2023年6月14日

事故を起こしたバスの運転手

日本でも報道されているかもしれませんが、ニュー・サウス・ウェールズ州のワインの産地として有名なハンターバレーという所で、日曜日の夜遅くバスの横転事故がありました。

ラウンドアバウトという円形の環状道路で接続した交差点内でバスがガードレール上に横転し、この事故で10人もの人が亡くなり20数名が負傷しました。14名が今も入院していて、その内の2人は重篤な状態だそうです。

ハンターバレーにはおしゃれなワイナリーレストランも数多く、そういう場所はウェディングにも人気があるわけですが、このバスはウェディングパーティーから帰る客を運んでいたそうです。

事故が起きたのは夜の11時半頃。霧が出ていたそうです。

事故現場の写真を見るとスピードを出し過ぎていたとしか思えなかったのですけど、乗客の証言によるとやはりスピードを出し過ぎていたようです。

運転していたのは58歳のブレット・バトン(Brett Button)運転手。

この運転手の危険な運転が気になっていた乗客が、他の乗客に自分の席に戻ってシートベルトをするようにと注意したという証言があることから、シートベルトをしていなかったり立ち歩いたりしていた乗客がいたことが分かります。

乗客にシートベルトをさせるのは運転手の義務なんですけど。

あきれて思わずあごが落ちたのは、事故直前に運転手が車内アナウンス用のマイクで「今のが速いと思うんだったら、よおっしこれを見ろ!」と言ったという証言があるんですよ。

誰かがスピードが速過ぎるとか何とか言ったんでしょう。

「これを見ろ!」と言った直後にコントロールを失ったと言うんですから、更にスピードを出したんでしょうね。そのためにラウンドアバウトのカーブを曲がり切れなかったわけですよ。

警察は乗客の証言など十分な証拠があることから、この運転手を危険運転や過失致死罪などで起訴しましたが、非常にショックを受けている様子だったそうで精神状態が心配されるという理由で、この運転手は保釈されたんです。

乗客やその家族と同じ様に運転手もショックを受けているというのは理解できますけどね、保釈が決まった後、運転手の担当弁護士が「バトン運転手は家に帰れることになってハッピーです」とか「彼はとっても元気ですよ、うまくやってます」(He's doing quite well)と言ったのには違和感を感じましたよ。

こういう状況で「ハッピー」という表現は使うべきじゃあないでしょう。「とっても元気ですよ」という表現も印象が悪いです。

10人もの人が亡くなっているんですよ。その中には幼い子供を持つ夫婦もいたから、その夫婦の子供達は両親を無くしたんです。多くの家族が悲劇に見舞われていて、まだ死亡した人達の身元確認も終わっていないそうなのに「家に帰れるからハッピー」は感じが悪い。

弁護士も言葉を選ぶべきですよねえ。

裁判所から出てきたこの運転手が、集まっているメディアに向けて中指を突き立てるジェスチャーをしたという報道にも驚きました。

中指を突き立てるのは、欧米では相手への極めて侮辱的で攻撃的なジェスチャーとして知られています。

意図して中指を突き立てたのか、偶然そう見えたのかは分かりませんけど、いずれにしても中指を立てた写真が報道されては良い印象はありません。

愚かです…


私はめったにバスに乗ることはないんですけど、バスの運転手もピンからキリまでいることは経験から知っています。

スピードを出しすぎる運転手が時々いるんです。そういう人は大抵急加速急減速という荒い運転なので、私なんかすぐに気持ちが悪くなるんです。

カーブであまり速度を落とさないので座席からずり落ちそうになったりね。小さなラウンドアバウトでは真ん中の盛り上がった島状の部分を避けて通るのが面倒なのか、乗り上げて真っ直ぐ行く運転手もいますよ。

うちの娘は、いつだったかものすごい暴走運転をする運転手に遭遇しています。その時は夜遅かったせいか、運転手は乗客がいなくなったと勘違いしていたらしくて、車内の電気も消してしまって大暴走。

バス停が近づいて娘がボタンを押したら、運転手はびっくり仰天して「うわまだいたのか!」と叫んだそうですが。

心配なほど危険運転をする運転手がいたら、バス会社に報告しておいた方がいいかもしれません。

ハンターバレーで事故を起こした運転手も、これまでもずっとそういう運転をして来ていた可能性が大きいです。事故の数日前に、この運転手が運転するバスで遠足に行ったある小学校の先生が懸念を報告していたという報道もありますし。

それにしても、一瞬の判断ミスでこんなことになるんですよ。

皆さん、お互いに車の運転には気をつけましょうね。


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