2024年9月14日

1000キロ運転旅行(5)

旅行最終日、私達は叔父さんの家があるペンズハースト(Penshurst)からバララット(Ballarat)を経由して帰宅する予定でした。

バララットでしたかったことは、私はレイク・ウェンドリー(Lake Wendouree)という有名な湖を見ることで、夫は勤めているツールショップのバララット店に寄ることでした。

そうしましたらね、叔父さんが面白い場所があると教えてくれたんです。

それは、アララット(Ararat)という街にある「Jウォード」(J Ward)と呼ばれる、かつて精神病の犯罪者を収容していた刑務所なんです。建物は保存されていて、現在は博物館になっています。

近くにはかつての精神病院「アラデイル」(Aradale)もあって、どちらも一般公開されています。有料のツアーに参加するようになっているんですが、あいにくこの日は「アラデイル」の方のツアーが行われていませんでしたので、私達は「Jウォード」だけを見学することにしました。

うちの娘が知的障害のある犯罪者のための医療施設で働いているので、私達はこういう施設に興味があるのですよ。ツアーは予約が必要です。


「Jウォード」は大変興味深い場所でした。劣悪な環境だったそうですが、次第に改善されました。しかし、精神疾患に対する理解が不足していた時代ですから、効果のない電気ショック治療なども行われていたんです。

私には、ツアーの最後に観たビデオが最も印象に残りました。それは「Jウォード」を取材した古いテレビ番組でした。収容されている犯罪者達の様子が撮影されていました。インタビューに答える人もいましたが、話している内容や様子から明らかに精神疾患があることが分かります。

しかし、精神疾患があっても犯した殺人に対して責任能力がなかったとはされなかったんでしょうね、絞首刑になった人もいるんですよ。ここは刑務所ですから、建物内にそういう場所もあるのです。


エイズが問題になり始めた頃には、当時は未知の病気だったHIVに感染していることが分かった犯罪者もここに入れられたそうですよ。

アララットの街には、新しい刑務所「Hopkins Correctional Centre」(ホプキンス矯正センター)があります。「父の日のご馳走と重たい会話」という記事で触れた、性犯罪者の隔離村「Corella Place」(コレラ・プレース)もアララットにあります。

私は知らなかったんですけど、アララットは刑務所や精神病院がある街として有名だったようです。とてもきれいな街でしたよ。公衆トイレのきれいさには感心しました。


アララットからはバララットに向かいました。

今から20年ほど前、まだ子供達が小さかった頃にバララットに行ったことがあるんですが、当時は10年間続いた干ばつのためにレイク・ウェンドリー(Lake Wendouree)という湖は枯れた草っぱらになっていたんです。

1956年のメルボルンオリンピックでは、ここでヨット競技が行われたと聞いても信じられなかったですよ。

これが現在の姿です。草っぱらは湖に戻っています。私はこれを見たかったんです。


湖畔のヨットクラブのレストランでランチを食べてから、うちの夫が寄りたかったツールショップのバララット店に行き、メルボルンに帰って来ました。

メルボルンが近づいた頃には夕方のラッシュアワーで道路が混雑したので、バララットから家まで3時間くらいかかりましたよ。

いやあ遠かった!

しかしねえ、1000キロもの長距離運転旅行も、やろうと思えば出来るもんだなあと思いました。

また行きたいとは思いませんけど。


ついでなので、アララットで朝ご飯を食べたカフェをご紹介。


「S.e.d.e. Cafe」 という小さなカフェですが、私はサワードーパンにマッシュしたアボカドとポーチドエッグと野菜がのっているやつ、うちの夫はサワードーパンにベーコンとポーチドエッグと野菜がのっているやつを食べたんですけど。

美味しかったんですよ!

カフェを出る前にわざわざキッチンの方にいるスタッフに「美味しかったです」とお礼を言いに行ったほどでした。

朝ご飯を食べずに叔父さんの家を出たから、アララットに着いた時にはお腹がペコペコでしたからね、余計に美味しかったのかもしれませんけど。


ということで、私の1000キロ運転旅行は無事に終わりました。


お帰りの前に1クリックを!



0 件のコメント:

コメントを投稿