2024年9月13日

1000キロ運転旅行(3)

一晩だけ泊めてもらう予定だった叔父さんの家に、1日早く行って二晩も泊めてもらうことになったわけですが、その家はペンズハースト(Penshurst)という小さな町にあります。


上の地図のオレンジ色の星印が1日目に宿泊したアングルシー(Anglesea)で、青色の星印が「トゥエルブ・アポストルズ」がある場所です。ピンク色の星印が叔父さんが住んでいるペンズハーストですから、一日でかなりの距離を運転したんですよ。

ペンズハーストは、2006年の国勢調査では人口が461人だったそうですが、現在の様子から想像すると100人もいないんじゃあないかと思うような町です。

今ではすっかり寂れていますが、この辺りの地域はかつては牧羊業でとても豊かだったんだそうですよ。だから立派な大きな家もあるんです。


叔父さんは、この町にあった古い石造りの小学校を増改築した家を買って、それをリフォームして暮らしています。奥さんと二人暮らしですが、二人暮らしには広過ぎる家です。


ダイニング兼リビングルームは元小学校の建物ですから、天井までが7メートルくらいあって小さな体育館ぐらいの広さがあります。

この大きな家にアンティークショップが開けるほどの様々な収集品を展示しています。

一番多いのは、叔父さんが子供の頃から集め続けたというミニチュアのバスや電車や自動車でしょう。他にも博物館に展示してありそうな、ありとあらゆる古い生活用品があります。

例えば、お客用のバスルームには、古い髭剃り用品が骨董品のキャビネットの上にディスプレイしてあったりするんですよ。家中が博物館みたいな感じなんです。

とにかくもう「物」でいっぱいの家ですが、ごみ屋敷のような状態ではありません。全ての「物」は、ガラスのキャビネットや棚や壁にちゃんと展示してあるんです。ですから家具の数も半端ないです。

叔父さんは、動く電車のセットも制作中です。子供の頃から集めて来たものだそうです。これからは、建物や山など風景の制作に取り組むそうです。


2つある大きなガレージには、合計5台の車を所有していて、そのうちの1台はクラシックカーです。全部ピカピカです。どちらのガレージも数え切れないほどの道具類や収集品でいっぱいですが、全ての「物」がちゃんと展示してあるのがすごいです。

お店は無いに等しく、病気になっても医者はいない不便なペンズハーストですけど、叔父さんはここで欲しかった暮らしを手に入れて、好きな物に囲まれて暮らしています。

でもね、仕事をしているのがメルボルンなんですよ。「夫の旅行の行き先」という記事で少し触れましたけど、叔父さんは毎週3日間メルボルンでバスの洗車と掃除をする仕事をしていているんです。

友人と二人でそういうビジネスをやっているんですが、人を雇うと利益が少ないということで作業を自分達でやっているんですよ。

3日働いて残りの4日は休みですが、そのうちの2日は移動日で家から仕事場まで通勤に片道6時間もかかるんです。車で通えば4時間もかからないそうですが、時間がかかってもバスや電車なら車内で眠れるという理由でバスと電車で通っているそうです。

この叔父さん、私よりも歳上なんですよ。体力的にきついはずですから、リタイヤする時が近づいているように思いますけど。


余談ですが、叔父さんと奥さんはお互いに再婚で、奥さんの最初の夫は羊の毛を刈る仕事をしていたそうです。

奥さんはハイスクールを卒業していなくて、デパートで働いていたそうなんですが、結婚して子供達が大きくなって将来のことを考えていた頃、社会人がハイスクールに戻って教育を受け直すというプログラムが出来たので、自分の子供達が通っていたハイスクールに入ったんですって。

そのハイスクールを卒業した後、大学に進学してハイスクールの先生になったという方なんですよ。英語と歴史を教えていたそうです。リタイアした現在は小説を書いていらっしゃいます。

食品や日用品の買い物には、車で30分のハミルトン(Hamilton)という町まで行くんだそうです。ハミルトンには公立病院もありますが、医療事情はあまり良くなくてGP(一般開業医)に会うのに6〜8週間待ちだと言います。

不便な場所ですが、現在の暮らしが気に入っているそうです。広い敷地にはプールも作っています。インターネットも携帯電話も問題なく使えますし、叔父さんの片道6時間の通勤も慣れているからか問題に感じていないようです。

ウィペットを2匹飼っているので、叔父さんが仕事でメルボルンにいる間も奥さんは寂しくないようですしね。仲良し夫婦で、とても幸せそうでした。

(続く)


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