがいつ起きるかわからない緊張感とか、ゴールが近づくにつれて高まる興奮とかゴールの時の感動とか、そういう事が分からないのですよ。

一昨日は、男子シンクロ高飛び込みで英国ペアが中国を破って金メダルを取りましたけど、ワクワクしましたねえ。私はもらい泣きしました。

水泳の女子400メートル自由形は、オーストラリア選手が勝ったんですけど、手に汗握る展開でしたから、コーチじゃなくても雄叫びを上げたくなりました。私は手が痛くなるほど手を叩いて応援しましたよ。


自転車ロードレースは男女ともエキサイティングなレースでしたよね。女子のレースで金メダルを取った数学者のオーストリア選手、最初から前に出てずっと一人旅で、最後まで抜かれなかったんですけど、ああいう展開は珍しいし勇気のいることです。「行けー!頑張れー!」と大声で応援しましたよ。

一人で見て一人で興奮してワアワア言っている私に、家族はシラ〜と冷たい視線を向けるんです。スポーツの興奮や感動を共有できる人がいないのは、実に残念なのでございます。


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2021年7月25日

実況解説者のデタラメ発音

体操の世界的選手の内村航平選手が鉄棒から落下したんだそうですね。内村選手にとって4度目のオリンピックとなった東京オリンピックには、鉄棒だけで出場していたので彼のオリンピックは終わってしまったそうです。

残念な終わり方でした。

ところで、内村航平選手の名前ですが、アルファベットで書くと「Kōhei Uchimura」で、彼の名前は英語話者達には発音が難しいようです。知っていれば発音そのものは簡単ですけど、名前の綴りを見て発音するのは難しいらしいのです。

ロンドン・オリンピックやリオ・オリンピックでは注目選手の一人でしたから、オーストラリアのオリンピック放送でも紹介されて、どれほどすごい選手なのかというのが話題になっていたのですけどね、特別に取り上げるくらいなら名前の正しい発音くらい練習しておけばいいのに。

彼の名前は、

コハイ・ユチミューラ!

ロシア人みたいですね。

テニスの錦織圭選手の名前「Kei」が一時期「カイ」と発音されていましたけど、「ei」は「エイ」ではなく「アイ」と発音される傾向があるようです。

あと英語での「u」は「ア」だったり「ユ」だったりしますし、「mura」というのは発音が超難関とも言えるのでして、知らないとまず「ムラ」とは発音されません。「ミューラ」になってしまいます。しかも巻き舌の「rrr」になりますから。

サッカーの中村俊輔選手も、スコットランドのセルティックというチームでプレーし始めた頃、解説や実況が「シャンスキ・カナミューラ」と発音していたのを思い出します。中村選手は大活躍して知名度が上がり、ちゃんと「シュンスケ・ナカムラ」になりましたけど。

さて、

東京オリンピック第2日目の昨日、私は自転車の男子ロードレースを見ました。私はマラソンとか駅伝とか水泳の1500メートル自由形とか持久力を要する競技に惹かれるんですけど、自転車のレースも大好きなんです。

男子ロードレースは、総距離234キロメートルですよ。スタート直後のパレード走行10キロを入れると244キロも走るんです。6時間以上ですよ。しかも一日の最も暑い時間帯に。昨日は気温が34度だったそうですけど、高湿度の中、6時間以上走り続けて、何度も山を登るんですよ。もうね、同じ人間とは思えない体力と持久力と脚力と忍耐力の勝負なのです。

有名なツール・ド・フランスも大好きなんですが、あのレースは録画でしか見ることが出来ないのが残念なんですよね。やっぱりスポーツの興奮や感動は生中継で見てこそ感じられるものですから。

東京オリンピックの男子ロードレースには、先週終わったばかりのツール・ド・フランスに出場していた選手が大勢出場していました。あの人達は本当にまあどういう体力をしているんでしょうかね。

3週間の過酷なレースを終えてすぐに日本にやって来たんですね。

金メダルをとったエクアドルのカラパス選手は、ツール・ド・フランスで総合3位だった人です。銅メダルのスロベニアのポガシャー選手は総合優勝2連覇した選手ですよ。銀メダルの選手もツール・ド・フランスに出場していました。

男子ロードレースの実況解説は、オーストラリアではツール・ド・フランスの実況解説でもおなじみの方達の声だったのですが、

この方達が日本の地名の発音に大苦戦!

武蔵野の森(Musashino No Mori)スタートのコースには、山伏トンネル(Yamabushi Tunnel)とか籠坂峠(Kagosaka Pass)とか富士山麓(Fuji Sanroku)とか三国峠(Mikuni Pass)とか発音に苦労しそうな名前が多いですが、しょっちゅう間違っていました。

特に少し年配のベテラン解説者は大苦戦。

山中湖(Yamanakako)なんて難易度は低そうに思うんですけど。「r」も「u」も入っていませんし、文字通りに発音すれば間違えようが無いと思うのに。

どう発音するのか分からないような選手の名前は、慣れているのでスラスラと発音するんですけどね、コース上の地名はデタラメを連発した実況解説者達。レース前に練習しないんでしょうか。

日本語の発音は容易ですから、母音の「a・i・u・e・o」が必ず「ア・イ・ウ・エ・オ」であることを学べば、正しく読めると思うんですけどね。

山中湖は、途中からヤマナカレイク(Yamanaka Lake)と言い始めてからはスラスラ言えました。ゴール地点の富士スピードウェイ(Fuji Speedway)が発音しやすくて良かったです。


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2021年7月24日

長かった東京オリンピック開会式

始まりましたね、東京オリンピック。東京でオリンピックが開催されるのは2回目です。前回は1964年です。私は当時まだ3歳でしたから何も覚えていませんが。

後に「体育の日」という祝日になった10月10日に開幕しました。お天気が丁度いい時期ですね。開会式の日は快晴でした。

欧米以外で(有色人種の国で)開催された史上初のオリンピックだったんですよね。第二次世界大戦の敗戦後、急速な復活を遂げていた日本は、そのオリンピックが国際社会に認められるシンボル的な意味を持っていましたので、オリンピックの開催に向けて競技施設や交通機関や宿泊施設の整備に莫大な費用が投資されました。

オリンピックにより旅行需要が生まれ、テレビ放送を見るためにテレビが普及し、消費も増えたために、日本経済に大きな好景気をもたらしました。

こういう事は、後にドキュメンタリー映画などで知ったことですが。ドキュメンタリー映画と言えば、有名な映画監督の市川崑さんが総監督を務めた「東京オリンピック」という公式記録映画がありますけど、あれは名作ですよ。

それはともかく、

当時の日本国民の多くは、オリンピックの開催について批判的な意見を持っていたそうですが、大会後には国民の9割が「オリンピックは日本にとってプラスだったと思う」と答えているんですよね。競技の魅力と日本人選手の大活躍が空気を変えたと言われています。

さて、

2回めの東京オリンピック。歴史上経験のない新型コロナ禍中のオリンピックとなっています。

誰のための何のためのオリンピックなのかということが話題なわけで、前回同様に多くの国民がオリンピック開催について批判的な意見を持っているわけですが、大会後には「日本にとってプラスだった」と答えるのでしょうか。

東京オリンピック変異ウイルス発生とか東京で感染大爆発とか医療崩壊とか、そんなニュースを聞くようなことになりませんように。

ところで、

今回の東京オリンピックは、私がオーストラリアで見る7回目のオリンピックなんですが、こんなに長くオーストラリアに住んでいても、応援するのはやっぱり日本選手なんです。開会式でも、日本選手団の入場を心待ちにしているわけですが、ロンドン・オリンピックの時はね、放映権を持っていたチャンネル9のお粗末な放送で怒りまくりました。

開会式では各国選手が入場している間中、ただもう延々とオーストラリア選手ばっかり映し続けたチャンネル9のことは「オリンピックとチャンネル9」を読んでいただくとして。

リオ・オリンピックはチャンネル7が放送しました。チャンネル7は、開会式でもちゃんと全ての国と地域とチームを解説付きで映しました。競技の放送も他国の選手やマイナーな競技も放送しました。

今回の東京オリンピックもチャンネル7が放送しますから期待できると思っています。昨夜の開会式でもちゃんと各国選手団を映しましたよ。

それにしても、

昨夜の開会式、

長かったですね…

4時間もかかるとは誰が想像したでしょうか。

演出がちぐはぐで、喜びや高揚感ではなく終始抑うつ感が漂い、非常に退屈しました。ドローンのディスプレイには息をのみましたけど、ショーのパフォーマンスはどれもセンスが無いと言うかダサいと言うか。

欽ちゃん仮装大賞でやりそうなあのピクトグラムのパフォーマンスは、オリンピックの開会式でやることじゃあないでしょう。(オーストラリアのメディアでは、あのピクトグラムは面白かったと高評価のようですが。)

何度「何だこれ!」「何故これをやる?」「早く終わって」とつぶやいたことか。

開会式で最も楽しみにしているのは選手団の入場ですが、今回はもっと簡素化するものと思っていましたが、マスクをしているとは言えあんなに大勢スタジアムに入ってきて、入場後はマスクを外して騒いでいた選手も大勢いましたから心配になりましたよ。

聖火の点灯だけは見たかったので、眠気に耐えながら起きていたんですけど、長嶋さんのあの姿は見たくなかったな。不自由な身体で聖火を運ぶ長嶋さんの姿を見て、皆さん感動しましたか?私は正直つらかったです。

あまり悪口は書きたくないのでもうやめますが、これまでに見てきたオリンピックの開会式ランキングでは、最下位かも。

東京オリンピック、どうせやるんだったら成功してもらいたいと思いますが、その「成功」には新型コロナ被害に悪影響は無かったというのも含まれます。


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2020年7月26日

史上最も過酷なマラソン

新型コロナのパンデミックが起きていなければ、今頃は東京オリンピックが開催されていたはずということで、新聞にオリンピック関連の記事が載っていました。

その記事で、初めて1904年のセントルイス大会のクレイジーなマラソンのことを知りました。私は子供の頃からオリンピックのファンで、オリンピックのエピソードは結構よく知っているのですけど、セントルイス大会のことは初耳でした。

1904年というのは明治37年です。セントルイス大会は、3回目の近代オリンピック大会でした。

万博と併催されていたこのオリンピックでは、近代オリンピックの提唱者であるクーベルタン男爵も呆れて「ひどい見世物」だと言ったという、先住民族の体力比べ「人類学の日」と呼ばれるイベントも行われました。

万博会場のアイヌ村の展示物であったアイヌの人も参加しています。

このイベントでは、あぶらを塗った棒登り、やり投げ、泥投げなどを様々な国の先住民達に競わせて白人の観客に見せたのです。スポーツじゃあないですよね、見世物です。

このセントルイス大会のマラソンがすごかった!

出場予定選手は41人。欠席者が9人もいて、実際に出場したのは32人でした。万博会場の南アフリカ村からはツアナ族の二人が、急遽裸足で参加していました。

キューバからの参加者は、郵便配達人のフェリックス・カルバジャル選手。自ら寄付を集めて旅費を稼ぎ、やって来たニューオーリンズで賭け事にハマって資金を使い果たしてしまいました。ヒッチハイクによってなんとか会場にたどり着いた時、カルバジャル選手は普通のシャツと普通のズボンを履いていました。

足首まであるズボンでは走れないだろうと、会場にいた人がハサミで半ズボンに切ってあげたそうです。

出場者の多くは米国人。ギリシャ人選手10人とキューバのカルバジャル選手とツアナ族の二人がスタートラインに立ちました。多くがマラソン未経験者でした。

レースは午後3時30分にスタートしました。

一日の最も暑い時間帯です。気温は32度だったそうですが、それって百葉箱の中の温度ですからね。炎天下の路上は40度くらいになっていたでしょう。

舗装されていない道路。コーチや医療関係者を乗せた伴走車が巻き上げる土埃を吸込みながら走る選手。給水所は中間地点手前の一か所だけ。なんでも、マラソンの主任オーガナイザーが自分の研究分野である「脱水の限界と影響をテストするために水分摂取を最小限に抑えた」んだそうです。

何だそれ!

土埃を吸い込みながら走る選手は、当然その影響を受けます。マラソン未経験者はもちろんのこと、有力選手の中にも途中で倒れたり棄権する選手が続出しました。

先頭を走っていた米国のフレッド・ローツ選手も14キロを過ぎた地点で足の痙攣のため走り続けることが困難となり、伴走車に乗り込んでゴールの競技場へと向かいました。ところが車が途中で故障して動かなくなり、車を降りたローツ選手はそこから走り出します。

そして、大観衆の声援の中、見事1位でゴールのテープを切ったのです。

大統領の娘から栄誉の金メダルをかけてもらおうとした時、レース途中で車に乗っていたことを指摘されて失格となります。本人はジョーダンだったと言ったそうです。ローツ選手は、競技場に向かう車の上から観客に手を振っていたそうですから、本当にジョーダンだったのかもしれません。

さて、2位を走っていた有力選手のトーマス・ヒックス選手は、疲労困憊し水分の補給を求めますが認められませんでした。まだ14キロを残す地点ですでにヨロヨロ状態。このヒックス選手に、コーチはネズミ殺しの毒ストリキニーネと卵白を混ぜたものを飲ませます。当時ストリキニーネは興奮剤としても使われていたのだそうです。

足を引きずりながらゴールを目指しますが、32キロ地点ではもはや倒れる寸前となります。この状態ではゴールするのは困難と判断したコーチは、再びネズミ殺しの毒ストリキニーネと卵白を混ぜたものにブランデーも混ぜたものをヒックス選手に飲ませました。

最後は、ほとんど意識の無いヒックス選手をコーチとスタッフが両側から抱え、足を前後に動かしながらゴールラインを超えさせたのです。ローツ選手が失格になっていますから、ヒックス選手が優勝者となりました。

当時の男子マラソンの世界記録は3時間くらいだったそうですが、この日のヒックス選手の記録は3時間28分53秒。オリンピックのマラソンの優勝記録としては最も遅い記録となっているそうです。

完全なドーピング違反ですし、他者の力でゴールしていますから今なら失格ですけど、同時はそんな規定はなかったんですね。

ちなみに、もう1回ストリキニーネ入りドリンクを飲まされていたら、死んでいた可能性が大きいそうですよ。

さて、お金がなくなり、40時間飲まず食わずでヒッチハイクをして会場に到着したキューバ人のカルバジャル選手は、途中で空腹のあまり道端のリンゴの木からリンゴを二つ取って食べたのが災いし腹痛を起こしてしまいます。途中で1時間ほど休憩をするはめになりましたが、この休憩がなかったら優勝していたかもしれないそうです。カルバジャル選手は4位でした。

ツアナ族のうちの一人は、レース途中で野犬に襲われて逃げ、1キロ以上コースを外れてしまったそうですが、完走して9位に入りました。

セントルイス大会のマラソンは、完走したのが14人。史上最も過酷なマラソンレースだったということです。

ウソのようなホントの話!


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2018年4月7日

大英帝国植民地政策の名残り

日本から桜の開花だの初の夏日だの、4月らしいニュースが聞こえてくるくらいですから、南半球の下の方に位置するメルボルンは寒くなってきています。

今朝は外の気温が7度でしたし、Tシャツで寝ていたら雪が積もった森の向こうにある「信州ユニバーシティ」(という設定の大学)に行く夢を見ました。新学期が始まる9月(というのも変だけど)、まだ9月なのにすでに雪が積もっていて寒かったのですが、

目が覚めたら実際に寒かったんです。

かと言って、夏物をしまったりしてはいけません。来週は再び30度超えが予想されています。とにかく、一年中、あらゆる季節の服が必要なメルボルンなのです。

それはともかく…

現在、クイーンズランドのゴールドコーストでは、「コモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games)」というオリンピックのような総合競技大会が開かれておりまして、オーストラリア人達はゴールドメダルラッシュで大喜び!

これがねえ、毎回呆れちゃうんです。

「コモンウェルス(Commonwealth)」というのは英連邦のことで、この競技大会に参加するのは英連邦に属する国や地域です。かつて植民地であった国々や今でも英国に属する国々などです。

参加国と地域はこちらでご覧いただけますよ。知らない国が多いですよね。多くが、小さな島の国々です。アフリカ諸国も多いです。

かつての大英帝国の繁栄ぶりというか、いかに世界中に植民地を拡大していたかがよく分かるわけです。しかし、そうした帝国主義の時代、侵略され、植民地とされた国々や地域の奴隷問題や貧困問題をはじめとする暗い歴史を思うと、今こうしてアスリート達が集まって、対等な立場でスポーツで競い合う時代が来たことを、良かったなあとは思いますけど、搾取され支配された側の人々の人権問題や経済問題は続いているわけで。

英国は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドと、それぞれ分かれたチームとして参加しています。

「コモンウェルスゲームズ」は、オリンピックのように4年ごとに開催されまして、オリンピック競技以外に、英連邦諸国で盛んな(それ以外の諸国ではあまり知られていない)スポーツも行われるんですよ。

例えば、ローンボウルズとか。これは、芝生の上で的となる小さなボールの近くにボールを投げあって、最後に一番近いところにボールがある方が勝つという競技ですが、オーストラリアでは特に高齢者に人気があります。

7人制ラグビーやネットボール、スカッシュなども行われます。

でも、テレビで放送されるのは人気のあるスポーツが中心です。現在、水泳が行われていて金メダルラッシュですからね、オーストラリア人達は大喜びというわけですが、オーストラリアは水泳では世界のトップクラスでしょ?参加国が限られたこのような大会でメダルを獲得するのは当たり前なんですよ。

実際、選手たちも競争相手はチームメイトのオーストラリア選手ってくらいのリラックスモードですからね。リラックスしているので実力を発揮できるのか、世界新記録が出たりもしています。

「コモンウェルスゲームズ」は、一体いつまで続けるのでしょうか。もうやめても良いんじゃないかという意見も出ています。


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2016年8月21日

近代五種競技とは

スポーツ好きのオーストラリア人も、このスポーツのことを知っていた人はほとんどいなかったでありましょう。

長年にわたりオリンピックTV観戦を楽しんできたこの私も、この競技名はもちろん聞いたことはあったけど具体的にどのような競技なのか知らなかったです。

近代五種競技(Modern Pentathlon)

オーストラリアの選手が金メダルを獲得したのがきっかけで突然知名度がアップ!こんな面白い競技があったのかと、一部で話題になっています。

なんでも、近代オリンピックの創始者として有名なクーベルタン男爵の考案・提唱によって始められたんだそうですね。Wikipedia によりますと、古代ギリシアで行われていた古代五種(レスリング・円盤投・やり投・走幅跳・短距離走)になぞらえて、射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニングの5競技をおこなう「近代五種」という競技が作られたんだそうです。

競技方法は、まずフェンシング、水泳(200メートル自由形)、次に馬術(障害飛越競技)で得点を稼ぎ、最後にランニング&射撃のコンバインドをおこなう。フェンシング・水泳・馬術で勝ち取った合計点の得点差(1秒4点)でスタートし、射撃と800メートルのランニングを交互に4回行ってゴールした順番が最終順位となるということです。

一人で複数の陸上競技をおこなう十種競技とか七種競技は比較的知られていますが、この「近代五種競技」というのは、スポーツの分野が全く異なる射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニングの5つをおこなうんですから、一体どのようにトレーニングするんでしょうか?

金メダルを獲得した女子選手は、お父さんがコーチでお兄さんも「近代五種競技」の選手で、トレーニング環境のために一家でハンガリーに引っ越していたとか。トレーニング場所の確保だけでも大変で、費用もかかるのだそうです。

それ故に競技人口も少なくて、知名度もひときわ低かったわけですが、この度一気に知名度は上がりました。しかし、「私もやってみたい!」と思った子供たちがいたとしても、果たしてこの競技に挑戦できる環境があるのかどうか。5つのうちの一つ一つのトレーニング場所はあるのでしょうけどね、5つ全てのトレーニングとなると難しいのでしょうね。

リオ・オリンピックも明日で終わりです。今晩の男子マラソンは、頑張って見るぞ!

と思っていたのに、マラソン開始はメルボルン時間10時30分。もうその頃には眠気に襲われてマラソンレース観戦など到底無理な感じ。

ですからマラソンはあきらめて、代わりに夜中に起きて男子バスケットボールの3位決定戦オーストラリア対スペインを見ることにしました。

目が覚めた時には試合は大方終わっていたんですが、緊迫した接戦。ハラハラ・ドキドキは苦手なのよ。

まあとにかく結果はご存知のように1点差での敗北。

ハートブレークでなかなか再び眠ることが難しかったわ…。

ああいう幕切れは辛いな。サッカーのPKも大っ嫌い。あれは辛すぎる。

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2016年8月20日

抗うつ薬とオリンピック観戦

私はかれこれ10年以上も抗うつ薬を飲み続けているのですけど、この薬のおかげで感情の振幅が小さい生活を送っております。

号泣必至的な映画を見ても大して涙は出ないという副作用もありますけど、薬のおかげで心臓バクバクで倒れかかったり、身体がこんにゃく化して震えたり、ズドーンとうつの暗底に突き落とされるとか、そういう恐ろしい目に合わずにすんでいるわけです。

これまで気分的にもう薬をやめても大丈夫かもしれないと思ったことはあるのですが、娘が摂食障害を患ったり自傷を始めたり、夫が双極性障害でおかしくなったりする度に、抗うつ薬に救われてまいりました。

最近は娘も安定しているし、夫はフルタイムで働き始めたし、息子もアルバイトを始めたりと、私の生活にも平穏が戻ってまいりました。喉に物が詰まったようになって突然泣きむせぶこともありません。気分が落ち込んで夜眠れないということもありません。非常に安定していたんです。さっきまでは。

しかし、オリンピックがいけなかった!

「ハラハラ・ドキドキ」というのが問題です。子供の頃から「ハラハラ・ドキドキ」には弱くて、プロ野球の試合など見ていても「だめだ、ここで打たれたらもう終わり!」のような展開になると台所に逃げ込んだりしたものです。

「ハラハラ・ドキドキ」という状態ではですね、脳内で不安や恐怖を引き起こすノルアドレナリンが分泌されるわけです。これがドバっと出すぎるのか、バランスを取るセロトニンが出ないのか、これら脳内物質が上手く機能していないから私は薬を飲んでいるわけですよ。

こういう人が「ハラハラ・ドキドキ」必至の競技やゲームを見ようとするとですね、不安感が耐えられないレベルに達してしまい見ることができません。

吉田選手のレスリングも、バスケットボール男子準決勝オーストラリア対セルビア戦も「負けるかもしれない、負けたらどうしよう」という不安がとんでもないことになりまして、とても応援することはできませんでした。

どちらも残念な結果になりましたが、吉田選手の涙に胸が締め付けられてちょっと具合が悪くなっていたところへ来て、今日のバスケットボールでややパニック発作状態になってしまった!

楽しむべきオリンピックで具合が悪くなるって、それはいけませんね。でも、これって私本人の意識の持ちようということではないんです。自分ではどうすることもできないんです。

オリンピックのことは忘れるに限るな。ああ、まだ心臓バクバクしてる…。

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2016年8月19日

スーパーヒューマン

リオ・オリンピックでは、ここ数日陸上競技が注目を集めています。ウサイン・ボルト選手とか有名選手が出場する競技は大人気ですけど、陸上競技というのは体操競技と同様に「同じ人間として信じがたい能力」というのを目の当たりにしますね。

先日、走り幅跳び決勝を見た後、優勝した選手が飛んだ8メートル38センチというのがどの程度の一歩なのか、我が家の居間の窓際から巻き尺で測ってみました。キッチンを通り越して階段の下まで。世界記録の8メートル95センチなんでですね、階段を下りた先のランドリーの入り口までの距離でした。

あの窓からここまで一歩で飛んだのか?

驚愕しましたよ。

走り高跳びは、2メートル40センチくらいの高さを飛んでいるわけです。それはね、我が家の居間の天井より少し低いくらいでした。「一体どうやってあの高さのバーを飛び越えているんだよ」と、私は信じがたい思いで天井を見上げました。

棒高跳びにしても、6メートル以上を飛び越えているんです!自分の家で実際に測ってみたらどんなに高いか分かりますよ。

砲丸投げ、今朝やっていましたけど、アメリカの選手が22メートル50センチ位投げたの。投げた砲丸の重さは16ポンド(約7.3キロ)と解説者が言うのですけど、それってボウリングのボールよりも重いのよ!それをどうやって22メートル以上も投げるんだよ!

スーパーヒューマン、まさに超人です。

お子さんがいらっしゃる方は、自分の家で巻き尺で測ってみると面白いですよ。オリンピックとかに全く興味のない我が家の3人も、「あの人達はねえ、あの窓のところから階段を下りた所まで飛んでいたんだよ」と私が指差すその距離をみて、心底驚いておりました。

超人たちのパフォーマンス、もうしばらく楽しめます。

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2016年8月16日

パラリンピック2016

リオ・オリンピックも2週目です。

体操はチャンネル7がかなり放送してくれたおかげで見ることができましたが、柔道は全く見るチャンスはなかったです。それでも、チャンネル7はロンドン・オリンピックを放送したチャンネル9よりも様々な種目を放送しているし、オーストラリア選手が出場しない種目もどんどん放送するなど放送姿勢がよろしい!

テニスも終わっちゃったし、これから期待したいのはバスケットボールのオーストラリアチームがどこまで勝ち進むかと、サッカーでブラジルが男女とも優勝できるかどうかというところ。そして、最終日の男子マラソンですよね。

オリンピックが終わった後にはパラリンピックが開催されるわけですが、そのパラリンピックの予告紹介動画が秀逸だったので、ぜひ紹介したいと思います。

オーストラリアのチャンネル7が制作したんじゃなくて、英国のチャンネル4が制作したコマーシャルのようです。「We're The Superhumans」とタイトルが付けられています。体に障害があっても、私達は何でもできるんですよ歌うこの動画から感じるポジティブエネルギーは本当に素晴らしいです。おもわず「すごい!」と叫んでしまう映像満載ですから、最後までご覧くださいね。



パラリンピックも楽しみです。

今日は昨日にもまして天気が良くて身体を動かしたい気分です。庭の草取りでもやろうっと!

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2016年8月7日

いつも悲しいオリンピック年

リオ・オリンピックでは、競技スタートが朝の9時とするとメルボルンでは夜の10時。私にとっては寝床へ向かう時間です。この時間からテレビを見始めるというのは、ほぼ不可能ですよねえ。

それなのに、昨晩はいきなり自転車のロードレースがありまして、7時間近くかかるらしいと聞いてゴールを見るまで起きていることは無理だと分かりましたけど、最初のあたりだけはせめて見たいと。

その後は、夜中に目が覚めた時にでもiPhoneで見ようと思いまして、チャンネル7のアプリをインストールしようと思ったの。ところが、私のiPhoneのiOSが古くてインストール出来ないらしい。じゃあiOSをアップグレードしようとしたらiPhoneの機種が古くて新しいiOSを入れられない。

「新しいiPhoneを買え!」ということか?

仕方がない、チャンネル7のウェブサイトで結果を見ようと思ったら、ウェブサイトにアクセスするとアプリをインストールしろという画面が出るばかり。

そこで、チャンネル7は諦めてオフィシャルサイトへ。

オリンピックのオフィシャルサイト、あれは何なんですか?できが悪すぎでしょ?使い勝手が悪くて見たいものが探せないし、私のiPhoneはクラッシュしてしまうんですけど。

ロンドン・オリンピックのオフィシャルサイトは上出来だったのに…。

結局、朝起きてからチャンネル7のテレビ放送を見ようと思ったら、水泳の有望選手のインタビューを連発する!そして、サッカーのオーストラリア女子チーム「マチルダズ」対ドイツ戦とバスケットボールの米国対中国戦この2つだけを放送し続け、その合間に他種目の結果や状況を放送するかもしれないと思った私は甘かった。

オーストラリア選手が出場する注目種目以外の競技や他国選手の活躍ぶりを見たい場合は、やはり今年も有料放送のFOXとかに加入しない限り無理みたいです。

オリンピックはビジネスよ。各国の放送通信関係の会社がちゃんと儲けられるように作ってあるのだわ。

サッカーのワールドカップの年とオリンピックの年は、毎回有料放送のFOX加入を考えはするんですけどね、そこまでして見たいか…と自問自答すると、まあ良いかと思って諦めちゃうのです。

「オンライン・ストリーミング放送という手があるでしょ?」とお思いですか?ここオーストラリアのインターネットは、ブロードバンドがナローバンドとも言われることからお分かりのように、ストリーミング放送を快適に見ることはなかなか難しいんですよ。

しかもね、チャンネル7がストリーミングで放送するのはテレビで放送しているものでしょ?

プロキシ接続を駆使して他国のウェブサイトでストリーミング放送を見るという手もあるか…。

そこまでして見たいか?

自問自答中です。

ああ、日本選手のニュースも一つ聞きましたよ!コハイ・ユチミューラ選手は鉄棒から落下したんですって?厳しい表情のユチミューラ選手の顔が、ニュースサイトに載っていました。体操日本男子チームに暗雲だって。

注意: コハイ・ユチミューラ(内村航平)

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2016年8月6日

オリンピックとチャンネル7

リオ・オリンピックなんて何年も先のことと思っていたのに、始まりましたね。

始まる前から、不手際、トラブル、犯罪、政治問題などなど、まあとにかく悪いニュースがずうっと続いていました。開会式前のコパカバーナビーチでの聖火リレーさえも途中であっさりキャンセルされて、バスジャックまで起きて、一体どうなることかと思っていたけど、開会式は無事に終わりました。

私はね、今朝は夫が仕事のため早く起きたのでつられて早く起きたせいで、長丁場の開会式中についつい居眠り。メルボルンでは午前9時から放送が始まったんですけど、最初のショーのほとんどを見逃してしまいました。

しっかりと目が覚めたのは、各国選手団の入場直前だったのよ!

選手団の入場に関しては、前回のロンドン・オリンピックではチャンネル9のお粗末な放送で怒りまくりましたから、今回も期待はしていなかったのです。各国選手が入場している間中、ただただ延々とオーストラリア選手ばっかり映し続けたチャンネル9のことは、「オリンピックとチャンネル9」で読んでください。

リオ・オリンピックの放映権を持つのはチャンネル7です。

そして、チャンネル7はね、ちゃんと全ての国と地域とチームを解説付きで映しましたよ。途中でCMを入れたから、それでカットされたチームがあった可能性はありますが。その国あるいは地域の簡単な説明や注目選手、あるいはオリンピック参加の歴史など、全てちゃんと解説して全選手団を映したのは評価したいと思います。

今回は日本選手団もちゃんと映りまして、注目選手のひとりとしてコハイ・ユチミューラ(内村航平)選手も紹介しました。

ポルトガル語表記のアルファベット順でしたから、入場する順序も英語の場合と違いましたね。そして、地理には強い私も知らない国名があったりして、勉強になりました。

聖火台への点火を行う最終ランナーが誰になるのかが話題になっていて、サッカーのペレだろうとか言われていましたがペレは健康問題で不参加となり、私はブラジルのアスリートはよく知らないから全く予想がつきませんでしたけど、マラソンのデ・リマさんと解説が言うのを聞いた瞬間に思い出しました。

ああ、あのアテネオリンピックの悲劇!

私はマラソン&駅伝のファンですから、オリンピックのマラソン競技は全て見ています。忘れもしませんよ。先頭を走っていたブラジル選手が(確かあの時ゴールはかなり近かったはず)ふざけた衣装の男に邪魔されてタイムをロスしたばかりでなく、後から来たランナーに結局抜かれて金メダルを逃したのでした。

私が覚えているのは、そのブラジル選手がアクシデントのせいで金メダルを逃したというのに不平不満文句を一切述べず、これは神様が「お前はまだ金メダルを取るべきではないとおっしゃっているのだ」とか何とか発言したことですよ。

あのブラジル選手がこの人だったか!

デ・リマさんは、スポーツマンとしてブラジルでは大変に尊敬されているのだそうですね。なるほど、その人を最終ランナーに選んだのか。素晴らしい選択ですね。

リオ・オリンピックの開会式は、見事なデザインの聖火台点火と壮観なスペクタル花火で終了いたしました。

それにしても長かった…。東京ではせめて3時間位で終わって欲しいな。

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2012年8月7日

五輪でサッカーやってるの?

ロンドンオリンピックも残すところわずかとなった。

インターネットで競技の予定や結果を毎日調べているのだが、やはりライブで競技の映像を見れないために、だんだん興味を失ってきている。しかも、「見たい!」と思う競技に限って放送されないし。

卓球の「泣き虫愛ちゃんがうれし泣き」とか「サッカーの日本女子チームが決勝に進出」なんていうニュースを読むと、うれしくなってなんとか少しでも映像を見れないものかと四苦八苦している。

日本のニュースサイトはもちろんのこと、アメリカのサイトやイギリスのサイト、なんと書いてあるのかさっぱり分からないが中国語のサイトなどでも、見れる映像がないかと探してみたが、ダメだ...。

「この映像は、あなたがお住まいの国あるいは地域からはご覧いただけません」
冷たいお言葉の繰り返しである。

YouTubeも厳しく監視されているのか、ロンドンオリンピックの競技映像はない。

つまり、卓球もサッカーも、チャンネル9が放送してくれない限り、オーストラリアにいる私にはどうすることもできないということだ。

AFL(オーストラリアルールのフットボール)がチャンネル9の大スポンサーだから、サッカーのニュースは報道しないと夫が言ったが、そのとおりであった。

これまで毎日、文句を言いながらもチャンネル9のオリンピック放送を見てきたが、今まで一度たりともサッカーのことはコメントしていない。

他の競技については、チャンネル9のウェブサイトを見てくれというのでウェブサイトをチェックしてみたら、サッカー関係の記事はほんのわずかしかなく、競技予定は書かれていても、どの国が勝ち進んでいるのかは書かれていないので驚いた。

卓球のニュースを放送しないのは、まあ分かる。オーストラリア人にとって卓球は非常にマイナーなスポーツであるし、このスポーツに本気で取り組んでいる競技人口は本当にわずかであろう。

しかし、サッカーは世界的に超人気のあるスポーツで、オーストラリアにおいてもヨーロッパからの移民をはじめとして、AFLが恐れるほどに競技人口もファンも増えてきているのだ。

しかし、チャンネル9のオリンピック放送には、サッカーの「サ」の字もない。
一切、全く、なーんにも、サッカーについては絶対に報道しない。

だから、私の友人など、「ロンドンオリンピックでサッカーやってるの?」と、信じられないことを言うありさまなのである。

日本男子チームと日本女子チームがそろって準決勝に進出し、女子はさらに決勝にまで進んでワールドカップ決勝の再現となる対アメリカ戦!

試合を見たくてたまらないのに、それを見れないどころか、結果も自分でインターネットのニュースサイトで調べなくては分からない。

この苛立たしい、もどかしい、じれったい、ストレスのたまる状況を、お分かりいただけますでしょうか!?


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2012年8月2日

ウチムラ・ザ・レジェンド!

国民の批判が届いたのか、チャンネル9が競泳以外の競技や他国選手の活躍ぶりも報道し始めた。

今朝、いつものようにキッチンのテレビでチャンネル9のオリンピック放送を見ながら、夫と子ども達のランチを作っていると、ずっと見たかった体操の映像が映った。

レポーターがカメラに向かって言う。

「体操男子の個人総合が行われていますが、今日ここで誰もが話題にする選手の名前は「ウチムラ」。日本の選手です。ごらんのように日本から大応援団がやってきています。」

おおっ!

思わずテレビの前に駆け寄る。

内村選手は、世界選手権の個人総合チャンピオン。体操界において、誰も疑うことのない世界のトップ選手であり、「ザ・レジェンド」であると紹介するレポーター。

ザ・レジェンド、すなわち伝説的選手!

いいぞ!チャンネル9!

個人戦にただ一人出場しているオーストラリア選手と、メダル争いをしているドイツ選手の床演技および日本の田中選手の失敗演技(床とあん馬)を含め、内村選手の全種目の演技を放送した。コマーシャルをはさみ結構な時間をかけて体操の映像(というかほとんど内村選手の演技)を映すチャンネル9!なかなかよろしい!

見ることができないだろうとあきらめていたので、興奮する私!

スポーツに興味の無い息子のカイや娘のサチもやってきて、内村選手の演技を見る。

つり輪の演技では、「ひええっ、人間があんなことできるのか!」と、びっくり仰天する子ども達。十字懸垂や水平支持を見て驚いているのだ。

そして、最後に、レポーターはオーストラリア選手にインタビューしたのだが、その質問というのが、「ザ・レジェンド(内村選手のこと)と同じ舞台で競技している気持ちはどうですか?」というものであった。

「彼(内村選手のこと)は、素晴らしい能力を持った特別な選手です。僕は本当に尊敬していますし、オーストラリアとオーストラリア男子チームを代表して、彼のような選手と同じ場所でこうして演技できることに感激しています。」と、応えるオーストラリア選手。

体操に関する放送は、そのインタビューで終わった。「レジェンド・ウチムラ」が見事金メダルを取ったとは言わなかった(と思った)ので、インターネットでニュースをチェックすると、ああ...金メダルを手に微笑む内村選手の写真が!

やった!よかったぁ!

金メダルの内村選手
団体戦でミスを連発したのは、やっぱり相当なプレッシャーがあったのだろうなと思う。オーストラリア競泳界のホープ、マグヌスン選手のようにね。

マグヌスン選手は、今朝早朝(メルボルン時間)に行われた100M自由形決勝で、彼本来の見事な泳ぎを見せたのだけれど、0.01秒の差でアメリカ選手に破れ銀メダルに終わった。映像ではマグヌソン選手の方が早く手をついたようにも見えたのですが。0.01秒なんて、どれだけの差なんだか...。

「マグヌスン、金メダルの夢終わる!」なんて、新聞にまたまたセンセーショナルに書かれていたけど、注目選手はいろいろ大変です。

しかしまあ、チャンネル9は、この調子でどんどんマイナーな競技も他国選手の活躍ぶりも取り上げて、オリンピック放送を充実させていってもらいたいものです。


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2012年7月31日

怒っているのは私だけじゃない!

何かおかしい、チャンネル9の報道姿勢!

オーストラリア選手しか映さないというよりも、非常に偏った報道が目立っているチャンネル9。報道の方針というかテレビ放送を担う企業としての倫理が大きく疑われている。

私の夫は、ある電動工具会社に勤めており、毎日多くの販売店や顧客の会社を回っているのだが、昨日は行く先々で話題は全て「チャンネル9のお粗末かつ偏ったオリンピック報道」についてであったという。

ある人は、インターネットで競技の予定を調べ、バスケットボールの試合を見るために朝早起きしたが、チャンネル9は競泳のニュースを繰り返すばかりであったという。

私が見ることができる夕方と夜の放送中に映すのは、競泳!競泳!競泳!競泳!

競泳以外に結構映すのが、なぜか馬術とボート。そして、ホッケー、寒そうなビーチバレー、テニス...。その他のマイナーな競技もオーストラリア人が出ている場合、散発的に5~10秒ほど。

「本当にねえ、柔道や卓球なんか映す可能性ゼロだよねえ。サッカーだってやってるんだよ!」と、私が不満を述べると夫が言った。

「チャンネル9にとって、AFL(オーストラリアルールのフットボール)は大スポンサーだろ?サッカーは、フットボールにとっては最大の競争相手だから、普段からチャンネル9はサッカーのニュースは報道しないよ!」
「そんな!これはオリンピックの話よ。チャンネル9だけが放送する権利を持っているんだから、全ての競技の映像は見せられないにしても、満遍なく国民に結果ぐらい報道する義務があるってものでしょう?」

しかし、日本のNHKのように、「その他の競技の結果をお知らせします」と言って、短い映像とともに放送されなかった競技や種目の結果も丁寧にカバーするといった放送会社としての責任ある姿勢というものは、チャンネル9には無い!

番組の組み立て方もお粗末かつ退屈!

そしてねぇ、言いたいのはねぇ、
「一日中、競泳の4×100Mリレーでマグヌソン選手とその他3人のチームがメダルを逃した件をセンセーショナルにしつこくしつこく放送し続けるのは、ヤメロー!」

ホントに、インターネットが無かったら、ロンドンオリンピックで何が起きているのかさっぱり分からないところである。

チャンネル9に文句を言いたいとお思いの方、下のリンクはFacebookに登場した「チャンネル9のオリンピック放送はサイテー!」というページです。ここから、発言できます。電話番号ものっています。

Channel 9 Olympics Coverage Sucks


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2012年7月30日

番狂わせ エキサイティング!

オリンピックだが、競技をライブで見るのはあきらめた。

2日目、3日目と、チャンネル9はオーストラリアで最も人気のある競泳を主に放送しているが、午前中は予選。準決勝や決勝が行われるのは午後だ。メルボルンでは深夜から真夜中になる。

夜の9時ごろには眠くなる私のような人には、深夜まで起きていてライブで見るなど到底不可能なことなので、朝起きてからすでに結果がわかっている映像を見るしかない。

さて、昨晩は競泳の予選をやっていた。特に、チャンネル9が繰り返し宣伝していたのが、オーストラリア期待のジェイムズ・マグヌスン選手(よく「マグヌッセン」とカタカナ表記されているけれど、実際の発音は「グヌスン」というのが近い)が泳ぐということ。

昨年の世界水泳100M自由形金メダリストのマグヌスン選手は、強い速いハンサムでコマーシャルなどにも引っ張りだこ。メディアからは「ミサイル」というニックネームで呼ばれている。ロンドンオリンピックのホープで、自信満々の強気発言を連発していたし、イアン・ソープなどの有名選手達からも絶賛されていて、金メダルを取るのはほとんど確実という報道ぶりであった。

マグヌスン選手が出るのは、男子4×100Mリレーであった。リレーだから他にも3人の選手が泳ぐわけで、「マグヌスン一人で勝てるわけではないだろうに...」と思っていたが、予選はラクラク1位で通過。

レース後のインタビューで、予選1位の泳ぎについてたずねられ、
「うーん、予選ですからねえ。予選は簡単ですよ。午後の決勝ではもっと速く泳ぎます」と、金メダルを取りに来ているという自信に満ちあふれた態度であった。

私は寝た。そして、朝が来た。

「さあて、オーストラリアは金メダルを取ったのかなぁ?」

早速チャンネル9をつける。スタジオホストのキャメロン・ウイリアムスが、曇った声で4×100Mリレーの結果を伝えていた。オーストラリアはメダルを逃した言っている!

「えっ!メダルを逃したぁ?」

早速、映像に見入る私。

第1泳者がマグヌスン選手。100M自由形の世界記録を狙っているマグヌスンが最初に泳いで2位以下に差をつけ、あとの三人で逃げ切るという作戦である。ところが、マグヌスンの泳ぎに伸びがない。なんと2位か3位で次の泳者に交代!飛び出たのは、アメリカ。やっぱり強い!

「こりゃ、またアメリカが金メダルか...」

チャンネル9は、オーストラリアがメダルを逃したとは言ったが、どのチームが勝ったとは言わなかった。こりゃ、アメリカが勝ったんだな...と、思いながら見ていると、フランスの最終泳者がぐんぐんと追い上げ始めた!

フランス?フランスって水泳強かったっけ?

大歓声の中、フランスはさらにアメリカを追い上げる!

「これは!行くかもよぉ!行くかもよぉ!」

フランスチームは声をからして応援している。

「わぁぁぁ、行ったよぉ、フランス!勝ったよぉ!」

歓喜のフランスチームが映し出され、彼らの感動と興奮が伝わってきた。

歓喜感涙のフランスチーム
感動しました。まさかの4位で茫然自失のオーストラリアチームはお気の毒でしたし、逆転されたアメリカチームのマイケル・フェルプス選手もボーゼンでしたけど...。見てごらんなさいよ、フランスチームを!金メダル候補ではなかったのでしょうが、見事な泳ぎ!見事なレース!素晴らしかった!

平泳ぎ100Mは、日本期待の北島選手が5位に終わり残念でしたけど、オーストラリアのクリスチャン・スプレンガー選手が、初めて個人種目でメダルを獲得!しかも銀メダル!感動のあまり目を真っ赤にして涙にむせぶ姿は、日本のテレビには映らなかったでしょう。

もらい泣きしそうでした。


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2012年7月29日

落胆のオリンピック

オーストラリアに移住したのが1994年なので、こっちでオリンピックを見るのは今回のロンドンが5回目だ。

気持ち的にはすっかりオーストラリア人になったつもりの私だが、やっぱり自分は日本人だと実感するのが、オリンピックやワールドカップなどスポーツイベントの時である。

例えば、サッカーなどで日本とオーストラリアが対戦したりすると、「いやあ、どっちを応援したらいいか困るなあ!」などと口では言いながら、実際にゲームが始まると私の脳みそは悩むことなく日本を応援してしまう。と、いうか本能的に日本を応援せずにいられないという感じか...。

オリンピックでは、やっぱり気になるのは日本選手の活躍だ。

ところが、オーストラリア選手しか映さないチャンネル9(チャンネル7だった時も同じこと)が放送するのだから、日本選手を見ることができる唯一のチャンスは、オーストラリア選手と日本選手の両方が出ている人気競技に限られる。両方が出ていてもマイナーな競技では、放送される可能性は低くなる。

例えば、私の好きな体操と柔道。これはかなり可能性が低い。

毎回、次のオリンピックでは、全競技が全て放送されるペイTVのFoxtelに加入しようと思うのだが、様々な事情でこのささやかな夢がかなわない。

私達は、電話にファックス、携帯電話2つにインターネットと、たくさんTelstraという通信会社のサービスを利用しているのだが、なんとTelstraがよりお得なパッケージの1つとしてFoxtelを無料にしてくれた。最初の1ヶ月というのではない、Foxtelの利用料ゼロでパッケージに入れてくれたのだ。

オーストラリアのフリーTVは面白くない。だから、Foxtelで面白い番組が見られるぞと家族は大喜びだった。一番喜んだのは私!早速工事の予約も入れた。

ところが、現在住んでいるこの借家のイタリア在住の小難しい家主は、私達にFoxtelのケーブルを引く工事を許可してくれなかった。

早く別の家に引っ越したかったが、何しろ生活に苦労してきた私達には、経済的にそれができなかった。そして、今回もフラストレーションの募るオリンピックとなっている。

「あーあ!」

また、誰かがYouTubeに動画をアップしてくれるのを待つしかないのか...。


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2012年7月28日

オリンピックとチャンネル9

今朝は早起きしてロンドンオリンピックの開会式を見た。

前半のショーは、素晴らしかった。映画監督ダニー・ボイルは、映像も駆使して英国の歴史や文化を見事に演出。のどかな田園風景が産業革命後の英国に変貌してゆくシーンには息を呑んだ。

パフォーマー達も素晴らしかったけれども、巨大なセットから大小道具に至るまで、あれらを作った人達、デザイナー、エンジニア、動かしているメカニック、照明係から火薬係、出演者を誘導する係の人から救護係まで、もう気が遠くなるほどの人々が舞台裏で働いていたことだろう。

いいなあ、うらやましい、こういうのに参加できて。

ミスタービーンや007からヴォルドモートまで登場し、とにかく英国の豊かな文化と底力を見せ切ったショーのディテールについてここには書かない。皆さんご覧になってそれぞれ感想をお持ちだと思うので。

私がここに書きたいのは、

予想的中のチャンネル9への不満である!

ロンドンオリンピックの放映権を持つのはチャンネル9だ。北京オリンピックはチャンネル7だった。チャンネル9でも7でも、いつも同じことが言える。

オーストラリアの放送局は、オーストラリア選手ばっかり映すのだ。オーストラリア選手が出場する人気競技しか放送しないから、マイナーな競技はほとんど見ることができない。日本のNHKのように他国の選手の活躍などまず取り上げない。

開会式の各国選手の入場など退屈で見る気がしないという人もいるが、私はこれを見るのが大好きだ。

まず、世界の様々な国や地域の名前を知ることが楽しい。毎回新しい国や地域が加わっていて、こういうことには結構詳しいつもりの私が「聞いたことがない名前」の国があったりすると、地図を開いて調べたりする。そういうのが楽しいのだ。

また、世界中の様々なや地域から集まった人々の顔や姿を見たり、彼らが着ているユニフォームや民族衣装を見ることも大変興味深い。今年は、参加した全ての国と地域が女性選手を派遣したということで話題でもある。私は、そうした、異なる文化を持つ人々の生活にとても興味があるのだ。

というわけで、いよいよ各国選手の入場が始まって、私はわくわくしながら見入っていた。

オーストラリアは「Australia」と綴るのはご存知のとおりで、国名が「A」で始まるので登場が早い。チャンネル9は、当然複数のカメラの映像を駆使してオーストラリア選手を映す。

背景の音声では、直ぐにオーストリア、アゼルバイジャンとオーストラリアに続く各国選手が入場しているというのに、チャンネル9は延々とオーストラリア選手ばっかり映す。

競技場をぐるりと回って行進を終え、携帯電話で話したりテキストメッセージを送ったりしている選手、ふざけあう選手、望遠カメラでとらえたオーストラリア選手の様子だけを映す。

「おい!他の国も見せろぉ!」

と叫んでみても、オーストラリア選手がただ延々と映し出されるだけ。

そのうち、時々チラッと新たに入場してくる国の選手を映したりもしたが、すぐにまたオーストラリア選手の映像に戻る。

そうこうしているうちに、ジャマイカの登場となった。旗手はウサイン・ボルトである。

「さあ、世界で最も速い男の登場です!」と、チャンネル9のエディー・マグワイアが興奮しながらボルトを紹介。今度は、延々とウサイン・ボルトを映す。

そして、またオーストラリア選手。長い待ち時間にふざけ合っているオーストラリア選手を延々と映す。

「もうヤメロ!」

やっと映像が変わった!

映ったのは北朝鮮!

北朝鮮は英語で「North Korea」ですよ。ジャマイカの「J」から一気に「N」ですよ。

「ええっ! Japan はどうしたの!」

Japan はね、とっくに入場していました。日本チームは、今年も映らなかったのです。ジャマイカチームの後ろに続く赤いジャケットの一団が、あれがきっと日本チームだったのでしょう。

「くそっ...」

日本期待の体操とか、ディーン選手が話題の槍投げとか、シンクロナイズド・スイミングや柔道も、レスリングも卓球も、私が見たいと思う競技が放送される可能性は、今年も低い。


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