2023年6月16日

スタッフに助けられる店長

昨日の朝、私が5時半頃に目が覚めた時、うちの夫はもう勤めているツールショップにいました。

昨日は早朝に商品搬入のトラックが来るから早く行かなくちゃあいけないと言っていたんですけど、私が朝の5時に送って行かなくても良かったのはツールショップのスタッフCさんのおかげです。

最近、私が送り迎えをすることが減っています。朝送って行かなくても済んでいるのは、Cさんがご自分の通勤ルートからは遠回りになるのにうちの夫を迎えに来て下さるからなんです。本当にありがたいです。

私は朝の4時頃に目が覚めてしまうことが多いのですけど、夫を送って行かなくても済むことが分かっている時は、再び眠ることが出来るのでとても助かります。

Cさんはカナダ人です。現在は独身で高齢のお母さんと二人暮らしです。非常に教養のある方で、かつては米国の首都ワシントンで連邦議員の演説などの原稿を執筆するスピーチライターの仕事をされていたんだそうですよ。

どんな事情があってオーストラリアに移住され、ツールショップで働いていらっしゃるのか詳しいことは知りませんけど、店長職にあるうちの夫にとっては最も信頼するスタッフなんだそうです。

Cさんには欠点が見つけられないと言いますからね。

昨日もCさんが迎えに来てくださったんですから、5時半にツールショップにいたということは、Cさんは5時前には家を出たんですよ。

本当にありがとうございます!

Cさんは事情があって毎日4時には仕事を終えて家に帰ります。そういう契約にしてもらっているんだそうですけど、うちの夫は帰りもCさんに乗せてもらって帰って来ることがあります。

お店が忙しくない時は、溜まっている超過勤務時間分を消費するために4時に仕事を終えて乗せてもらって帰るのです。Cさんは帰りも遠回りです。

お店が忙しくて遅くなる時は、他のスタッフの皆さんが送ってくださることが増えました。だから私が迎えに行くことも減りましたし、バスで帰って来ることもめったになくなりました。

私は夕方は晩ご飯を作っていますからね、夫を迎えに行くとなるとかなりバタバタします。最初から分かっていれば相応に準備ができるんですけど、お料理を途中止めにして行くこともあるんです。

でも、最近は本当に迎えに行くことが減りました。スタッフの皆さんのおかげなんです。

「こんなにスタッフの皆さんに親切にしてもらってるってことは、アナタは嫌われ者のボスじゃあないみたいね」
「もちろんですよ」
「皆さんがアナタに親切にしようと思ってくれるっていうことは、アナタがそういう人だっていうことよね」

うちの夫が勤めている店舗は、以前は店長が次々に辞めて行き、スタッフも長続きしないので新米のスタッフが多く、トレーニングが出来ていないのでスタッフのパフォーマンスが悪く、店舗の状態もひどくて売上も悪い店だったそうですが。

夫が転勤して行ってから、まず最初に取り組んだのはトレーニングと教育。そして、スタッフがやる気が出るような環境を作ることだったそうです。

今ではヴィクトリ州内の店舗でトップの売上だそうですよ。大きな店舗ではないのに。

夫は現在のチームに満足しているそうで、店のことを完全に任せられるので4時にでも帰って来れるし、病院に行く時とかにも休みやすい言います。

私は良く知りませんけど、夫の仕事はこの店舗の店長というだけじゃあ無くて、それ以上の役割があるんだそうですが。

とにかく、スタッフの皆さんは、夫の目が見えなくなっているのを気の毒に思っているのもあるんでしょうけど、それでも送って行ってあげようと思ってくださるということは好意を持たれているということですよねえ。


うちの夫は、お客さん達から度々星5つの最高レビューをもらっているんですが、そうしたレビューを読んでみると夫の仕事に対する姿勢が見えてきます。

あの人はね、基本的に「売上を増やしたい」「お金を儲けたい」という人じゃあないんです。ツールを買いに来た人が、その人に最も適切なツールを手に入れられるように手伝いたいんです。

お客さんが何らかの問題を抱えていて、それを解決するためのツールを探していたりすると特に頑張ります。

そのツールが競合する他店でしか手に入らないと分かれば、もちろん競合店をオススメします。必要とするツールを手に入れられることが一番大切なんですから。

先日は、あるお客さんがオンラインで買ったチェーンソーの組み立てに失敗したらしくて、ある店舗に持ち込んで相談したところ、その店舗のスタッフでは対応できず、うちの夫がいる店舗に行ってくれと言われたそうです。

木材用のツールのことなら、その店舗の店長が何でも良く知っているからと言われて、お客さんは30分も運転してやって来たんですけど。

夫は組み立てを直してあげただけでなく、チェーンソーを安全に使ってもらえるように使い方やメンテナンスの方法などいろいろ教えてあげたそうですよ。それでまた星5つのレビューをもらったのでした。

確かに木材用のツールのことなら何でも良く知っていますが、質問されて答えられないことがあるとYouTube動画とかで必ず勉強しています。休みの日を利用して自費でツールメーカーのトレーニングを受けに行ったりもしますしね。

すごい記憶力をしていますから、学習したことを全部覚えているので、今や歩く百科事典みたいになっているわけです。

これもね、長年に渡って家族との時間を顧みずにツールに没頭して来たおかげというのもあるんですよ。夫婦でどこかに行ったり何か一緒にしたりね、そういうことはほとんど無かったんですから。

仕事の電話は、休みの日だろうが何だろうが常にかかって来ますし、夫はいつでも電話に出ますからね、どれほどイライラさせられたことか。

今はもう何とも思っていません。どうぞ好きなだけやってくださいと思っています。

こんなにやりがいを感じている仕事なら、長く続けたいだろうと思いますよ。目が見えなくなって仕事を止めてしまうのはもったいないです。

夫が頭の中に持っているあの膨大な知識を生かせるような何かが出来ないものかなあと思います。


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