2024年9月12日

1000キロ運転旅行(2)

旅行2日目の朝、いよいよグレートオーシャンロードのハイライト、「トゥエルブ・アポストルズ」(12 Apostles)や「ロンドン・ブリッジ」(London Bridge)などの奇岩の風景で有名な場所を目指しました。

私はもしも眠れないと翌日の運転が困難になるので睡眠薬を持参していたんですが、心配した通り眠れなかったので夜中に睡眠薬を飲んだんです。朝起きた時は薬のせいでフラフラでした。

しかし、運転は私が頑張るしかないんですから頑張るんです。

持参したポリッジ(オーツ麦のミルク粥)を作って食べ、7時頃には準備が出来てしまい、キャビンにいてもすることがないので出発することにしました。

これが後で功を奏することになります!

ローン(Lorne)ではグレートオーシャンロードのミュージアムを見学する予定だったのに、早過ぎて閉まっていましたから先へ進むしかありませんでした。

アポロベイ(Apollo Bay)のカフェでは、朝日を浴びながら美味しいモーニングティーを楽しみました。まだこの頃はいい天気だったんです。


このアーモンドクロワッサンが美味しかった。うちの夫は帆立貝のパイを食べてソースをセーターの袖にこぼしました。お陰で旅行中ずっとパイのにおいがすると言っていましたよ。


アポロベイを過ぎると、道路は山の中に入ります。

上ったり下ったり、グニャグニャの山道を延々と走り、一度山を下りてから再び山道になります。延々とひたすら山道を走り、とにかく遠いんです、山を出てからさらに走り続け、やっと「トゥエルブ・アポストルズ」(12 Apostles)に到着しました。

ここの駐車場で初めて観光バスを見ました。

聞くところによると、新型コロナのために観光バス業界は廃業状態となり、その後も復活出来ていないんだそうです。

例えば、有名なツアー会社で「AAT Kings」というのがあるんですけどね。かつては、観光地で「AAT Kings」の観光バスを見ないことは無いほど人気のツアー会社でした。

私も30年前に「AAT Kings」のツアーで、セントラルオーストラリア(大陸のど真ん中部分)をキャンプ旅行して一生忘れない経験をしましたけど、この「AAT Kings」の観光バスは消えて無くなってしまったも同然の状態なんだそうですよ。

今回の旅行で観光バスを見たのは、「トゥエルブ・アポストルズ」の駐車場で見た1台だけでした。

グレートオーシャンロードにも、観光客は戻って来ていないそうです。どの町にも空き店舗が多くて、新型コロナが観光産業に与えた被害の大きさがうかがえました。

それはともかく…

「トゥエルブ・アポストルズ」はさすがに素晴らしかったですよ。立っているのも難しいほどの強風が吹き荒れていましたが、駐車場から歩道を歩いて海岸部に出ましたらね、突然目の前に現れました。


スケールの大きさは写真では伝えられません。行って実際に見てみないと分からないです。メルボルンからはかなりの距離がありますけど、行って見るだけの価値はあります。

「トゥエルブ・アポストルズ」の後も、同様の奇岩の風景が続きます。「ザ・レイザーバック」(The Razorback)という剃刀の刃のような岩とか。


ジブリ映画「紅の豚」に登場する入江にそっくりの「ロック・アード・ゴージ」(Loch Ard Gorge)とか。


下まで降りて写真を撮りたかったんですけど、階段が使用禁止になっていたので下りられませんでした。

この頃には雨が降り始めました。

雨はどんどん強くなり、強風も吹いていたので観光には最悪の状況になったんですが、もう1つの奇岩「ロンドン・ブリッジ」(London Bridge)は絶対に見たかったので行きました。


この岩はブリッジという名前が示す通り、以前は橋の形をした岩だったのですけど、1990年に一部が崩落したんです。下の写真は崩落する前の「ロンドン・ブリッジ」です。


崩落が起きた時、この岩の上には観光客がいたんです。そして、2人の観光客が岩の上に取り残されてしまい、ヘリコプターによる大規模な救助が行われました。

もちろん大きなニュースになりましたけど、「ロンドン・ブリッジ」の崩落は別の話で有名になったんです。この時岩の上に取り残された男女2人の観光客は、実は不倫中のカップルだったのですよ。

メディアのヘリコプターがやって来て、岩の上に取り残された2人を撮影して全国ニュースで放送したそうですけど、男性の方は奥さんに内緒でこっそり彼女と旅行に来ていたことが分かったそうです。この岩の崩落によって2人の不倫旅行は全国民に知られてしまったというわけです。

私達が「ロンドン・ブリッジ」を見学中に雨も風もさらに強くなりました。それ以上の観光はあきらめて、私達はこの日の宿泊予定地ワナンブール(Warranbool)に向かったんですが、朝の出発が少し遅れていたら「トゥエルブ・アポストルズ」の観光も強風と雨の中ということになっていたんですよ。

早く出発して良かったです。何とか「ロンドン・ブリッジ」も見に行けましたしね。

強風と土砂降りの雨の中、制限速度が100キロという道路を必死で運転していると、雨は小ぶりになりました。やれやれとホッとした時、道路が通行止めになりました。

木が倒れて道路をふさいでいる!


引き返すことも別の道を行くことも出来ませんから、待つしかなかったです。

木を粉砕する機械を積んだ大きなトラックがやって来ました。幹や太い枝はチェーンソーで切って道路脇にどかしていましたが、枝の部分は結構太い枝もその機械が飲み込むようにして次々に粉砕して行きまして、40分ほどで通れるようになりましたよ。

この後再び大雨になりました。

ひどい天気になっていることを知った叔父さんの奥さんから連絡が来ました。1日早めに泊まりに来たらどうかと言ってくださったので、私達はワナンブールでの観光も宿泊もあきらめて、叔父さん宅に行くことにしました。

ワナンブールでは、古い海辺の村「Flagstaff Hill Maritime Village」を見学したかったんですけどね、お天気が最悪だったからあきらめるしかなかったです。

もう二度と行くことはないでしょうから残念ですけど、仕方がないです。

ということで、予定よりもさらに2時間くらい運転することになりました。再び降り始めた大雨の中をですよ。制限速度100キロの標識が立っている田舎の道をです。高速道路ではありませんよ。普通の田舎の道です。

そんな道を大雨の中100キロで走るなんて危険過ぎるでしょう!

私は80キロくらいで頑張りましたけど、怖かったわ。

(続く)


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