2024年9月12日

1000キロ運転旅行(1)

1000キロも私一人が運転をする小旅行に行くことを決意したのは、「今年は出来るだけたくさん楽しいことをする」という新年の抱負のせいです。

本当のことを言えば100キロだって運転したくないんですけど、遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で目が見えなくなって来ているうちの夫はもう車の運転が出来ないわけですから、夫婦でどこかに行きたいのなら私が運転するしかないわけで。

運転をしたくないなら、どこにも行けないことに不満を言うべきではないと思いましたので、「だったら私が運転する!」と決めたのでございます。

行き先は、メルボルンに30年も住んでいるのに行ったことがなかったグレートオーシャンロードに決めました。

グレートオーシャンロードだけなら1泊2日でも観光して来れると思いますが、夫の叔父さんの家にも行くことになったので3泊4日の旅行となりました。

旅行1日目の目的地はアングルシー(Anglesea)という町でした。

私達はメルボルンの東側に住んでいるので、ヴィクトリア州の西側に行くためには混雑で有名な「ウエストゲートブリッジ」という橋を通らなくてはいけないんですけど、この橋に入るための道路が大変分かりにくかったです。

一人ではとても無理でしたよ。助手席でうちの夫が指示してくれる通りに走ったんですが、標識とかは目が悪いはずの夫の方が私よりもよく見えるんです。慣れているのもあるでしょうけど、まあとにかくメルボルン市内の道路は分かりにくいし交通量は多いし意地悪なトラックもいるしで怖かったです。

ノロノロ走っていたわけではないのにね、巨大トラックにテイルゲイトされて(後ろにピッタリくっついて走られる)クラクションを鳴らされたりしてビクビクしました。

高速道路に入ってからは、ひたすら時速100キロで走るだけ。真っ黄色の美しいキャノーラ畑がいたるところに広がる景色を楽しみながら最初のストップ、ジロング(Geelong)の街に向かいました。

うちの夫が勤めるツールショップのジロング店に行って、電話でしか話したことがないその店のスタッフに会うというのがジロングに行った唯一の目的です。わざわざそれだけのために行ったのですよ。

夫がスタッフに自己紹介をしてから店内を見学していましたらね、一人のお客さんが高圧洗浄機を見ていました。実際にハンドルを持ったりしていろいろ見ていました。

うちの夫はこれを無視して通り過ぎることが出来なかった!

「高圧洗浄機をお探しですか?ボクは別の店に勤めているんですけど、今休暇中でこっちに旅行に来たついでに店に寄ったんですけどね…」と言って、夫の営業トークが始まったのでございますよ。

高圧洗浄機を購入する時に考慮すべきポイント、各メーカーの商品の特徴や違いなどについて説明するのを、お客さんと私は聞きましたよ。お客さんはいろいろ質問をしたから話は長くなりました。

うちの夫は歩く百科事典とも呼ばれるほどツールについての知識が豊富なんですけど、夫の説明を聞きながら「よくまあいろいろ知っているもんだ」とその記憶力に感心しました。

お店を出て、近くのベーカリーでランチを食べた後、いよいよ海岸に向かいました。

…と思っていました。

クイーンズクリフ(Queenscliff)まで行って博物館でも見ようかと思ったんですけど、それをすると80キロくらい余分に運転をしなくてはいけなかったので気が滅入り、行かなかったんです。せっかく来たんだから頑張って行けばよかったと後悔しました。

その代わりに、ジロングから南の海岸に出て、そこから海沿いの道路を進んでアングルシー(Anglesea)まで行くと私は思っていたんですけど、うちの夫の指示通りに走っていたら、海岸とは程遠いところにある高速道路を走ることになったのですよ。

目的地をグーグルマップに入力しから、グーグルマップのナビゲーションの言う通りに私に指示していたからそうなったんです。「海を見に来たのに高速ばっかり走っていて私は道路しか見ていない」と大いに文句を言いました。

仕方がないのでそのまま高速を進み、サーフィンで有名なトーキー(Torquay)の町を過ぎたところにあるベルズビーチ(Bells Beach)の海岸に行きました。そこは国際的なサーフィンの大会も開かれるビーチだそうです。


この写真ではよく分かりませんが、大勢のサーファーが海に出ているんですよ。サーファー達は黒いウエットスーツを着ていましたから、小さな黒いアリがたくさん浮かんでいるように見えました。


この日は土曜日で天気も良かったので、とても大勢のサーファーが来ていました。天気は良くても気温は低くて寒かったんですけど。


波が大きくて、私なんて数メートルでも海に出るのは怖いような状況でしたが、オリンピックで見たような見事な波乗りを見せるサーファーもいました。

このビーチから宿泊予定のアングルシー(Anglesea)まではあっという間でした。BIG4という食泊施設のキャビンに泊まりました。BIG4はオーストラリアでは大変人気のある食泊施設で、自炊ができる家族用の家みたいなのからホテルのようなキャビンまで、旅行者の好みに応じて様々なタイプから選べます。

キャンピングカーや持参のテントに泊まっている人もいましたよ。宿泊の方法はいろいろで、必要な設備はすべて揃っていますから快適です。うちの夫は、仕事の関係でこれまでに各地のBIG4に泊まっていますが、どこのBIG4も非常によく管理されていると言っていました。

しかし…

アングルシー(Anglesea)という町は小さくてイマイチだったんです。BIG4は海の近くではなく住宅地の中にあって眺めの無いキャビンだったし、町には食事をする場所も限られていました。この町に宿泊するのはオススメしません。

グレートオーシャンロードで宿泊するなら、もう少し行ったところにあるローン(Lorne)かアポロベイ(Apollo Bay)の方がいいですよ。町がもっと大きくておしゃれだし店も多いし、同じBIG4も眺めが良いですから。

アングルシー(Anglesea)では、晩ご飯にこの旅行で食べたかったフィッシュ&チップスを食べたんですけど、これまでに食べたフィッシュ&チップスのうち最も油っこいフィッシュでした。海辺の街なのに、魚の選択肢は2つしかなかったし、衣がサクサクし過ぎてドライでガッカリでした。


しかも天気が最悪だったんですよ。冷たい雨が降っていました。風も強かったし。町を観光しようと思ったけど何も無かったですからね。私達はさっさとBIG4に戻ってテレビを観たのでした。

(続く)


お帰りの前に1クリックを!



0 件のコメント:

コメントを投稿